10月1日に、著者の通うホームリバーは禁漁期間に入った。著者は10年以上渓流釣りを楽しんでいるのだが、ベテランとなった今だからこそ、シーズンを完走する事により改めて得られる知識がある。今回は、著者がこれまでの渓流釣りで得た知識を、渓流師の皆様に共有させていただきたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
川そのもの
先ずは渓相、即ち川そのものについてフォーカスしていく。
川の地形は変わるもの
これは渓流師の方々であればご存知だと思うが、大自然そのものである渓流は、よく川の地形が変わる。増水すれば岩の位置が変わるし、土砂流入があれば水深が浅くなり、カケアガリへと変貌したりする。
岩の移動で流れが緩くなった場所(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)ひどい場合は流れがせき止められてしまい、好ポイントだった場所での釣りが成立しなくなることもある。日頃から川を観察し、地形が変わった場合の「次の着き場」について、常に想定しておきたいところだ。
ポイントが変わる!?
今シーズン、増水して地形が変わった後に好ポイントとなる場所が多く見つかった。「いつもこの辺りで釣れたはずだ」という固定観念にとらわれることなく、その周辺で新しいポイントを探してみると、意外と竿抜けとなっており好釣果を得られる可能性が高い。
ダメだった場所で爆釣
以下の写真は、昨シーズンまでに見つけていた「すごく良い雰囲気なのに釣れない」場所だ。
今年から良くなったエグレ(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)こういった場所は何らかのピースのかけ違いにより、これまでは好ポイントではなかった可能性が高い。今シーズンは、この場所に至るまでの岩の配置が変わって流れが変化した結果、底のエグレがやや深くなっていた。結果、良型が多く出る好ポイントへと変化したのだ。
「何故この雰囲気で釣れない!?」と思える場所を見つけたならば、その原因を究明すれば、来シーズン以降は狙える場所が増えるかも……と考えておいてほしい。
魚の食性
続いては渓魚の食性だ。以前著者はこのような記事を書いた。
今シーズン、渓魚の食性について新たに発見したことをこちらで紹介したい。
春先
上記の記事で紹介した時と同様、やはり大半を占めていたのは川虫だった。多かった順にクロツツトビケラ、ヒラタ、キンパク類となっていたので、著者が通う渓ではクロツツトビケラが圧倒的に人気なのかもしれない。
4月~5月
ヒラタやトビケラ類がメインとなり、やはりマゴタロウ虫が時折登場した。また、今シーズンはクロカワムシが出てくることも多かった。この辺りは「年による川虫の発生量の違い」かもしれない、というのが興味深い。
驚いたのは、増水後に釣れたアマゴの胃の中から川エビ(シラサエビやブツエビ)が出てきたこと。
まさかの川エビ!(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)「エサ運搬」という面から使用するのは困難だろうが、アマゴが川エビを食べているという事実は非常に面白いところだ。とはいえ、鮭や海に降ったサツキマスやヤマメがエビ類を捕食している事を考えると自然な事なのかもしれない。
6~7月
陸上昆虫が一気に増え、カゲロウやトビケラの成虫が非常に多い中、小型のコガネムシやカメムシといった殻が固い物もよく見受けられたし、ニイニイゼミが出てきたこともあった。また、小鮎やヨシノボリらしき魚を食している個体にも初めて遭遇したのだが、やはり良型(25cm~27cm)だった。
消化しかけの小魚類(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)「初夏~夏場は魚食性が強まる可能性あり」という事実は、ルアーマンにとってヒントとなり得るかもしれない。
8~9月
著者が通う川はこれまで漁期が8月末までであり、今シーズンから9月の釣りが解禁となった。試しに2回ほど釣行したのだが、8~9月は川虫への反応があまりよくなく、ミミズに対して好反応だった。
胃袋からは陸生昆虫ばかりが出てきたのだが、大半がハチと小型キリギリス類だったのには驚いた。夏場は無理して川虫を採集する必要はなく、ミミズやブドウムシを持ち込むと良さそうだ。
この組み合わせが最強かも(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)餌のローテは?
今シーズンの釣行から導き出される、著者流の渓流餌ローテは以下のようになった。
著者のローテ(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)解禁直後は圧倒的にイクラ。そこからは季節に応じて使い分ける事になるのだが、特筆すべきはヒラタの使用期間の長さだろう。その他、8・9月はミミズやブドウムシを使うのが手軽で良さそうだと感じたし、捕獲が可能なのであれば積極的に陸生昆虫を使っても良いと感じた次第だ。
山菜
今年は著者にとって、渓流釣りのお供として楽しめる山菜に数多く出会ったシーズンだった。来シーズン以降、時期別に狙える山菜を紹介したい。
解禁直後
解禁直後はまだ寒く、雪が残る場所も多い。山間部での狙い目はやはりフキノトウ。その他、平地でも採りやすい菜花の仲間やノビルもオススメだ。
3月半ば~4月にかけて
採れる山菜・野草が一気に増える。3月半ば~下旬はアサツキ、ユキノシタ、ワラビが狙い目で、4月に入るとタラの芽、コゴミ、ヤハズノエンドウが採れる。4月下旬頃からはヨモギやクズ、三つ葉、オランダガラシの新芽が大量に取れる時期だ。イタドリも捨てがたい。
アサツキは使いやすい(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)5月~6月
ニラやウワバミソウがあちこちで見受けられ、沢山生えている場所を見つけておくと重宝する。6月頭に採れる桑の実も大変美味しい。
こちらが桑の実(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)時期が短いものに注意
コゴミは4月の2周目~4週目くらいまででほぼ成長してしまった印象なので、食べたいのであればこの時期に積極的に狙った方が良いだろう。タラの芽はライバルが多いので、ルールを守って採りすぎないように注意しながらも、時期を見過ごさないようにしたい。
長期間採集できる物も
ヨモギやオランダガラシの新芽は4月~6月(標高が高い場所)まで狙えるし、ユキノシタや三つ葉は3月~7月頃まで採集出来た。ウワバミソウも5月~8月まで採集が可能で、それ以降はコブと呼ばれる部分も食用になる。長い間楽しめるのは嬉しいところだ。
こちらが山菜シーズン表(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)渓流餌釣りは季節の移ろいを楽しむ釣り
今シーズンを終えて感じた事は、やはり渓流餌釣りは素晴らしい釣りだということ。そもそも、たった一種の魚種をこれだけの期間追い続ける釣りというのは、中々に珍しい釣りなのだ。長いシーズンのため、日本の四季を間近に感じながら、時に魚だけでなく山菜のような山の恵みも手にすることが出来る。
著者は今シーズン、渓流釣りの記事を数多く執筆させていただいたが、今回までに記してきた事を是非頭の片隅に置いて頂き、来年以降、皆様の渓流釣りのお役に立てることを期待したいと思う。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>



