梅雨時~初夏に渓流餌釣りを楽しんでいると、時折ビックリするような大きなアタリが出ることがある。驚いて大アワセをしたら、ビックリするほど小さな渓魚が水面から飛び出してきた……なんて経験は無いだろうか。今回は、渓魚のサイズによるアタリの違いにフォーカスしてみたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
そもそもどんなアタリがある?
まずは、渓流餌釣りを楽しんでいる際に出るアタリの種類を紹介しよう。ここではあえてアタリ毎のサイズは伏せさせて頂くので、それぞれのアタリがどのサイズなのかを想像してみてほしい。
【1】目印が止まる
渓流餌釣りにおける代表的なアタリの一つが、流していた目印がピタっと止まるように出るアタリだ。根掛かりの際も目印が止まるので、見分け方をしっかり覚えておきたい。
【2】目印が震える
流れていた速度はほぼそのままに、目印が上下にフワフワフワ……と細かに素早く震える。こちらも代表的なアタリの一つだ。
【3】目印を押し込む
流れていた目印が、急にグッと水面下に押し込まれるように反応するのもアタリの一つ。このアタリは深場での釣りに多いように思う。時に消し込むように動くこともあるので、注意深く見ておこう。
【4】流れる速度に変化
仕掛けが底流れに入っていると、水面の泡よりややゆっくり流れていくのだが、この速度が緩やかになったり、不自然に早まるのもアタリの一つ。元の速度から微妙に変化があれば聞き合わせをする、くらいの気持ちでOKだ。
【5】目印がズレる
流れていた筋から、奥や手前、もしくは前後左右に僅かにズレるような動きをすることがある。これも渓魚が餌を咥えて動いているアタリだ。
【6】目印が浮き上がる
深場を流している最中に、竿を持ち上げていないのに目印がフワっと浮き上がるようになることがある。判りにくい事も多いが、これもアタリとして見かけることがある。聞き合わせを入れて確認してみると良いだろう。
【7】目印が走る
流れていた場所から、奥や手前、もしくは前後左右と、大きく移動するように目印が走る事があるのだが、これもよく見かけるアタリの一つだ。さあ、皆様はどれが良型のアタリで、どれが小型のアタリか判別がつくだろうか。
アタリに関する要素
次に、アタリに関連する要素について詳しく見ていこう。
水深
アタリには浅場で出やすいものと、深場で出やすいものがある。前項の【1】~【3】はどの場所でも出る可能性があるが、浅い場所では当然ながら【6】は出にくい。逆に深い場所では【4】と【5】、【7】をほぼ見ることが無い。
流れの強さ
やはり【1】~【3】はどの場所でも出る可能性があるが、流れの遅い場所では【4】と【5】はほぼ見かけない。逆に速い場所では、【6】と【7】はほぼ見られないのが面白いところだ。
餌の大きさ
餌のサイズに関わらず、全てのアタリが出る。だが大きい餌の場合、【4】~【7】のアタリだとほぼ確実に餌が残るのに対し、小さい餌の場合はあまり餌が残らない。この項で紹介した内容は、次の項で記すサイズとアタリの関係を把握するとご納得いただけることと思う。
餌の残り方でもある程度判る(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)サイズごとのアタリの違いを紹介!
ではここから、サイズごとのアタリの違いを紹介しよう。今回紹介する魚は、著者のメインターゲットであるアマゴで、今回記すのはあくまで著者の「一アングラーとしての見解」だ。
12cm未満
5月半ば~7月頃、その年に生まれたアマゴ達が活発に餌を食うようになる。このベビーアマゴ達に最も多いアタリが、「【7】目印が走る」、次いで「【6】目印が浮き上がる」。これは遊泳能力がまだ低く、流れに抵抗しうる体力・遊泳力が無いため、餌を咥えてすぐ流れが緩やかな場所へ移動しようとするためだと考えられる。もしくは単純に、流されているだけの可能性もある。
いわゆるベビーちゃん(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)~15cm
先のベビーアマゴ達に比べると多少遊泳力が着くため、「【4】流れる速度に変化」というアタリと「【6】目印が浮き上がる」アタリが多くなる印象。これは、その場所に定位はできないものの、自身がいる場所(ナワバリ)から大きく移動はしていないからだと考えられる。
ようやくアマゴらしくなってきた(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)~20cm
春先に多いサイズのアマゴ達。シーズン初期や痩せている個体の場合は「【4】流れる速度に変化」アタリと「【5】目印がズレる」の2パターンが多い様に思われる。
初期の痩せたアマゴ(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)逆に最盛期に入ると肥えた個体が増え始め、「【2】目印が震える」「【3】目印を押し込む」アタリも増え始める印象だ。やはり遊泳力が着くため、ある程度その場所に留まりながらの捕食が可能になるからだと思われる。
幅広になった盛期のアマゴ(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)~25cm
目印が不自然に動くアタリは一気に減り、大半のアタリは「【2】目印が震える」になる。また、時折「【1】目印が止まる」アタリも出るし、「【5】目印がズレる」アタリもある。これはほぼ定位場所から動かず餌を食っていたり、アマゴ自身が「自分の前方30cm四方の餌を狙っている」という生態とほぼ一致している。
良型と呼べるサイズ(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)25cm~32・3cm
あくまで著者の体感だが、「【1】目印が止まる」アタリが圧倒的に増えるように思う。次いで「【2】目印が震える」反応も多く、稀に「【5】目印がズレる」事もある、といった印象だ。
アマゴやヤマメの場合、その場所の流れ的に優位な場所に最も大型の個体が着くのだが、遊泳力の強い大型個体はその場からほぼ動くことなく餌を食う事が多いからだと思われる。
26・5cmの良型(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)また、一瞬止まった目印が細かに震えだす、というハイブリットのようなアタリが出ることもある。これは特大サイズに多い印象で、その場で餌を食い、食い込む際に頭が動いているのだと予測がつく。
今回32・3cmまでとさせていただいたのは、著者の自己記録がこのサイズのためなのだが、その個体はまさにこのアタリだった。
32・3cmの尺アマゴ(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)アタリを見分けて良型を狙おう
今回の記事を執筆するにあたり、著者はおよそ4年分のデータを実釣時に集めてみた。その結果、場所や状況に応じて「これはチビアマゴのアタリだ」というのが確信を持って分かるようになり、かつ25cmを超すような良型はアタリの段階でほぼハッキリと判別できるようになった。
可能な限り小さなアマゴを針掛かりさせない事で、将来そのポイントで釣れてくれるであろう次代に傷をつけることなく残すことが出来る。さらに、下手に針掛かりさせない事でポイントの荒れを最小限に留めることが出来るので、良型と出会う確率もアップするのだ。
慣れれば一瞬で判別がつくようになるので、実釣の際に、是非アタリの出方に注目してみてほしい。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>


