クラゲといえば水中の生物ですが、実は陸上にも数多くの"あやかりクラゲ"が存在します。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
キノコ界のクラゲ
クラゲといえば、海に生息するゼリー状の生き物として広く知られています。実際は一部真水に棲むものもいるのですが、基本的にはその理解で問題ないです。
一方で、生き物であるにもかかわらずほとんどが水分でできているそのユニークな見た目は特徴的であり、生物学上クラゲと全く関係がないものに「〇〇クラゲ」の名前を当てることもしばしばあります。
キクラゲ(提供:PhotoAC)中でも最も有名なものはキクラゲでしょう。キクラゲは木に生えるクラゲのような見た目の生物のためこのような名前が付けられましたが、分類学上はキノコであり菌類の一種です。半透明の見た目もさることながら食感が非常にクラゲと似ており、さもありなんという名づけです。
野菜界のクラゲ
キクラゲほど有名ではないですが、名にクラゲを冠する食材はほかにもあります。それが山クラゲ。
山クラゲは野菜の一種で、正しくはステムレタスといいます。名前の通りステム(茎)を食用とするレタスの仲間で、中国などで盛んに栽培されています。
山クラゲ(提供:PhotoAC)ステムレタスの茎を細く裂き、干してから戻して調理するとコリコリとした食感があり、まるで食材のクラゲみたいになります。わが国では、海産物に食感が似た里の食材を「山〇〇」と呼ぶことがしばしばあり、ステムレタスも山クラゲと呼ばれています。
微生物界のクラゲ
上記のものと比べるとはるかにマイナーな「〇〇クラゲ」があります。それはイシクラゲ。公園や駐車場などの空き地の片隅にまとまって発生している、わかめのような見た目の生物です。
イシクラゲ(提供:PhotoAC)イシクラゲは名前の通り「石の上に生えるクラゲのような生き物」なのですが、その正体は藍藻類。簡単に言えば植物プランクトンなどと同じグループの生き物です。一体一体は非常に小さいのですが、それが集まるとゼリー状の物質で自らが生きるための空間を作り出し、それが目に見えるものとなります。
イシクラゲは地面に生えているため見た目には全く食欲がわきませんが、沖縄や滋賀県などでは伝統的に食用としてきました。実は栄養価が非常に高く、スーパーフードになりうる存在として研究が進められています。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>

