太陽がじりじりと照りつける日が続くようになると、美しいパールピンクの魚体をまとったシロギスの出番。陸っぱりのチョイ投げも楽しいけれど、ここはレンタルボートを借りて少し沖の良型キスをまとめて釣っちゃおう!今回はそんなレンタルボートキスの釣果アップの秘訣を大公開!
①オモリはできる限り軽く
「オモリは水深に合わせて3~20号を使用」と前述した。が、実際にはどのような目安で使用号数を決定すればいいのか…。キスは底付近に潜む魚なので、まずはオモリが底に着いた状態での釣りが大きな基本ラインとなる。
釣り場で試してみる
逆に言えば、重めのオモリを使って確実に底を取るのもキス釣りの基本である。ただ、大きなオモリは比較的短い仕掛けを使うボートのキス釣りではかなりの違和感を与える要因となるのも確か。
では、どうすればいいのか。自分のイメージするオモリ(水深やボートの流れを考えてみよう)を付けて放り込んでみる。これは特に何号でも構わない。慣れた釣り場や案内してくれる人がいるなら教えて貰おう。そして、実際に底を引きずってみる。
底が感じ取れるかがポイント
その時、ボートの流れるのに対して、ゴソゴソとした底の感触(波紋)が感じられないならオモリが浮いてしまっている証拠。少しオモリを重くしてみよう。まずはボートの流れに任せた状態でオモリが底をキープできれば合格! 逆に最初からゴソゴソという感触が続けばオモリを軽くする。オモリを軽くしていって浮いてしまう直前の重さを確認しよう。
調整ができたら、次はサオを手にしてボートを流しながら、サオで仕掛けを引いてみる。時計の秒針くらいの速度で引きずった時に底を感じることができれば最高だ。
この状態を基本として、風が出てボートが速く流されたり、違う水深のエリアへ移動した時にはいつでもオモリをかえることができるようにしておくのがベスト。初夏のキスは食いが活発なので、そこまでしなくてもアタリはあるものだが、ちょっとした気遣いでアタリの数やアタリからフッキングできる数に大きく差が出ることも知っておこう。
②小バリを使おう
次に重要なのはキスとの接点であるハリ。これは陸っぱりのチョイ投げでも通用することだが、とにかく小さめのハリを使うこと。キスは海底より少し浮いたタナで砂底にいる甲殻類や多毛類などを吸い込むように捕食する。これはハリが付いたエサを見つけても同じ。
一瞬で吸い込んでは違和感があれば吐き出すのだが、吐き出す時にハリが口付近やノドに刺さって、その違和感を感じたら暴れる。これはサオに激しく伝わる爽快なアタリ。実は釣り人が思っている爽快感は、キスに取ってみればハリ掛かりして「イヤイヤ」をしている反応なのだ。
競技用のハリを使おう
ということはまずは吸い込みやすいハリをチョイスすることから始まるのはいうまでもない。吸い込みやすいのはハリの軸が長く、自重の軽い細いハリである。そんなキスバリの代表格が、投げ釣り用での引き釣りに使用される「競技用」と銘打たれたハリ。キスを投げ釣りで狙う場合、引き釣りではキスのアタリがあってもアワせることはない。穂先でキスの引きを感じつつ、無視をするように釣り続けることで一投多魚を狙う。
そのため、吸い込みやすくてすっぽ抜けしにくく、勝手に掛かってしまうハリが追求されてきている。これはボートでの釣りでも同じだ。ショップに行って見てみると、競技用のキスバリはたいていが小バリ仕様である。具体的には4~7号といったところか。
それでも掛からない場合は?
さらにこだわりを言うならば、ハリ先がやや外を向いているか、内を向いているかで掛かり方が大きく異なることも頭の片隅に覚えておこう。と言うのは、吸い込みやすいのは同様なのだが、ハリ先が外を向いたハリは吸い込まれてから吐き出される前にノドの軟らかい部分に掛かりやすい設計。つまりは飲み込ませて確実に釣り上げることを重視している。
逆に内を向いているのはノドに掛からず、ハリが口から抜ける直前に口付近に掛かる設計なのだ。どちらがいいか…とう問題は今回はさておき、キスのアタリがあるのに掛からない、掛かっても外れてしまう…という状況を目の当たりにしたときに思い出してハリの形状をかえるのも作戦だ。
注意点としては外向き寄りのハリの場合は、底を引きずることでハリ先が外を向いている分、甘くなりやすいことだろう。
③サオの硬さに合わせた釣り方を
キスはサオ先でアタリをダイレクトに取る釣りである。そのため、本来はサオの調子が重要になってくるのだが、こればっかりはオモリとのバランスなども関わってくるため一概には言えないのが現状である。
大別するなら、感度重視で張りのあるサオと乗せ重視の柔軟なサオとなる。感度重視のサオの極端な例が「9対1」や「8対2」調子と称されるカワハギ用のサオだ。胴は硬く、穂先のみが曲がるくらいの設計で、とにかく感度がいい。が、実際にアタリが出た時には、「アタリは分かるが掛からないことが多い」と言われる。
逆に乗せ調子の方はと言うと、アタリが出るときには大きなアタリが出て掛かるが、エサがいつの間にかちぎられることも多い。
これはキスの食い方によるアタリの出方の違いであると言われている。前述のように、キスはエサを吸い込んで、違和感があれば吐き出す。具体的に言うなら、張りのあるサオは違和感を感じて吐き出す前に、こちらから掛けることを信条とする調子、乗せ調子はキスが軟らかいサオ先の違和感を感じにくい分、しっかりと食い込んでくれるサオ…となる。ただし、乗せ調子のサオは感度がやや落ちる分、キスの吸い込んだ瞬間のアタリは見分けづらい。
どちらが優れている…という訳ではなく、キスの食いによるサオの状況を認識するかしないか…が大切である。
目安としては、経験の少ない初心者には掛かれば大きなアタリで楽しめる乗せ調子、経験者でキス釣りの腕、感覚を磨くには、大きなアタリの前に出る微かな吸い込みアタリも取れる張りのあるサオがオススメだ。