釣りはどうしても男の世界というイメージがつきまとう。とはいえ、生エサを触る必要がないルアーフィッシングは女性にも広がりつつあるようで、エギングが特に人気の釣りだと聞く。ルアーの姿形には何か男女共に感じる「愛らしさ」があるものだ。今回は釣りをしたことのない女性に、私のルアーを見せて、「どれが好き?」と聞いてみた。取材に協力してくれたのは、筆者の友人のAさん(21歳)だ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
あなたの好きなルアー、どれですか?
筆者は手元に50種類ほどのルアーを持っている。海の小物釣りなので、小さなものが多い。釣りの性質のせいか、あまり「釣ってやるぞ」みたいな気合いばりばりのルアーはなく、どれも可愛らしい。「見た目でナンバーワン」を決めてもらうために、まずはAさんに手持ちのルアーの写真を送ってみた。
最近買い足したルアーも見てもらう。
ちなみに、この時点で、ルアーが魚の口についたものは見せていない。そうすると一気に生々しくなって、せっかく彼女が抱きかけている釣りへの関心がそがれてしまうのではないかと頭を回したわけだ。
レッドヘッドがナンバーワン
さて、ではAさんが見た目で選んだのは……。
「ダントツかわいいやん。ちっちゃくて、おもちゃみたい」
という寸評ももらえた。
「このルアー、アメリカで人気のブラックバスのルアーで、ばかほど釣れるんよ」
「へえ、私はミニチュアみたいでいいと思ったな」
カラーは定番のレッドヘッド。ラパラのその他のルアーも見せてみたのだが、やはりレッドヘッドの定番は揺るがなかった。だがラパラの「顔」は「全体的にかわいくて好き」らしい。私も同感である。
「じゃあ、2位は?」と私。
「2位……2位なあ」と悩むAさん。
手で触って選んでもらうので、指を傷つけることがないよう、フックカバーでハリ先を覆ったものを見せている。そんな状態でも女性がルアーをかき混ぜるようにして探っているのは、ぞっとしない眺めだ。
「これかな」と彼女が言ったのは、奇しくも別の女性が選んだナンバーワン・ルアーだった。
「これは目のパッチリ感と色が好き。細長いのもイイネ」ということ。へえ、すごいなあ、コスケ。
ついでにワームも聞いてみた
ここまではハードルアーばかり見せてきた。ついでにワームも見てもらうことにした。
ここでハッと気がつく。「おいおい、バグ系は見せちゃダメだぞ」と心中で呟いた。フナムシやカニを模したワームには、女性どころか男性も「ウッ……」と引かせてしまう無駄なリアルさがある。
ワームケースの中から私が普段使いにしているワームを見せるのも生々しいと思い(ちょっと汚れているし)、パッケージ保管しているワームをいくつか見せてみた。それでも30種類はあったと思うが、その中から彼女が選んだのは、オレンジ色のオービーという、やはりちょっとかわいい系のワームだ。
「これ、僕も一番好きなワーム。色はまた違うのがええんやけど」と私。
「へえ。このくりんとした玉みたいなのがかわいいね」とAさん。
「よう釣れるぞ」
「いろいろ釣った?」
「ああもう釣った釣った」