秋から初冬に盛り上がるショアのタチウオゲーム。テンヤ釣りではキビナゴやイワシが定番エサですが、実は業務スーパーで販売されている冷凍魚「バルト海いわし」も使えます。500g・税別248円という安さながら、身崩れしやすいのが弱点。そこで今回は、バルト海いわしの正体から、エサ持ちを高める塩締め、相性の良いテンヤの選び方、さらに残った身を再利用する方法まで紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・りおまいのりお)
業務スーパーのバルト海いわし
秋から初冬にかけて盛り上がるショアのタチウオゲーム。指4本クラスやドラゴン級を狙って、夜な夜なキャストを繰り返すアングラーも多いのではないでしょうか。そんなテンヤファンの間でじわじわと定着し、密かに愛用されているのが、業務スーパーの冷凍コーナーに並ぶ「バルト海いわし(500g・税別248円)」です。
上がバルト海イワシ下がマイワシ(提供:TSURINEWSライター・りおまいのりお)「気になってはいるけれど実際どうなの?」「以前使ってみたけれど身が崩れてうまく扱えなかった」という方もいれば、すでにその圧倒的なコスパの虜になっている方もいるはず。
今回は、この「バルト海いわし」の知られざる正体から、実際に愛用する中で行き着いた「劇的に扱いやすくなるテンヤの選び方」、そして下処理や現場での裏ワザテクニックまでを徹底解説します!
ショアテンヤタチウオ釣りのエサ
私は秋のショアタチウオにおいて、軽量のライトテンヤを使用しています。日没直後の時合には手返しの良いキビナゴをメインに使いますが、食いが落ちた時や、指5本クラス以上のいわゆる「ドラゴンサイズ」を狙う場面で登場するのが、この「バルト海いわし」です。
イワシではなくニシンの仲間
最初に使用した際、その姿を見て真っ先に「これ、本当にイワシ……?」と、違和感を覚えました。国産のイワシと比べて少し丸っこい体型をしていたため気になって調べてみると、その正体はイワシではなくニシン科の「ヨーロピアンスプラット」という小魚だったのです。
しかし、この「ニシン科」という点が実は大きな強みとなります。私がホームにしている博多湾では秋口からコノシロ(ニシン科)が大量に回遊しており、大型のタチウオは間違いなくこのコノシロをメインのエサにしています。
つまり、同じニシン科特有の強い光沢(銀色のフラッシング)と体高のあるシルエットを持つバルト海いわしは、現場のタチウオが実際に食べているベイト(エサとなる小魚)の種類や姿形に合わせる「マッチザベイト」の観点からも、非常に理にかなった強力なエサとして機能するのです。
尾びれがない
尾びれがない(提供:TSURINEWSライター・りおまいのりお)袋から出すとほとんどの個体にしっぽがありませんが、これは加工や輸送の影響です。大量漁獲時の擦れや急速冷凍によって細い尾びれが脆くなり、袋詰めや輸送の振動で折れてしまうためです(袋の底に破片が溜まっています)。テンヤにセットする上では全く問題ありません。
定番エサとの使い分けと特徴
コスパ 500gで税別248円という圧倒的な安さ。数釣りの時合でも惜しみなく使えます。
アピール力
キビナゴよりも一回り大きなシルエットとニシン科特有の発色が、ドラゴンクラスの食い気を刺激する。
弱点
国産イワシに比べて「腹側がもろく、フルキャストすると崩れやすい」のが難点。
適合テンヤの選び方
バルト海いわしをテンヤにセットする際、快適に釣り続けるための大きなポイントとなるのが「テンヤの形状(針数と軸長)」です。ショアからのライトテンヤでは3号が使いやすいですが、ここで絶対にチェックしておきたいのが「餌掛け針(固定ピン)の数」です。
「3本針」のテンヤを選ぶ
餌掛け針の数に注意(提供:TSURINEWSライター・りおまいのりお)100円ショップのテンヤなどには餌掛け針が2本のモデルもありますが、腹側が柔らかいバルト海いわしは2箇所留めだとキャストの衝撃でズレやすくなります。メーカー品に多い「3本針」のモデルを選べば、身をしっかり3箇所でホールドできるため姿勢が安定します。
