三重県の志摩沖は温暖化の影響かトンジギが主流となって久しい。昨年から近海ジギングに加えてタテ釣りを始めた志摩市和具の遊漁船に9月13日に単独釣行した。昨年は思うようにベイトがつかず苦労したので、サビキの種類を増やし、通っている釣具店のチーフ青ちゃんに教えを乞うなど作戦を練ってきた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・伊藤明洋)
志摩沖でタテ釣り
午前5時半に渡船場に集合、4人組はミヨシを選択。私はトモとなり、隣は名古屋の若いアングラーだ。渡船場を出ると早速タックルを準備する。ハヤブサのタテ釣り用サビキ4本バリに80号のオモリをセットした。
ポイントに着くと、船長はすぐにベイトを見つけ「深さ120m。ボトムから20m付近までベイトがいるので始めてください」とアナウンスを入れた。開始早々から青物爆釣と言いたいが、なかなかそうはいかない。
90mラインからボトムに向けてゆっくり仕掛けを下ろしていくと、ティップがすぐに震えだした。時折、仕掛けが浮くのでベイトは大きくイワシではないようだ。
ミヨシとトモで差
ボトムまで落とし、根掛かり防止に数回巻き上げたところでステイさせるが、先ほどまで元気に泳いでいたベイトが静かだ。どうもおかしい。しばらく待っても全く反応がない。ベイトが外れたのかもと少し巻き上げると微妙に反応は出る。回収するとハチビキの幼魚が付いていた。
一方、ミヨシの4人組も赤系のベイトが付いているようだが、オオヒメも交じって数珠つなぎになっているではないか。落とし直していると、ミヨシで大きくサオが曲がった。上がってきたのはマハタ。それも5kg近い大物だ。さらに70cmを超えるヒラメ、続いてメダイとミヨシで大物が連続ヒット。おまけに30cmを超えるオオヒメがサビキに連なり上がっている。
トモとは活性に差があるようだ。何が違うのか、ミヨシに移動してどんなサビキを使っているのか尋ねてみた。返事は同じハヤブサのサビキ。なぜこんなにベイトの付き具合に差が出るのか分からない。釣りとは面白いもので、こうして迷走し始めるとますます釣果に差が出るものだ。
ヒラメゲットで歓喜
時間が刻一刻と過ぎていくなか、午前10時すぎにようやくトモの2人にオオヒメが釣れだした。
一度ボトムまで落とし込んでから数回巻いてステイ、また巻いてステイを繰り返し、下層にいるベイトを食わせる作戦を試してみる。すると、これまでと異なるベイトが付いた。反応から小さなベイトのようだ。
早速ボトムまで落とし込むと、その震えは激しさを増しながらティップを押さえ込んでいった。強くアワセを入れて巻き上げ開始。それほど大きくはないが時折ドラグを引き出していく。タテ釣りはバラしやすいので「バレるなよ……」と念じながら巻き上げていると、やがて水面下に現れたのはヒラメ。「ヒラメがきた!」と声を上げると船長がタモを持って駆けつけてくれた。
タモ入れを終えた船長は「やっとタテ釣りらしい魚が釣れたね」と笑顔で声を掛けてくれた。ベイトは外れていたので不明だがハチビキではないだろう。
ベイトを多く付ける
一度ハイスピードでボトムまで落とし込んでから20m巻き上げ、ゆっくりしたフォールに変えるとオオヒメやアカイサキが食いだした。ベイトボールの中にはいろいろな魚種がいることが分かってきたが、選んで付けるわけにもいかない。
今回分かったことは、ベイトを1匹でも多く付けると、その中に良いエサも交じる。それがボスキャラのキャッチにつながるのではないかと思った。
正午を過ぎるとベイトの反応は消え、最後に流れ物についたシイラやオニカマスをキャスティングやジギングでたたいて終了となった。
志摩のタテ釣りは、青物も多いがそれ以外の大きな魚がヒットする。結構マニアックで面白い。これから秋に向けてチャレンジしてみよう。
<週刊つりニュース中部版APC・伊藤明洋/TSURINEWS編>
出船場所:和具