相模湾キハダマグロが絶好調だ。今シーズンは開幕からエビングが好調。9月に入るとコマセ(まきエサ)に付きだし20~30kg級のキハダを主体に数があがり、10月に入ると50kg超のモンスターも顔を見せている。私も10月4日、茅ヶ崎港、ちがさき丸にてチャレンジ。私の朝の一本を皮切りに、合計7本の30kg前後のキハダマグロが仕留められ絶好調の今シーズンを象徴する釣行となった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター ロンリー侍ドクター・近藤惣一郎)
ジャスト30kgキハダマグロ浮上
血抜き前検量でジャスト30kg。幸先良く船中1本目が開始早々にあがった。当日は船長の「船下にマグロ入ってきたよ!」というアナウンスがある度に、船中誰かにアタリが出て午前11時までに5ヒット4ゲット。そしていよいよお隣の樋口さんが、それまでキーパーに置いていたサオを船長のリーチアナウンスと同時に手に持った瞬間ヒット!
サオ先が入り込んだ瞬間を見ていた私が「あわせて!あわせて!」と叫ぶと、バシッと良いアワセが2,3度入る。「このアワセなら絶対獲れるよ!」と、その後は、私が横に付いて、樋口さんがマグロとやりとり。「凄い!重い!」と感動の悲鳴を上げながら、4年越の人生初キハダが見事に仕留められた。
その後は反対舷胴の間の方が、潮下となったのか連続して2度アタリを出し2本ゲット。残り30分で樋口さんの置きサオにアタリが出たが、アワセができず、針が飲まれて瞬殺となり、午後2時納竿となった。
船中9ヒット7ゲット
当日は9ヒット7ゲット。サイズは31.4kgを頭に、全て30kg前後で脂が乗った良い魚体だった。この日を含め10月に入ると、軒並み、相模湾コマセキハダは各船宿好調で10本以上のキハダを仕留める船宿も。30kg前後のレギュラーサイズに、50kg超のモンスターも混ざりはじめている。狙うなら”今”です!
竿は手持ちがオススメ!
前述した通り、置き竿でのヒットはバラしにつながりやすい。少しでもキャッチ率を上げたいのであれば、やはり手持ちがオススメだ。具体的なメリットを説明しよう。
メリット
1.タイミングを逃すこと無く、コマセワーク、誘いが掛けられること
2.うねりがあるときは、置き竿だと天秤ビシが落ちつかず、付け餌に不自然な動きが出てしまうと同時に、コマセが勝手に放出されてしまうこと
3.ビシ内のコマセの残り具合が重みでわかること
4.あたりが出た瞬間にアワセを入れられるので、針が飲まれハリス切れを防ぐこと
などが挙げられる。持ち方だが、特に電動タックルは重量も大きくなるので竿尻を腋に挟み、肘を腸骨部にあて、テコの原理を利用して、腕だけで無く重量を分割して手持ちにすれば疲れづらい。
遊導天秤でキャッチ率アップ
一昔前と違い、相模湾のキハダマグロでは各船長は誘導天秤を勧めている。
マグロ、特に大型がヒットした際、また、やりとりの際、固定天秤の場合は、その衝撃と力がハリスおよび結んだ針にダイレクトに加わるのに比較して、誘導天秤の場合は、マグロの力が天秤より先のハリスのみでなく道糸を含めたシステム全体かかるようになり、ハリスやハリの結紮部への負担が少なくなり、システムブレイクに伴う、バラシが少なくなるだ。
リーダーが必須
誘導天秤を使用する場合は、必ず道糸と天秤の間にリーダーが必要になる。私は50号3メーターのリーダーを入れている。
以前は固定天秤とクッションを使うことが多かった相模湾だが、クッションは確かに、ヒットした際の衝撃は緩衝するが、その後、マグロの自由度を高めて弱りにくくなり、取り込みの際も、トラブルを生じやすい。
結びも含め、強度が確実なシステムで、クッション無しで、直に勝負することがお勧めだ。
初心者/入門者にチャンス!
今シーズンは入門者を含めコマセキハダ釣りの経験が浅い人、そして今までチャレンジしても釣れなかった人が念願の1本を釣り上げるには絶好の機会だと言える。その理由は以下だ。
1.とにかくマグロの絶対数が多く、群れを追っかける形では無く、コマセで船にマグロを寄せる流し釣りスタイルなので、真鯛釣りのように釣り人は落ちついて自分のペースで仕掛けを投入・回収できる。
2.概してモンスタークラスの群れは深い処にいて警戒心も強く、なかなか浮いてこないのに対し、30kg前後主体の群れは比較的浮きやすく、一度スイッチが入れば、コマセに突っ込んでくる。そのため、例年後半のように10m以上にハリスを長くしたり、テーパーにする必要が無く、今期は5~10mのハリス長、シンプルな仕掛けであたりが出ている。この長さであれば自分のコマセと針・付け餌の関係も誰でもイメージしやすく、また丁寧なコマセワークを行っていれば、釣り座に関係なく、マグロが船下にいれば、かなりの確率であたりが出せる。
3.これに関連し、ハリスが極端に長くないことは、仕掛けの扱いが楽で手前マツリ、他者とのオマツリも起きにくい。またハリスを手繰りマグロを取り込む際のトラブルも少なくなる。
4.30kg級までであれば、やりとり、取り込みは、仮に多少もたつくことがあっても、それ以上のモンスタークラスに比べ、釣り人にとって多少なりとも楽にはなる。
針の選択のコツ
最後に、コマセキハダ釣りにおける針の選択のコツをお伝えしたい。まず、置きサオでヒットしても飲まれにくいのは、ひねりがある針。ただひねりが強すぎると、仕掛け落下中や速い誘いを入れた時、海中で刺し餌が回り、不自然な動きになるため、アタリが出にくくなる。一方、ひねりが無い針は落下中や刺し餌に速い誘いを入れても、不自然な動きをしないのであたりは出やすい。
ただし、サオを手に持ち、アタリが出た瞬間にアワセを入れないと、高確率で飲まれて、ハリス切れとなる。自分の釣りスタイルや好みで選ぼう!大物釣りとはいえ、この釣りはコマセ釣り。力勝負では無く、海中をイメージし、タイミングを逃さない的確なコマセワークが鍵となる。裏返せば、それができれば今なら誰にでもアタリが出せて、念願のキハダをゲット出来るはず。是非チャレンジしよう。
<ロンリー侍ドクター・近藤惣一郎/TSURINEWSライター>