夏の終わりから釣れ始めている東京湾のワラサ。
この時期にしては気温が高かった9月26日(火)、剣崎松輪のあまさけや丸から取材した。
今季好調のワラサ
午前5時、まだ日は昇らないが港の駐車場は7割が埋まっている。
後から来た人は、船の近くに荷物を降ろしてから車を移動。
前週までの好調を聞きつけてきた人が多く、当日の同宿は3隻出しと盛況。
同宿でよく仕立ている田口優英さんら5人が到着し、氷とコマセや荷物を手早く積み込んでいく。
この小人数仕立船に同乗させてもらった。
5時50分に出船し、港の近くで待機。
6時ちょうどに同港の船が一斉にポイントに向かう。
ポイントは航程10分と近い。
「水深は40m、カゴは36mです。カウンターはカゴが水面でゼロにリセットしてから始めてください。1mずつマークが付いていて、10mごとに色が変わります。何色か覚えておくといいですよ。準備のできた人から、どうぞ始めてください」
鈴木裕太船長の初心者にも分かりやすい、ていねいなアナウンスでスタート。
いきなりイナダの入れ掛かり
コマセは実釣開始までにあらかじめ詰めておくと速攻ではじめられます。
ハリスは6号6mが標準といわれているが、確実に狙うために8号6mを使用。
プラカゴにオキアミを軽く詰め、ハリには尾羽根を取ったオキアミを付ける。
田口さんは「コマセを一気によく振り出し、タナを正確に合わせる。そして、時々誘う」とビギナーにアドバイスしている。
左舷ミヨシの2人はイナダの入れ掛かりで、手返しよく釣っていく。
小人数の釣友同士なので、オマツリは少なくとても和やかな雰囲気。
こまめに釣り方のコツを聞いたり、教えてもらったりしている。
魚影が濃く、初心者にもイナダがヒット。
ワラサ到来
1時間ほど経ったところで水深が50mの場所に移動。
ほどなく、「魚が入ってきています。いい反応がありますよ」のアナウンス後に、田口さんの竿が大きく曲がり、船中1尾目のワラサをゲット。
続いて隣の宮本勘輔さんと、右舷トモで貸し竿を使用している斎藤竜慶さんにも強い引きがくる。
斎藤さんは「必ず船酔いしてしまう」と言うが、そんなことをうかがわせないほどのファイトでゲット。
その後、田口さんが2尾、宮本さんが1尾追釣。
右舷ミヨシの後藤憲一さんは釣りを始めて2年。
「昨年はワラサを上げられなかったので、今年こそは」と話していると、強い引き。
期待を込めてリールを巻くと、良型のマダイだ。
左舷トモの赤松芳春さんもまだ本命は上げていないが、楽しそうに海に向かっている。
チャンスタイムが終わっても田口さんはコンスタントにイナダを上げる。
仕掛けがタナまで届く前にヒラソーダが掛かることもあり、船中ポツポツ何かが釣れ続きながら12時30分に納竿した。
船中釣果はワラサが6尾とイナダが多数、ヒラソーダなどでクーラーは満タン。
別船の竿頭は4尾で3.3~4.5kg0~4尾だった。
船長のコメント
「きのうから、浅いところにイナダが入ってきました。普段は30~40mにワラサがいますが、きょうは魚礁近くの水深50mの場所で開始から9時ごろまでがよかったです。うれしかったのは、いい型のマダイがでたこと。初心者の人にもワラサが上がってよかったです。9~10時くらいまででが釣れて、お昼には減るパターン。四日前まではワラサがよかったですが、きょうは小型が多かったですね」
別船に乗船していた常連の杵渕朗さんと吉井和春さんは「たくさん釣れたイナダは塩漬けにして、焼肉のタレに漬けて揚げたりします。きょうは暑いけど、ワラサはしゃぶしゃぶで食べます」と話していた。
また、田口さんは「刺し身は、当日はもちろん一日置いても美味しいですよ。プリッとした食感がモチッとします」といろいろな調理方法を教えてくれたので、別項で紹介する。
氷とコマセは漁協でも
各自で事前に釣具店などで購入し持参するか、港にある漁協で購入できる。
漁協ではコマセや付けエサ、2種類の大きさの氷を揃えている。
もし船上でエサがなくなったら終了になってしまうので、コマセの撒き方で個人差はあるが十分な量を用意して乗船しよう。
なおコマセの分量は東京湾と相模湾ではオキアミ3kg、アミコマセ含めて5kgまで。
氷は、砕氷と角型がある。
また、港に戻ってからの販売もあるので、重くなったクーラーを持って漁協前に並ぼう。
<週刊つりニュース関東版 本紙・宮﨑千恵/TSURINEWS編>