台風接近前の9月19日、妻と静岡県沼津でボート釣りへ。筆者は昔ながらの手釣り「カッタクリ」で青物を狙うと、1投目からソウダガツオがヒット。その後も魚が連発し、27Lクーラー満タンで予定より早く帰港する好釣果となった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター藤倉聡)
「カッタクリ」で青物を狙う
シルバーウィークは台風25号が日本列島へ接近する予報。そこで9月19日、シケ前の好釣果を期待して妻と静岡県沼津へボート釣りに出かけた。今回、筆者が選んだのは一昔前に相模湾などで盛んに行われていた「カッタクリ」。手釣りで青物を狙う昔ながらの釣法だ。
筆者はカッタクリ、妻はコマセを使った片テンビン吹き流し仕掛けで青物五目を狙うことにした。ただし、台風接近中だけに無理は禁物。前日にマリーナへ海況を確認すると「出船は可能ですが、なるべく近場での釣りをお勧めします」とのことだった。
そこで海が穏やかなら我入道沖まで。風が強まった場合はマリーナに近い淡島沖などへ移動する計画を立てた。
手釣りの「カッタクリ」とは?
カッタクリには、ロッドを使う方法と、木枠に道糸を巻いて手釣りで狙う方法がある。今回、筆者が使用したのは後者だ。道糸には鉄仮面(ステン缶)付きのテンビンをセットし、魚皮を乾燥させた「バケ」と呼ばれる疑似餌を使用する。
ステン缶(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)乾燥したバケは、釣りを始める前に海水を張ったバケツへ漬けて戻しておく。
使ったタックル(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)
基本の釣り方
釣り方は、利き手で道糸をつかんで鋭く顔や胸の前まで引き上げ、反対の手でラインをつかんで船内へ手繰っていく。この動作を繰り返し、八の字を描くようにリズミカルに誘う。手釣りではラインが直接指に触れるため、筆者はケガ防止に指サックを使用している。
魚が掛かったら、そのままラインを手繰って取り込む。ただし、船内へ手繰ったラインの上に魚を置くと、暴れた際に仕掛けが絡む原因になるので注意したい。
バケは複数種類を用意
今回のカッタクリでは、バラフグを中心に、ハモやナマズなど複数種類のバケを用意した。魚の反応や海の状況を見ながら使い分けるためだ。
かったくり仕掛け(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)妻は片テンビン吹き流し仕掛け
妻は片テンビン吹き流し仕掛けを使用。エサにはオキアミとサバの切り身を用意した。サバの切り身は「KAIRI ロックフィッシュ UVケイムラ」に漬け込み、アミコマセには「KAIRI グレ マキエ用」を少量加えた。
アミエビは2人で8kgを購入し、そのうち4kgは事前に全解凍をお願いしておいた。
フォーミュラ(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)1投目からソウダガツオがヒット
当日の天気は曇り。早朝は霧雨程度の雨が降っていた。「ヤマハマリーナ沼津」に到着後、愛艇「Wisteria」に荷物を積み込み、バケを海水へ漬けて午前7時に出艇。沖へ出てみると、予想に反して風はなく、海も穏やかだった。そこで朝一番は、我入道沖のヒイチ根を目指すことにした。
ヒイチ根で釣りスタート
ヒイチ根へ到着すると、すでに多くのボートが浮かんでいた。ほかの釣り人の邪魔にならないよう、水深34mのポイントでミンコタをスポットロック(定点保持)モードにして釣り開始。筆者はバラフグとハモの2本バリ仕掛けを一度底まで落とし、リズムよくラインを手繰っていく。
すると中層付近で、「ズシ!」と重みが伝わった。これぞ手釣りの醍醐味!そのままのペースで手繰ると、ソウダガツオが水面へ。最後は一気に抜き上げ、1投目から本命をキャッチすることができた。
ソウダガツオ(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)片テンビン吹き流し仕掛けにも
片テンビン吹き流し仕掛けの妻もプラビシへアミコマセを詰めて釣り始めると、すぐに、「きた~♪」。マアジとゴマサバの一荷釣りだ。エサはオキアミで、底付近で食ってきたという。
マアジはうれしい(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)ソウダガツオが入れ食い
群れがいるうちに急いで仕掛けを入れ直すと、筆者には水深15m付近で再びソウダガツオ。そこから連発となった。
どんどん釣れる(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)タナを絞るとなぜかアタリ激減
ソウダガツオやサバは、水深15~18m付近で掛かることが多かった。そこで、「毎回底まで落とさなくてもいいのでは?」と考え、効率を上げるために魚がいるタナの3~5m下から手繰り始めることにした。ところが、これが裏目に出る。なぜかアタリが激減してしまったのだ。
底から誘うとアタリ復活
そこで再び仕掛けを底まで落とし、そこから誘い上げる方法へ戻してみる。すると、入れ食いが復活した。この日は単純に魚がいるタナだけを通せばいいわけではなく、底から長く誘い上げる方が反応を得やすかった。
ゲスト魚も続々ヒット
再び好調に釣れ始め、ソウダガツオだと思って取り込んだ魚を確認すると、なんとメジマグロ(クロマグロの幼魚)だった。もちろん持ち帰らず、リリースした。さらに珍しく底付近でアタリが出た。
「今度は何だ?」
姿を見るのを楽しみに手繰ってくると、水面へ浮上したのはマハタ。こちらも無事にキャッチした。メジマグロとマハタは、いずれもバラフグのバケに掛かっていた。
マハタがヒット(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)良型アイゴもヒット
一方、妻にも大物らしき魚がヒット。期待しながら浮上を待つと、その正体は良型のアイゴだった。すでに十分な魚をキープしていたため、こちらはリリース。
アイゴはリリース(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)サバ切り身にソウダガツオ好反応
妻はエサをオキアミからサバの切り身へ替えると、ソウダガツオのヒットが増えた。表層ではシイラの姿も見られ、海はますます賑やかになってきた。ただ、徐々に風が強まり始めたため、早めに我入道沖を離れることにした。
淡島沖でもソウダガツオ連発
次に向かったのは、マリーナに近い淡島ホテル前の水深34m。こちらは風の影響も少なく、釣りやすい。そして、ここでも1投目からソウダガツオが次々とヒットした。潮止まりになっても勢いは衰えず、妻はサバの切り身でカマスもキャッチ。
ソウダガツオ連発(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)シイラの回遊も見られたのでカッタクリやオキアミで狙ってみたものの、こちらはヒットせず。「ルアーも持ってくればよかった……」少し後悔した。その後、再び風が強まり始めたため、いつでも帰港できるマリーナ前へ移動した。
沼津周辺はどこでも入れ食!
