台風通過直後の6月6日、埼玉県秩父エリアを流れる谷津川へフライフィッシング釣行に出かけた。初夏らしい気候の中、アントフライを中心にヤマメを狙うと魚からの反応は上々。渓流フライフィッシングの奥深さを改めて実感する一日となった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・泉陽登)
台風一過の谷津川へ
6月6日午前10時、秩父の谷津川へ入渓した。数日前に台風が通過していたため、水量や濁りが残っていることも覚悟していたが、現地に到着すると心配は杞憂だった。川は平水に近く、水もクリア。初夏の陽光に照らされた渓流は美しく、絶好の釣り日和となっていた。
谷津川の様子(提供:TSURINEWSライター・泉陽登)蟻パターンを予測
周囲を観察すると、この日は蟻の姿が目立つ。石をひっくり返してみても水生昆虫は少なく、空中を飛び回る虫も羽蟻が中心だった。こうした状況から、この日の主役はアントフライと判断。迷わず蟻パターンを中心に組み立てることにした。
初場所だからこそテンポ良く探る
まず結んだのは#12のパラシュート・アント。谷津川で釣りをするのは今回が初めてだったため、一か所に固執せずテンポよく釣り上がる作戦を選択した。
未知の渓では魚の付き場や反応する流れが分からないため、とにかく足で探ることが重要になる。流芯脇のトロ場や小さな反転流、瀬尻などを一つずつ丁寧に流しながら上流を目指していく。
すると開始から30分ほど経過した頃、白泡の絡むトロ瀬で待望の反応が訪れた。
美しいヤマメとの出会い
フライに飛び出してきたのは14~15cmほどの可愛らしいヤマメだった。サイズこそ大きくないが、その魚体は実に美しい。橙色に染まる尾びれ、側線沿いにうっすらと浮かぶピンク色のライン、そして透明感のある体色。
美しいヤマメ(提供:TSURINEWSライター・泉陽登)個人的には、このくらいのサイズのヤマメが最も美しい姿を見せてくれるように思う。大型魚の迫力とは違う魅力があり、思わず見入ってしまった。
各所で魚から好反応
その後も釣り上がるにつれて各所で魚の反応が続く。中央の流芯脇、反転流、深みのあるポイントなど、魚が付いていそうな場所から次々に反応が得られた。初場所ながら「魚影の濃い川だな」と感じるには十分な状況だった。
良型ヤマメとの攻防
魚影の濃さに期待が高まる一方で、なかなか思うようにはいかない。深みのあるポイントでフライを流した際には、明らかにこれまでとは違うサイズのヤマメがヒット。しかし、掛かった直後にバラしてしまう。その後も同様の展開が続いた。
フライは合ってるのに……
フライへ反応し、しっかり食わせたと思ってもフックアウト。あるいは目前まで寄ってきてフライを見切り、Uターンしてしまう魚もいた。反応していることを考えればフライ選択は間違っていない。
実際、この日もっとも安定して魚を引き出してくれたのは終始パラシュート・アントだった。それだけに、あと一歩で仕留められないもどかしさが残る展開となった。
小型中心ながらもヤマメ連発
午後に入ってからも反応は継続。しかし顔を見せるのは小型のヤマメが中心だった。サイズアップを狙ってポイントを変えたり流し方を工夫したりしたものの、大型魚との再会は叶わない。
それでも各所で魚からのコンタクトがあり、渓流フライフィッシングとしては十分に楽しめる内容だった。気付けば時刻は15時。満足感と少しの悔しさを胸に、この日の釣りを終えることにした。
今回のヒットフライ
この日の主役は#12~14サイズのパラシュート・アントだった。初夏から盛夏にかけては陸生昆虫への依存度が高まる時期でもあり、特に蟻は渓流魚にとって重要なベイトになる。迷った時はまずアントパターンを結ぶ。そんな定番の強さを改めて実感した釣行だった。
パラシュート・アント(提供:TSURINEWSライター・泉陽登)ハチ型フライも好反応
また、ハチを模したパターンにも好反応が見られた。特に日陰になった流れでは興味深そうに浮上してくる魚も多く、プレッシャーの掛かった魚に対する変化球として機能していた印象だ。状況によってはアントパターンと並ぶ武器になりそうだ。
ハチ型フライ(提供:TSURINEWSライター・泉陽登)
良型ヤマメへのレベンジを誓う
今回の谷津川釣行では良型ヤマメこそ手にできなかったものの、魚影の濃さと渓流のポテンシャルを十分に感じることができた。台風後とは思えない好条件の中、アントフライへの反応は終始良好。改めて初夏の渓流における陸生昆虫パターンの強さを実感した。
次回こそは今回何度もバラしてしまった良型ヤマメを手にできるよう、万全の準備で再挑戦したいと思う。
<泉陽登/TSURINEWSライター>
谷津川

