70~80cm級のマダイに高確率で出会える日本海のディープタイラバ。ただし、重量級のヘッドを使い200~300m先にいる魚にコンタクトする釣りなので、一定の知識とスキルが必要だ。今回は、現地の船長に聞いたご当地ノウハウとともに、ディープなこの釣りをイージーにこなせる電動タイラバについて紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)
ディープタイラバ攻略法
さて、井上船長のアドバイスで必要なアイテム、釣り方の概要は伝わったと思う。
とはいえ、重いヘッドで深場を攻めるにはオフショアの釣りの基礎的なスキルが必要なほか、100g前後のヘッドを使い、数十mを攻める釣りに慣れた人にとっては壁の高さを感じるかもしれない。
これを解消してくれる方法のひとつが電動タイラバ。巻き上げが楽という以外に、数々のメリットがある。
電動タックルが効率的(提供:週刊つりニュース中部本社)電動タイラバのメリット
ディープタイラバで主用されるベイトリールの巻き取り量は、ハンドル1回転で60~70cmほど。300mを回収するには、400~500回巻く必要があり、1秒で1m(ハンドル1回転半)のペースで巻いても300秒かかる。
一方、200番クラスの電動リールの巻き上げ速度は、メーカー公称値でおよそ190m/60秒(JSAF基準巻き上げ速度)ほど。約95秒で300m巻き取れる。
回収が速いぶん、ひと流し中にタイラバを通せる回数が増えるほか、急いでユニットを変更したいときに、手巻きの3分の1以下の時間で回収できる。
安定した巻きが可能
等速巻きはタイラバの基本。重いヘッドをきれいに等速巻きするには、ロングのダブルハンドルを装備したリールが必要なほか、アングラーの技術も求められる。
この点、電動リールなら安定した巻きが可能。また、巻き速度を数値で管理できるため、ヒット時の巻き速度を正確に再現できる。
手巻きはロングハンドルが主流(提供:週刊つりニュース中部本社)ライン放出量とタナの管理
カウンターのないリールで、リトリーブすべき距離を正確に管理し、かつ300mまで出たら回収……。この作業を間違えずに行うには、かなりの集中力が必要。
この面でも、ラインの放出量・巻いた距離を数値で正確に把握できるのは電動リールの強みだ。
数値把握の正確さも武器(提供:週刊つりニュース中部本社)ハイブリッド釣法もあり
手元に感じる抵抗の変化や、船の揺れに合わせて巻き速度を微調整できるのは手巻きの強み。
されど、回収やファイトは楽にこなしたい……。そんな場合も答えは簡単。誘いは手巻き、回収とファイトは電動で巻けばOK。単純だが一番合理的な方法だ。
電動リール用バッテリーも重要
さて、電動リールを使ううえで気に掛けたいのがその電源。タイラバにマッチする小型電動リールは、小型で高出力。スペック上限の能力を発揮させるには、リールが必要とする電力を安定して与える必要がある。
ゆえに、高い電圧を長時間発揮できるリチウムイオン型のバッテリーがベストな選択。
鉛タイプのバッテリーは安価だが、電気を放出する能力がリチウムより劣り、残量が減ってくると急激に電圧が低下し、リールの回転力も低下する。
ヒット時の巻き速度を数値で管理していても、電圧が低下すると数値通りの速度で巻けていなかったりする。こういった点でも、長時間高電圧をキープできるリチウムイオン型がおすすめだ。
リチウムイオンバッテリー6.6Ah
さまざまなバッテリーのなかで、多くの釣り人に愛用されているのがビーエムオージャパンのリチウムイオンバッテリー6.6Ah。
リチウムイオンバッテリー6.6Ah(提供:週刊つりニュース中部本社)一般的な電動リールは12Vを基本に、14.4Vの電圧で性能をフルに発揮する。本バッテリーは14.4Vの電圧を発揮し、容量も6.6Ahと終日ディープタイラバを楽しむのに十分。
また、使い勝手も考慮され、バッテリー本体を衝撃や汚れから守るリチウムイオンバッテリーシリコンケースも別途発売されている。
置き場に困ってもケースがあれば便利(提供:週刊つりニュース中部本社)ディープタイラバを体験
さて、電動タイラバの利点について紹介したが、実際に丹後のディープタイラバで実践するべく、ビーエムオージャパンのスタッフと4月下旬に現地を訪れた。
今釣行で使用したタックル(提供:週刊つりニュース中部本社)乗船したのはもちろんシーマン。攻めた水深は90~120m台。使用したタックルはダイワの200番の電動リールに、ロッドはクレイジーオーシャンのオーシャンセンサータイラバOSE-TAR B60V。ヘッドは210gとし、トレーラーにクレイジーオーシャンの海毛虫Curly(カーリー)を用意した。
今回の釣果の一部(提供:週刊つりニュース中部本社)良型マダイを狙える時期到来
例年なら爆釣突入の時期だが、このときは状況が良くなく、おまけに当日は予報以上に沖は爆風。激タフ状況のなか、釣り人の熱意にこたえるべく風を避けながら丹後半島の付け根から先っぽまで東奔西走してくれた船長に大感謝。
今回こそ厳しい釣果となってしまったが、昨年の5月は数々の80cmオーバーが上がり、70cm台は毎日ゴロゴロ……これが丹後の海のポテンシャル。
井上船長に負けない熱意をもって、ぜひ大ダイに挑んでほしい。
今年も大ダイが待ってるぞ(提供:シーマン)<五井貴矢/週刊つりニュース中部版編集部>
シーマン

80cm級大ダイに10kg級巨ブリが狙えるフィールドへ案内中。夏のシロイカメタルも人気。22年1月からは新造船が就航し広々快適!ポイントまで1時間以内と近くじっくり釣りが楽しめるのも魅力。