ヤマハマリーナ沼津前の水深34mでも、中層から上層にはソウダガツオが群れているようで、仕掛けを入れるたびにヒットする状況が続いた。さらに別魚種を求めて、多比港沖のアサ根へ移動。
ここではバケを、それまでのバラフグ&ハモからバラフグ&ナマズの2本バリへ変更した。魚探を見ると中層に明確な反応。その反応通り、ここでもソウダガツオやサバが次々とヒットし、筆者はナマズのバケでカマスもキャッチした。
ナマズのバケでカマス(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)27Lクーラーが満タン
当初は午後2時まで釣る予定だったが、午後1時15分には27Lクーラーが満タン。予定を繰り上げて早上がりとした。
最終釣果
筆者の釣果は、35cmのメジマグロ1匹、34cmのマハタ1匹、26cmのカマス1匹、25~35cmのマサバ&ゴマサバ4匹、32~37cmのヒラソウダ&マルソウダ14匹。そのほかエソ、トラギス、フグも釣れた。
妻は20~22cmのマアジ2匹、26cmのカマス1匹、25~35cmのマサバ&ゴマサバ3匹、32~37cmのヒラソウダ&マルソウダ7匹。そのほかアイゴやエソをキャッチした。
メジマグロなどリリースした魚もいるが、27Lクーラーは十分な魚で埋まった。
カッタクリの強みを実感
今回、筆者のカッタクリではソウダガツオを中心に次々と魚がヒットした。手釣りならではの手返しの速さに加え、当日は使用したバケへの反応も良かったように感じる。バケの動きを妨げないよう、今回はクッションゴムを使用しなかった。
バケではバラフグとナマズへの反応が良く、特にバラフグではメジマグロとマハタもヒットした。複数のバケやエサを用意しておき、その日の反応を見ながら替えていくことも有効だったように思う。
フォーミュラーの効果は?
また、アミコマセには「KAIRI グレ マキエ用」、サバの切り身には「KAIRI ロックフィッシュ UVケイムラ」を使用した。これらがどこまで釣果へ影響したかを今回だけで判断することはできないものの、筆者としては今後も条件を変えながら試してみたいところだ。
シケ前の荒食い?
今回は台風接近前ということで、筆者自身「シケ前の荒食い」を期待しての釣行だった。実際、ヒイチ根だけでなく淡島沖、マリーナ前、多比沖と、移動した先々でソウダガツオやサバの高活性に遭遇した。ただし、それが台風接近によるものだったかどうかは今回の釣行だけでは分からない。
それでも、手釣りのカッタクリで次々と伝わってくる「ズシッ」という魚の重みは、久しぶりにこの釣りの威力と面白さを味わわせてくれた。
釣った魚は美味しく頂く
持ち帰ったマアジは刺し身、カマスは塩焼きに。マハタは2晩寝かせてから、刺し身と湯引きで味わった。ソウダガツオは市販の煮魚用のタレをベースに、料理酒と砂糖で味を調えて甘辛い煮付けに。
カマス(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)サバは揚げた後、カンタン酢、酢、輪切り唐辛子で作った漬け汁へタマネギのスライスと一緒に漬け、南蛮漬けにした。どちらも手軽ながら酒が進む一品となった。
昔ながらのカッタクリを満喫
今では手釣りのカッタクリを楽しむ人を見る機会も少なくなったが、魚が掛かった瞬間の重みを直接手で感じながら、次々とラインを手繰っていく感覚には独特の面白さがある。
今回は1投目からソウダガツオがヒットし、メジマグロやマハタなど思わぬ魚も登場。妻のエサ釣りも好調で、最後はクーラー満タンで予定より早く帰港するほどの釣果に恵まれた。久しぶりのカッタクリを、存分に楽しむことができた一日だった。
<藤倉聡/TSURINEWSライター>



