70~80cm級のマダイに高確率で出会える日本海のディープタイラバ。ただし、重量級のヘッドを使い200~300m先にいる魚にコンタクトする釣りなので、一定の知識とスキルが必要だ。今回は、現地の船長に聞いたご当地ノウハウとともに、ディープなこの釣りをイージーにこなせる電動タイラバについて紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)

丹後半島のディープタイラバ
丹後半島のディープタイラバは、水深80~150mの砂泥底がメインフィールド。使用するヘッドは120~300g超まで。最大値はかなり重い。ドテラ流し(船を風や潮に乗せ長い距離を流す)で200~300mラインを出して深場を攻めるため、スケールもかなり大きな釣りだ。

春と秋は大型に期待大
ほぼ年中楽しめるが、4~5月と10~11月が80cmを超える大物との出会いや、50~70cm台の数釣りのチャンスが高い時期。ただし、豊富な魚影の恩恵を受けるには、要点をしっかり押さえることが不可欠だ。
そこで、現地の人気タイラバ船の船長に聞いたキーポイントをいくつか紹介したい。

『シーマン』井上船長に直撃
編集部のヒアリングに答えてくれたのが、京都府京丹後市にある浅茂川漁港のルアー船『シーマン』の井上船長。多くのアングラーが足しげく通う評判の遊漁船で、タイラバのほか、ジギングやメタルスッテを楽しませてくれる。

巻いては沈めをくり返し誘っていくタイラバだが、ドテラ流しでは水深以上にラインが出ていく。ではどこまで出たら回収して仕切り直すのがベストか?
ラインの放出距離
船長が教えてくれたリサーチに必要なラインの放出距離は、水深やマダイの活性により200~300mとのこと。100mちょいの水深であれば、300mまでは探ったほうがヒットチャンスを逃しにくいので、これを基準に。ちなみに猛者は400mまで流すそうだ。
なお、丹後海域ではマダイが底から20mくらい浮いていたり、底付近から30~40m追って食うこともしばしば。理由は、瀬に着いているマダイではなく、大場所に出てエサを探しているマダイがターゲットとなるためだという。
このため、水深にして30mくらいの幅を探る必要があり、ラインの放出角によっては40~60mぐらいタイラバをトレースする必要もある。
仮に水深が100mとして、底から30m上まで探りたい場合、ラインの放出量が200m(海面に対し30°)なら2倍の60mまでを巻く必要がある。実際はラインが放物線を描くのでこの通りではないが、イメージはこんな具合だ。
ディープタイラバのロッド
最大で300g超のヘッドを使うものの、ロッドとラインの角度がほぼ一直線になるような傾斜角で流して釣るため、負荷のことは気にしなくてよいとのこと。
「一般的なタイラバロッドなら何でもいいですよ」と船長はお客に伝えているそう。
リール
ちなみに使用ラインはPE1号、リーダーはフロロカーボンの5号が標準。なので、このラインがベストマッチするロッドが好適。ただし、リールはPE1号を最低でも400m巻ける丈夫なものが必須とのことだ。

ご当地ユニット(ネクタイ)
次は、ご当地ユニットについて。当海域で高実績を上げているのが「鱗道」のネクタイ。幅広でシングルカーリーのWW、幅広で2本カーリーのRW、細身の2本カーリーATWの3タイプ。

このほか、船長のリーサルウェポンがブラック&グローのゼブラカラーのネクタイ。単体または他のネクタイと組み合わせて使うという。

カラー
なお、定番となっているネクタイの色はオレンジ、赤のほか、マヅメや曇天時に強いグロー。このほかブラックも常用する人が多いとのこと。
ヘッド
また、ヘッドもいくつか定番があるが、「なみだまTG TAGIRI」「レッドスナイパーTG」が船長の愛用例だ。
