2026年9月5日開催の「34アジングカップ三重」へ参戦することになった。ここ数カ月は三重南方エリアへ足を運べておらず、ぶっつけ本番は避けたい。そこで大会1週間前、事前調査(プラクティス)を実施した。今回重視したのは、いきなり竿を振って釣果だけを追うことではない。今季から導入した水中探査センサー「COROS HYDROP」を使い、水深ごとの水温などを測定。「水中の状況を可視化してから釣る」という、少し変わったプラを組み立ててみた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)
釣らずに水深&水温データを収集
17時ごろ、大会本部となる紀伊長島港に到着。まずリールにルアーではなくCOROS HYDROPをセットし、各ポイントで水深や水温を計測した。1カ所につき多くても3投程度。魚を釣ることは考えず、データを取ったらすぐに次の場所へ移動する。大会本番の実釣時間は17時から21時30分まで。
紀伊長島港(提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)移動時間も考慮して、調査範囲を熊野・七里御浜方面から南伊勢・宿田曽周辺までとした。1カ所あたり最長15分ほどを目安に巡回し、計測データをスマートウォッチ「COROS NOMAD」に記録していく。
COROS NOMAD(提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)今回ひとつの目安として意識したのが、水温と底質。真夏の高水温期だけに、周囲より少しでも水温が低く、さらにアジのエサとなる生物が付きやすいカキ殻や根などの地形変化が絡む場所を探した。往路ではデータ収集に徹し、復路で気になったポイントだけ実際に竿を出して検証する作戦だ。
タックルデータ
【センサー&飛ばしウキ用】
ロッド:34 HSR-70
リール:DAIWA ルビアス LT2000
メインライン:PE0.4号
リーダー:フロロカーボン1.2号
ADVANCED(提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)【ジグ単用】
ロッド:自作4.7ft(豆アジ用)
リール:teben カーボンファイバー炎(改)
メインライン:ユニチカ 強靭エステル0.25号
リーダー:ナイロン0.4号
自作ロッド(提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)最高水温は29℃台
エリア全体を見ると水温はまだ高く、場所によっては29℃台後半を記録した。一方、周囲より水温が低い場所には潮通しがあるケースが多かった。
そこで今回は、
「比較的低い水温」
「適度な流れ」
「カキ殻やブレイクなどの地形変化」
この3要素が重なる場所を重点的にチェックすることにした。
実釣候補を5カ所に絞る
データ収集と実釣から、候補は次の5カ所まで絞り込んだ。
(1)大会本部周辺の港
水温は高めだが適度な流れがあり、魚影も濃い。ただし大会本番は混雑が予想されるため、メイン候補からは除外。
(2)南伊勢の小規模深場港
手前から水深があり、カキ殻や藻も存在。飛ばしウキを使った中層狙いで良型が連続した。
カキ殻や藻もポイント(提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)(3)深場+強い流れのポイント
今回の調査では最も低い24℃台を記録。ただし流れが強すぎるのか、魚からの反応は他候補ほど良くなかった。
流れを探る(提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)(4)生活排水+カキ殻ポイント
港奥で潮の流れは弱いが、流れ込みとカキ殻が絡む。軽量ジグヘッドで15cm前後が連発した。
(5)薄暗い常夜灯+ブレイク
水温は26℃台。ブレイクの肩付近で良型が連発し、今回もっとも反応が良かった。
この時点で面白かったのは、水温だけでは答えが出なかったことだ。もっとも低い24℃台だった(3)より、26℃台でも適度な流れや地形変化が絡んだ(2)や(5)の方が明らかに反応が良かった。
つまり今回の状況では、単純に「低水温=釣れる」ではなく、流れやベイトが留まる条件まで含めて考える必要がありそうだ。
南伊勢ではフロートが有効
候補(2)は、手前から水深10m以上ある深場。底にはカキ殻や藻があり、根掛かりも多いため、センサーを底まで落とすことは避けた。まずは1~1.5gのジグヘッド+ワーム「オクトパス」を流れに乗せてドリフト。単発のアタリはあったものの、魚の意識が少し上にあると判断して飛ばしウキへ変更した。
底から約5m上をイメージして探ると、最大18cm前後のアジが連続ヒット。データ上でもその層はやや水温が低く、ひとつの有力パターンになった。
軽量ジグヘッドで数を確保
候補(4)は、港奥の生活排水が流れ込むポイント。潮そのものはあまり動いていないが、流れ込みがあり、手前の駆け上がりにはカキ殻が点在している。0.8gのジグヘッド「こまめちゃん」+「プランクトン」でスタートしたものの、食いが浅い。
そこで0.4gまで軽くすると、ファーストフォールでアタリを捉えられるようになり、15cm前後が連発した。大会本番でサイズが伸びないときの「数合わせポイント」としてはかなり手堅そうだ。
最高反応は薄暗い常夜灯下
候補(5)は、手前約7mのシャローから一気に落ち込むブレイクがある場所。0.8~1.3gのジグヘッドを使い、26℃台を示していたブレイクの肩付近をピンポイントで狙った。すると良型が連発。今回のプラでは、ここが最も好反応だった。
ただし、問題がある。
50km離れた「バクチ場所」
候補(2)~(4)は五ヶ所湾から南伊勢周辺にまとまっており、状況に応じてランガンしやすい。一方、最高反応だった(5)は、他候補から50km以上離れている。さらにこの場所、昨年の大会前日には同行者が尺近いアジを数本釣ったにもかかわらず、大会当日は完全な「無(ノーバイト)」に化けた実績がある(笑)。
つまり、釣れればデカい。しかし外せば終わる。まさにバクチ場所だ。大会前日の夜にもう一度プラを行う予定だが、現段階では昨年のリベンジも兼ねて(5)へ突撃するプランを考えている。
(5)を選ぶ理由
理由はもうひとつある。
候補(2)~(4)は大会本部から距離があり、ランガン中にプランが崩れると、帰着時間との兼ね合いで釣りをする時間そのものが減ってしまう。それなら最初から(5)へ勝負をかける方が、今回の自分には合っている気がする。
もし(5)で完全に撃沈した場合は、大会本部周辺の(1)へ戻り、参加者が叩いた後の「竿抜け」という奇跡を期待する。かなり運任せだが、これも大会である(笑)。
データは「答え」ではなくヒント
今回、COROS NOMADとHYDROPを使って水中データを集め、その数字と実際のアジの反応を照らし合わせてみた。
COROS HYDROP(提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)結果として見えてきたのは、
「26℃台前後の水温」
「適度な流れの中にあるヨレ」
「カキ殻やブレイクなどの地形変化」
水中データを可視化(提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)このあたりが重なる場所に良型が集まりやすい、という仮説だ。ただし、これはあくまで今回のプラで得られた答え。実際、もっとも低水温だった24℃台の場所が最高ポイントではなかった。データは答えそのものではなく、どこを、どう釣るかを考えるための材料なのだと思う。
良い結果も悪い結果も、次の釣行につながるヒントになる。このデータ分析から導き出したエリア選択が大会本番でどう出るのか。昨年同様「無」になるのか、それともリベンジ成功となるのか。大会当日の答え合わせを楽しみにしたい。
<刀根秀行/TSURINEWSライター>
紀伊長島港



