寒い季節、カヤックフィッシングを楽しむのは無謀だと思っていませんか?実は冬ならではの魅力がたくさんあります。静かな海や澄んだ水中風景、駐車場の料金が下がるなど、寒い時期だからこそ得られるメリットが満載。一方で、冬特有のリスクや対策も知っておきたいところ。今回は、冬のカヤックフィッシングの魅力と注意点を徹底解説します!
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・福永正博)
冬でもカヤックフィッシングは可能?
寒い時期になると必ず質問され、そしてビックリされることが「冬でもカヤックで釣りに行くの!?」ということです。冷たい風に吹かれて極寒の海に浮かぶ姿を想像するから、正気の沙汰ではないと思われるのでしょう。
しかし、実際はつらいことばかりではなく、冬でもガンガン釣りに出かけるカヤックフィッシング愛好家は数多くいます。そこで今回は、寒い時期におこなうカヤックフィッシングのメリット・デメリットをご紹介しましょう。
冬シーズンのメリット
筆者が考える、カヤックフィッシングを冬に行うことのメリットは以下の4点です。
出艇できる場所が増える
海水浴場や海浜公園などは、当然夏の方が人が多いです。事故やトラブルを避けるために、そして、多くの人が海を楽しめるように、筆者は可能な限り人が多い時期やポイントでのエントリーを避けるようにしています。
これらのスポットからカヤックを出せるようになるのが寒い時期。ほとんどの砂浜は、夏とはうって変わって閑散としていることが多く、迷惑をかけることなく出艇できます。
駐車場が利用しやすい
夏場のカヤックフィッシングにおける悩みのタネが、駐車場の「夏季料金」問題。人気のある海水浴場周辺のコインパーキングでは、夏季とそれ以外の時期で3倍以上の料金差があったり、夏季だけ上限料金がなくなったりと、釣行のハードルがかなり上がります。
寒い時期であれば料金が安くなることも多く、場所によっては無料になるところもあります。釣具や交通費など、何かと出費が多い釣り人にとって金銭的な負担が減るのは大きなメリットといえるでしょう。
また、朝一番に到着しないと空きスペースが確保できないほど混み合うこともないので、時間に振り回されないマイペースな釣行を計画できるところも見逃せません。
水がきれい
寒い時期は海水が澄んでいて、気持ち良くカヤックを浮かべることができます。東京湾などでは、夏場は水中のプランクトンが増えて海水が赤茶色に濁るのが恒例となっています。
遠くから海をながめると、不思議とそれなりに青く見えるのですが、近づいてみると真っ茶色……。カヤックフィッシング初心者を連れていくと、「こんな汚い海に入るの!?」と言われてしまうこともあります。
あくまで生物であるプランクトンの営みによるもので、決して有害物質などで濁っているわけではないのですが、見た目からくる印象の悪さは否定できません。
しかし、寒い時期になると水がクリアになって気分爽快。場所によっては、海底まで目視できるほどです。魚が釣れるかどうかは別問題ですが、清々しい気分で海に浮かんでカヤックフィッシングを楽しめます。
寒くても魚は釣れる
寒い時期になると、岸からは魚が釣れにくくなる傾向があります。水温が下がる沿岸部から、水温が安定した沖の深場へと移動する魚が多いことが理由のひとつでしょう。その点、カヤックならば沖まで出ることが可能なので釣果を確保しやすいといえます。
筆者の場合、普段はキャスティングでのシーバスや青物狙いがメインですが、本格的に寒くなる晩秋から真冬はジギングやタイラバなど底物狙いの深場を攻める釣りにシフト。
遠浅傾向の東京湾を出て、相模湾や駿河湾などカヤックの機動力でも深場に到達できるエリアを選択しています。
ターゲットは、アマダイやロックフィッシュ系など冬こそ狙い時の魚種に加え、冬になって岸釣りでの釣果が乏しくなる青物やタチウオなどがヒットすることもありますよ。
以上、寒い時期のカヤックフィッシングのメリットをご紹介しましたが、デメリットについても触れておきましょう。