ヘラブナ釣りに興味はあるけれど、難しそうなイメージがあってなかなか入門できないでいる人は多いのではないだろうか? この連載では、そんな人に向けた最初のとっかかりとして、ヘラブナ釣りの基本を12回に分けて紹介していきたい。初回となる今回は、ヘラブナ釣りの魅力と種類についてを解説する。
ヘラブナ釣りはゲームフィッシング
ヘラブナ釣りといえばどんなイメージを読者のみなさんは持たれるだろうか? おそらく、映画のワンシーンで映るような公園でじっくりと釣りをするイメージが多いだろう。私が周りの釣りをしない人たちから聞くイメージも、「あまり動かない」、「じっとしてそう」という、地味なイメージばかりだ。
だが、ヘラブナ釣りは日本発祥のゲームフィッシングだと胸を張って言いたい。ウキの動きから水中をイメージし、ウキの形状、ハリの重さの数ミリグラムの違い、エサの種類、エサの付け方などなど、その時々のヘラブナの活性に合わせてかえていき、答えを導き出す。これぞゲームフィッシングと言われるところである。釣り好きなら必ず面白さが理解できるのは間違いない。
そして、多くの釣り方、楽しみ方があるのがこのヘラブナ釣りの魅力である。時には極太のライン、太軸のハリ、大エサでダムや湖で一日数回のアタリを取り、大型を釣る。繊細なタックルで極小のアタリを取る冬の釣り堀。速攻のエサ打ちでヘラを寄せて、一日数10kgを釣るトーナメント。同じ魚種を狙ってるとは思えないほどの釣り方の違いもヘラブナ釣りの魅力であり、浪漫である。
この連載では他魚種を狙っている方々にもそれらの魅力、楽しさを伝えていければと思う。
管理池と野釣り
まず、ヘラブナ釣りを大きく分類すれば「管理池」と「野釣り」という釣り場の違いにわけられる。管理池の定義は足場や設備が整備されていて定期的にヘラブナが放流された釣り場になる。一方、野釣りは自然にできた池や川、湖、ダムなどの釣り場。釣り方的には基本こそかわらないものの、使うタックルや釣れるための考え方は違う。魚が常に周りに居る状態でいかに釣るかを考える管理池と、魚を探すところに重点を置く野釣りとの違いだ。
管理池で大きく釣り方を分類するなら「底釣り」と「宙釣り」に分けられる。狙うタナが違うだけだが底にエサを置き釣る釣り方と、宙にエサがぶら下がった状態の宙釣りでは考え方がかわってくる。
また、野釣りで大きく分類するならある程度、魚影の濃い野釣り場での数釣りと、魚影こそそこまでないが40cm以上の大型をターゲットにした一発大型狙いの野釣り場での釣りにわけられる。どの釣りも奥深さがあり、楽しさがある。楽しみ方を四季折々かえていけるのもヘラブナ釣りの魅力であることは間違いない。