「鰤起こし」で始まる寒ブリシーズン
初冬の新潟や北陸地方では、「鰤起こし」といわれる雷を伴う嵐が海域にブリを呼び込み、これを境にブリの水揚げが本格化すると云われる。
今シーズンは、氷見の「寒ブリ宣言」も早々と11月20日に出された。おのずとブリ狙いのアングラーたちの活性も高くなってくる。とはいえ、冬の日本海は時化の日が多く遊漁船が出船できる日はそれほど極めて少ない。
上越・八海丸に乗船
12月初旬、筆者は数日前の天気予報を頼りに、上越・有間川漁港の八海丸を予約し乗船した。乗船当日は時化明けの好天で朝は少し肌寒さもあったが、日が昇り気温が上昇すると快適な気温になり、日中は着込み過ぎていた防寒着を徐々に脱いでいくような陽気になった。
この日の出船時刻は少し遅めの朝7時。平日とはいえ、ブリ狙いのアングラーたちが老若男女合わせて11名のほぼ満船で出船だ。
開始早々船中ブリ顔出し
出港後30分ほどで最初のポイントに到着。船長の合図で実釣開始。水深60m。早々にヒットしたのは左舷みよしのアングラー。じっくりファイトして海からブリを引きずりだした。いきなりの本命登場に船中活気づく。
つづいて筆者のとなりの右舷みよしのアングラーにもヒット。またまたブリ登場。さらに続けざまに同じアングラーが連続ヒットで早くも2本目のブリをあげた。
筆者にも待望のヒット!
筆者は未だにアタリすらなく焦る。2本獲ったお隣なりのアングラーを真似してセミロングのブルーバック・ナチュラル系のジグ(175g)を投入。ジャークもなんとなくコピーしてあまり速すぎないイメージの中速のワンピッチジャークにしてみた。するとようやくバイトあり。
だが、ファールチップのようなアタリで乗らない。メタルジグを落とし直してボトムを取って再びしゃくり始めると十数回目くらいのジャークでガツンと強烈なアタリが来た。大きくロッドを煽ってアワセを入れる。ジーッとドラグが走る。すこしドラグを締め、テンションキープを心掛けて慎重に魚との距離を詰める。14000番のPGタイプのリールでも思うように巻き取れず、ポンピングしながらゆっくり巻き続ける。
7kg級ブリをキャッチ!
オレンジ色のPEが見えたのであと2色。リーダーが見えた。旋回しながら浮上して来た魚体はまだ元気で逃げるチャンスをうかがっているように見えた。そこを船長がギャフでひと突き。甲板に引き上げられたのは7kgオーバーの本命ブリだ。
今シーズン初戦にして、うれしい本命ブリ1本目だ。このパターンがハマってか同じポイントでもう1本ブリをキャッチ。サイズアップで8kg弱。次のヒットはファイト中にシャークアタックにやられて頭だけが上がって来た。
深場で12.5kg大型ブリ!
その後、水深90m前後の深場に移動。潮が速くてジグが流されるので、重めの205gのジグに変更した。このジグにこの日一番の強烈なヒット。
深場ということもありひときわ重く感じられた。数分間のファイトの末上がってきたのは、自己ベストの12.5kgのブリ。ジグを丸飲みしていた。
船中40本と爆釣!
とにもかくにもこの日はアタリが多く、コンスタントに誰かがヒットしているようなありさまだった。しかもアタればほぼすべてブリクラスばかり。翌日の遊漁船の釣果情報によると船中40本前後のブリが上がったようだ。数年に一度あるかないかの爆釣日をXデーというが、まさにこの日の釣行はXデーだったと思う。
さて、筆者の釣果は12.5kgを頭にブリ4本釣り上げた。1シーズンに1本獲れるかどうかというブリを1日に4本も釣ってしまった。ファイト途中でのバラシも数回、シャークアタックもあったがそれだけブリとのファイトを堪能することができた。
シーズン初戦から本当にいい思いをさせていただいた。最高の日に最高のポイントで最高の釣りをさせていただいた船長には本当に感謝しかない。上越の寒ブリシーズンはまだ始まったばかり。今シーズンの今後の釣行が楽しみだ。
<宮崎逝之介/TSURINEWSライター>