乗船料がかからないオカッパリは、船釣りより安く楽しめると思いがちである。しかし、回遊魚を狙うとなると、交通費や駐車場代、ルアー代に加えて、魚がいない場所を何度も探し続ける時間までかかる。実際にタチウオを追った直近一年の出費を振り返ると、船釣りの料金との意外な差が見えてきた。オカッパリと船、どちらが本当にコスパに優れるのかを考えてみたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
オカッパリは本当に安いのか
オカッパリは船代がかからないため、船釣りより安く楽しめるイメージがある。
実際、一回の釣行だけを見れば、陸っぱりの方が安く済むことは多い。しかし、何度も釣り場へ通うことまで考えると、話は少し変わってくる。交通費や駐車場代、ルアーやワーム、フックなどの消耗品。さらに釣り場までの移動時間もある。
特に回遊魚を狙う場合は、魚がいるタイミングに合わせて何度も釣行することになるため、一回あたりの費用だけでは実際のコストは見えてこない。「船代がないから安い」というだけではなく、目的の魚を釣るまでにいくら使ったのか。そこまで含めて考える必要がある。
回遊魚は魚がいない問題がある
オカッパリでタチウオや青物を狙っていて、最も厄介なのが「魚がいない」ことである。
腕が悪い、ルアーが合っていない、レンジが違うという以前に、そもそも回遊魚が岸まで入ってきていなければ釣ることはできない。どれだけキャストを繰り返しても、魚がいなければ結果は出ない。
さらに厄介なのが、同じ大阪湾でもポイントによって回遊状況が変わることである。ある場所では釣れているのに、少し離れた場所ではまったく気配がないということも珍しくない。
そうなると、「今日は釣れるかもしれない」と考えて釣り場へ向かい、反応がなければ別のポイントへ移動する。それでもダメなら、また別の日に釣行する。こうした積み重ねによって、交通費も時間も少しずつ増えていく。
回遊魚をオカッパリで追う場合、魚がいるかどうかを自分で探し続けなければならない。これがオカッパリの大きな弱点である。
見放されることも多いオカッパリ(提供:TSURINEWSライター・井上海生)オカッパリと船の費用を比較
そこで、実際にタチウオを狙った釣行を振り返り、どれくらいの費用がかかっているのかを考えてみた。
一回の釣行だけなら、交通費、駐車場代、ルアーや仕掛けなどを合わせても、それほど大きな金額にはならない。しかし、それを何度も繰り返していると話が変わってくる。
筆者の場合、直近一年間のタチウオ釣りだけで、交通費や釣具の消耗などを含めると2万円以上を使っていた。しかも、釣れたのはたったの1尾だ。もちろん同時に竿を変えて別の釣り物もやっているが、どうだろう・・・・・・タチウオを釣るという目的だけに絞って考えると、決して安い金額ではない。
一方、船釣りなら1回の料金は高くなるものの、筆者が比較したケースでは船代15000円程度で数釣りが期待できる。単純な「1回の料金」だけなら船の方が高いが、魚を釣るところまで含めて考えると、オカッパリとの価格差はかなり縮まってくる。
ただ、もちろん初期投資というものは必要で、沖船用の道具を買う必要はあるのだが。
船ならほとんど確実に数釣り(提供:TSURINEWSライター・井上海生)船釣りの料金と比較して決める
船釣りの大きなメリットは、魚を探す部分を船側に任せられることである。
魚探などを使いながら魚のいる場所へ向かうため、少なくとも「今日は魚が岸に回ってきていない」という問題とは別の釣りができる。もちろん船だから必ず釣れるわけではないし、海況や魚の活性によって釣果は変わる。それでも、魚のいる可能性が高い場所まで移動できることは大きい。
オカッパリでは、自分自身でポイントを探し、車やバイクで移動し、釣り場に入って、回遊を待つ。その一連の時間もコストとして考える必要があり、実際かなりきついものがある。
魚種によって釣り方を使い分ける
だからといって、オカッパリを完全にやめる必要はない。
チヌやメバルのように近場で狙える魚なら、オカッパリとの相性は非常に良い。自宅から比較的近いポイントへ行き、短時間だけ釣って帰ることもできる。釣れなかったとしても、交通費や時間をそれほど大きく消費せずに済む。
一方、タチウオや青物のように回遊ムラが大きく、接岸のタイミングに左右されやすい魚は、船釣りを選択肢に入れる価値がある。
特に「釣り場へ行っても魚がいない」という状況を何度も経験しているなら、一度船に乗って比較してみるのも面白い。
オカッパリは魚種限定で(提供:TSURINEWSライター・井上海生)釣りは単純に「安いか高いか」だけで決めるものではない。しかし、同じ魚を釣るために何度も通い、交通費や消耗品代を積み重ねているのであれば、一度その総額を計算してみる価値はあるはずだ。オカッパリと船を、目的別に使い分けるのが一番良いかもしれない。
<井上海生/TSURINEWSライター>


