大型青物を狙ったロックショアゲーム。扱うルアーは重量級で、ブリ以上にパワフルなヒラマサやカンパチも対象魚になるため、このゲームではロッド選びが非常に重要だ。そこで今回、釣り場や実釣における各シーンごとに求められるロッドの特性について紹介するとともに、オリムピックおすすめのロッドについて紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:つりニュース中部本社)
おすすめのショア青物用ロッド
ショアの青物用ロッドは各社から様々なモデルが発売されており、カタログスペックだけでは何を選んで良いのか迷うこともあるだろう。
そのなかで、編集部がお勧めしたいのがオリムピックの19REMOTO(リモート)。同社スタッフとフィールドに赴き、実際にこのロッドを使用してきたので、レビューとともに各モデルの使い分け方を紹介したい。
19REMOTO(リモート)
中弾性カーボンをメイン素材に、バット部には同社独自の素材クワトログラファイトクロスXXを用いた粘り強さと軽量化の両立を果たしたロッド。
ティップとベリー/バット/グリップの3ピースになっており、携行性とスムーズな曲がり&復元力の発揮を確保している。地磯へのエントリー時は、非常に重宝するコンパクトさも魅力だ。
また、曲がり込んだ時に負荷のかかる方向を考慮し、手元側2つのガイドは逆付け仕様、それ以外のガイドは糸絡みを抑えたKWガイドだ。
テーパーは操作面と、ファイトの面でバランスの良いレギュラーファーストで、リールシートは激しいロッドアクションやファイトでも緩まないダブルナットとなっている。各モデルのプロフィールは以下の通り。
GORMS‐1003M
全長10ftで最大キャストウェイトはジグで80g、PE3号までのラインに対応。一般的な磯場でブリやワラサ、中型ヒラマサを狙うのに適したモデル。その長さからプラッギングとの相性も良い。
また、防波堤からパワー重視で大型の青物やサワラ、シイラを狙う場合にもマッチする。
GORMS‐973MH
全長9ft7inで最大キャストウェイトはジグで100g、PE4号までのラインに対応。ジグメインで攻めるときや足場の低い磯での使用に好適。一般的な磯でブリやワラサ、ヒラマサを狙うのにマッチする。
潮流の関係などで、比較的重いジグを使用する堤防からのゲームにもおすすめ。
GORMS‐1003MH
磯から本格的にヒラマサを狙いたい人にお勧めのモデル。長さ10ftで最大キャストウェイトはジグ120g、PE4号までのラインに対応。弟分の1003Mに比べ、一気に強さが増した感じで、バットパワーはもちろん、100g程度のジグなら「もっと重いものを投げさせろ」とロッドの声が聞こえてきそうなほど力強い。
GORMS‐9103H
潮が速いポイントの攻略や、メーター級のヒラマサを視野に入れたモデル。9ft10inで最大キャストウェイトはジグ150g、ラインはPE5号に対応。973MHの強化版をイメージするかもしれないが、1003MHをひと回り強くし、より力が入りやすいようにショート化したモデルと筆者は感じている。
なお、このシリーズの各ロッドはカタログ値の最大重量のジグを投げさせてもまったく音を上げず、むしろ最大値がベスト値ではないのかと感じるほどだった。
また、キャストの際、ラインのリリースポイントが非常にわかりやすいロッドであり、飛距離を出しやすいのはもちろん、ヘビーなタックルに不慣れな人もミスキャストを起こしにくい。安全面やジグのキャストロス防止という点で非常におすすめできる性能だ。
このほか、重いジグをキャストしたあとに来る反動は微塵も感じられなかった。これは、不安定な立ち位置で、重いルアーを振り抜かなければならないときに非常に安心感をもってキャストできるというメリットになる。
ライトクラスにも注目
大物を硬派に狙うのも良いが、状況次第では中小型の青物や、他の魚種を狙うのも楽しみ方のひとつ。そこで、併せて紹介したいのがオリムピックのライトショアジギングロッドの24ヴェント・プロトタイプ。9ft6inから10ftまでの3モデルがあり、MAX50~60gまでのジグのキャストに対応している。
操作時はファーストテーパー、ファイト時はじわりと曲がり込んでくれるブランクスは秀逸。ショアジギングを想定したロッドだが、ミノーやシンキングペンシルのテクニカルな操作もこなしてくれる。
これからますます熱いショアの青物
今回、大型青物とバトルするための基本的なノウハウやタックルについて解説したが、みなさんが夢の一匹を手にするための一助になればと思う。
大型の青物はふらっと行って簡単に釣れる魚ではないが、温暖化の影響もあって資源量、サイズ、フィールドとも拡大しているので、あなたのチャンスも日々拡大している。
なお、今回フィールドでの撮影の際、あたらしや渡船と岸和田渡船にお世話になった。両渡船店にはこの場をかりて感謝を申し上げたい。
<五井貴文/週刊つりニュース中部版編集部>