サイズ感(軸長)のフィット感
4号・5号クラスのテンヤはもちろん、3号であっても3本針仕様であれば軸長・ホールド力ともにバルト海いわしの魚体サイズにピッタリ合わさります。
使い方のコツ:塩締め
バルト海いわし最大の弱点である「腹側の身の柔らかさ」を克服し、実戦で耐えうるエサに仕立てるために絶対に欠かせないのが事前の「塩締め」です。
塩締めしたバルト海いわし(提供:TSURINEWSライター・りおまいのりお)買ってきたままでももちろん使用することはできますが、塩締めをするのとしないのとではエサ持ちが大きく変わります。塩締めをしておけば2投、3投と多くキャストできるため、それだけタチウオに出会えるチャンスを増やすことができるのです。
ファーストバイトやフルキャストの衝撃で崩れてしまうストレスを減らし、チャンスを逃さないための「手軽で効果的な仕込み手順」をご紹介します。
アミノ酸塩締めの手順
ジップロックで一晩塩漬け
ジップロックなどの密閉袋に解凍した魚を入れ、塩を惜しみなく投入します。そのまま冷蔵庫で一晩放置すると、塩が魚から出た水分をしっかりと吸収し、身がキュッと引き締まります。
ジップロックで一晩塩漬け(提供:TSURINEWSライター・りおまいのりお)塩を払い味の素をフリフリ
翌日、袋から取り出して表面の塩を軽く落としたら、保存タッパーに並べます。ここで仕上げにアミノ酸(味の素)を全体にしっかりと振りかけます。
味の素をフリフリ(提供:TSURINEWSライター・りおまいのりお)小分けにして冷凍・現場へ持参
1釣行分(15~20匹程度)ごとにタッパーへ小分けし、そのまま冷凍庫で保管します。釣行当日はこのタッパーをそのまま釣り場へ持参するだけです。1袋(500g)で3~4釣行分は十分にまかなえるため、時間のある時にまとめて仕込んで小分け冷凍しておけば、釣行当日の準備も非常にスムーズになります。
小分けにして保存(提供:TSURINEWSライター・りおまいのりお)使い方のコツ:リユース
実釣中、タチウオのアタリを受けたりフルキャストを繰り返したりしていると、どうしても「頭だけが取れて身だけが残ってしまう」という場面が出てきます。
「頭がないエサはもう使えない」と捨ててしまうのは非常にもったいないので、ここでもうひと工夫加えてみましょう。エサを無駄にせず、さらに強烈なアピール力を維持する裏技が「身の2枚重ね巻き」です。
リユースの手順とコツ
残った身から頭をきれいに落とす
頭が取れかかっている、あるいは崩れてしまった部分はナイフやハサミ等できれいにカットし、しっかりとした身の部分だけにします。
2枚の身を重ねてテンヤにセット
頭を落とした身を2枚用意し、重ねてテンヤの軸に寝かせます。2枚重ねることで全体の厚みとボリュームが戻り、集魚力が一気にアップします。
ワイヤーでガチガチに巻き留める
2枚の身がズレないよう、テンヤワイヤーで頭側から尻尾側まで均一にしっかり巻き付けます。頭が取れた状態のエサも捨てずに再利用できるため、コスパの良さがさらに引き立ちます。エサ持ちが気になる時や、さらに存在感を出してアピールしたい場面でも非常に効果的なテクニックです。
ドラゴン級タチウオを狙おう!
業務スーパーで手軽に入手できる「バルト海いわし」は、一見すると「腹側がもろくて崩れやすい」という弱点があります。しかし、その正体であるニシン科特有のアピール力とボリュームは、博多湾をはじめとする各地のフィールドでタチウオを狂わせる「マッチザベイト」の強力な武器になります。
圧倒的なコストパフォーマンスを誇るバルト海いわしを使いこなせば、秋?初冬のタチウオゲームにおいて間違いなく心強い「頼れるエサ」となります。ぜひ次回の釣行で仕込みから試していただき、価値あるドラゴン級のタチウオをキャッチしてください!
<りおまいのりお/TSURINEWSライター>


