今年も待ちに待った渓流釣りが解禁する。今年はどんな渓流魚に出会えるだろうか。考えるだけでワクワクする。今回はホームグラウンドである岐阜県の長良川水系をベースに、渓流釣りの上達の秘訣や魚の着き場の変化、サオ、水中イト、ハリ、エサの使い分けなどを解説したい。
長ザオで釣果アップ
サオは長ければ長いほど扱いが難しくなる。しかしその扱いにくい長ザオを使いこなせれば心強い武器になる。
特に船やリールを使わないエサ釣りでは、立ち込みに限界がある。そんなときサオが長ければ、他の釣り人が流せないコースを流せる。そして渓魚がエサを捕食するであろうと思われる捕食コースを、より長く流せるところに長ザオの本当の利点がある。
例えば狙った捕食コースがあるとする。そのコースの投入点には7mでも届いたとしよう。しかしサオが短いと仕掛けはすぐに手前に戻ってしまい、捕食コースから外れてしまうのだ。これが9~10mであれば、より長く捕食コースが流せるので、ヒット率が上がるわけだ。
それともう1つ利点がある。ポイントを早く探れるのだ。前文でも述べたようにサオが長い分、狙ったコースをしっかり流せる、そのため見切りが早くつけられるし、立ち位置の修正距離が短くて済む。
サオが短いと狙ったポイントやコースに届かないし、届いても捕食コースからズレていては意味がないので、長ザオに比べ大きく立ち位置を変えなければならない。そのため結局見切りが遅くなってしまう。
最後に
渓流釣りの魅力は、自然とのふれあい、美しい渓魚との出会い、賢い渓魚の知恵比べ、山の幸との出会い、日常の社会から離れ静かになれる時間など、人それぞれ楽しみ方がある。渓魚は季節によっていろいろな顔を見せてくれる。
初期は少しサビが入っておりやせているが、寒くて厳しいなかで出会えた1匹はうれしいもの。春にはサビが取れたきれいな渓魚に出会える。
桜が咲き春らんまん、山が躍動しフキノトウ、タラの芽など山の幸も顔を出し、釣りに山菜取りと忙しい。
多くの釣り人のハリを交わした賢い渓魚は釣り人の心を悩ませる。そんな時間もまた楽しい。
そして静かな渓流で1人になれる時間は、心を和ませ明日へつながる生きる活力となる。さあ渓流解禁だ。
<週刊つりニュース中部版 /TSURINEWS編>