東京湾のエアポケットで誰でもトライできる「楽しい漁業」に参加してきました。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
すだて漁って知ってる?
東京湾アクアラインの千葉側の入り口である木更津市金田。ここのインターチェンジで降りる車のほとんどがアウトレットモールに向かいますが、その少し手前で左に曲がると突然鄙びた漁師町が現れます。
金田漁港(提供:茸本朗)この金田で最近とても人気のアクティビティが「すだて漁」。以前から知る人ぞ知る素敵レジャーとして認知されていましたが、YouTubeで取り上げられたことなどもあって知名度も上昇。
すだて漁はその構造上「大きく潮が引く日」しか開催されないので、開催日は月に数日のみ。土日はもちろん、平日も常に満席近い状態になっています。
誰でも参加できる!
すだて漁とは定置網漁の亜種みたいなもので、沖合の浅瀬に葦簀をたくさん突き立てて作った囲いの中に迷い込み出られなくなった魚を、潮が引いた時に掬うという漁法です。
「す」があるのは満潮時は身長よりも水深がある場所なのですが、干潮時は子どものスネくらいの水深まで潮が引きます。すまでは船でアクセスするため干潟を延々と歩く必要もなく、非常に楽です。
干潟に立てられた「す」(提供:茸本朗)すの中に取り残される魚にはヒイラギやコノシロのような小魚からアジやサバのような青魚、クロダイやスズキのような大物もおり、親子混ざって楽しく魚を追いかけることができます。タモ網に入らないようなサイズの魚が採れたときには大歓声が上がります。
すの中にはときに危険なエイの仲間が入り込むことがありますが、事前に漁師さんが箱メガネでエイを見つけ出し排除してくれるので安全に楽しむことができます。
日本最大の干潟が育む伝統
すだて漁が行われる木更津市金田沖には「盤洲干潟」という巨大な干潟が広がっています。盤洲は連続した干潟では日本最大クラスの面積を誇ります。
盤洲干潟(提供:PhotoAC)かつては東京湾内にはこの盤洲のような干潟が山のようにあったのですが、浚渫や埋め立てによってそのほとんどが失われ、いまでは羽田沖干潟や三番瀬、谷津干潟など数えるほどしかありません。
干潟が無くなった東京湾は、特産であったアサリやアナゴ、シャコなどの資源を失い、毎年水質汚濁に悩む残念な海になってしまいました。しかしその中で昔からの環境を残し、伝統漁法を育み続ける盤洲干潟はとても貴重な存在なのです。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>

