「海の目の前の家で、寝ながら釣りをしたい」――そんな妄想を釣り人なら一度はしたことがあるだろう。そんな釣り人のロマンともいえる「寝ながら釣り」を、車の上に乗せるテント「ルーフトップテント」で実現。テント本体の重量が重く、設営が大変というイメージを覆した、【peakpod】とともにロマンあふれる釣行の様子をお伝えしていく。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版編集部・村松)
ルーフトップテントで釣り開始
今回、実釣場所として選んだのは愛媛県松山市の三津ふ頭。ここは車を横付けできる岸壁で、手軽に釣りを楽しむ人が多く、稚魚放流も行われる場所だ。
かつてはサビキ仕掛けによるアジ釣りや、タチウオ、マダイなどの大物も狙える釣り場として知られていたが、近年は海の変化のためか、目立つ釣果情報は少ない。それでも、手軽にのんびりとサオを出すには最適なロケーションだ。今回はふ頭北側にタンカーが係留されたため、南側を実釣場所に選んだ。
愛媛県松山市の三津ふ頭の南側(提供:週刊つりニュース西部版編集部・村松)ウキ釣りでマダイ狙い
この釣行でご一緒したのは、日浦博彦さん。海のエサ釣りやブラックバス釣りからスタートして、最近はアジングやエギング、オフショアでのタイラバゲームもこなす釣り歴40年以上の頼れるベテランだ。
そしてもう一人、渡部耕大さんは釣りに関してはほぼ初心者。今回は日浦さんから釣りの手ほどきを受けつつ、渡部さんに釣りの楽しさを知ってもらう流れとなった。
この日の天候は、梅雨の中休みといった状況で、朝から青空が広がる釣り日和。日浦さんの狙いはマダイ。「ここで釣るのは15年ぶりくらい。乗っ込み終わりの一発があれば」と、ウキ釣り仕掛けに青イソメをエサとして使用し、タナ3~4ヒロで底付近をスレスレに流れるように調整する。
マダイ狙いの仕掛け(提供:週刊つりニュース西部版編集部・村松)10分でテント設営完了
さて、釣りを始める前に「peakpod」を設置する。「peakpod」は付属のバッグとスライド式のハシゴのみなので、車内にもコンパクトに収納できる。また、軽いため一人でも簡単に設営できる。
まずはマットへ付属のポンプで空気を注入。大人の男性なら5分ほどでしっかりと膨らませることが可能だ(ポンプの圧力計表示7psi前後)。
エアポンプでマットを膨らませる(提供:週刊つりニュース西部版編集部・村松)しっかりとエア吸入口の栓を閉めたら、「peakpod」をそのまま車のルーフキャリア上へスライドさせながら載せる(このとき、テントの入り口方向を確認)。
「peakpod」は一人で設営できる軽さ(提供:週刊つりニュース西部版編集部・村松)ベルトをルーフキャリアに通しながら固定し、ハシゴを伸ばしてマットについているDリングに引っ掛ける。
伸縮式ハシゴを伸ばしてDリングへ(提供:週刊つりニュース西部版編集部・村松)ポンプを持ってハシゴを昇り、今度はテント用のエア吸入口(右の白バルブ)へポンプを取り付ける。ポンピングすると2分ほどで、あっという間にテントフレームに空気が入り、テントが立ち上がった。
フレームに空気が入るとテントが立ち上がる(提供:週刊つりニュース西部版編集部・村松)エア吸入口の栓をしっかり締めれば完成。設営に要した時間は、テント取り出しから完成までわずか10分ほど。テント特有の複雑なフレームの組み立てなどがないため、初心者でも構造を理解しやすく、設置に慣れるのも早いだろう。
Dリングに靴袋装着で室内も清潔(提供:週刊つりニュース西部版編集部・村松)寝ながらのんびりアタリを待つ
日浦さんはテント設営後、ハリにエサを刺して15mほど沖へ仕掛けをキャスト。潮流れにまかせて仕掛けを流すが、まだ潮は上げ始めといったところで流れは緩い。その時間を利用して日浦さんが渡部さんに釣りを手ほどき。同じようにエサを付けさせて底を探ってもらう。
キャスト方法を手ほどき(提供:週刊つりニュース西部版編集部・村松)日浦さんの仕掛けは相変わらずゆっくりとしか流れない。置きザオにして「peakpod」で横になりながら、のんびりアタリを待つ。テント内は遮光性の高い天井部分のおかげで日差しが遮られており快適。四方の窓はメッシュにできるため風通しもよく、開放感も抜群だ。
また、しっかりとした反発力を持つマットは心地よく、寝ながらアタリを待つこの時間はなんとも至福のひとときだった。
置きザオにしてのんびりとアタリを待つ(提供:週刊つりニュース西部版編集部・村松)ちょい投げで待望のヒット!
「peakpod」でのんびりとアタリを待つ日浦さんとは対照的に、丁寧に底を誘いながら釣っていた渡部さん。「何かが掛かっている!」と違和感を口にしてリールを巻いていく。
一気に抜き上げたのはイトヒキハゼ。どんな魚種やサイズであれ、最初に釣れた魚はうれしいもの。笑顔の渡部さんに、日浦さんも笑顔で応えた。
渡部さんにイトヒキハゼがヒット(提供:週刊つりニュース西部版編集部・村松)ランチタイムで作戦会議
魚のアタリがないままお昼近くになったので、車から折りたたみテーブルを出して昼食タイム。食事は近くのスーパーで購入した弁当や総菜だが、海を眺めながらの食事は会話も弾み、箸も進む。
そんな食事をしながら作戦会議。満潮の潮止まりになったこともあり、場所移動を決断した。
ゆったりとした贅沢な時間が流れる(提供:週刊つりニュース西部版編集部・村松)三津ふ頭

