「海釣りGO」は、西伊豆町がプロデュースし、伊豆漁業協同組合と株式会社ウミゴーが協力して展開する日本初の漁港釣り場予約サービス。約1年間のトライアルで有効性が実証されたため、田子漁港の成功をもとに仁科漁港へ導入することが決定した。この記事ではその詳細をお伝えしたい。
(アイキャッチ画像提供:PR TIMES)
海釣りGOとは
「海釣りGO」は、指定管理者である伊豆漁協田子支所と仁科支所が株式会社ウミゴーのシステムを使い実施している事業サービス。
この事業は水産庁が提唱する「海業」を振興するためのもので、西伊豆町漁港管理条例を改正し、指定管理者が海業振興事業を実施する場合の利用料金を新設して運営。漁業者の減少による漁港の低利用を解消するための、全国的にも初の取り組みである。
「海釣りGO」は、GOOD DESIGN AWARD 2023を受賞し、令和5年度水産白書にも掲載された。
田子漁港の成功事例
田子漁港では、2022年7月に釣り人と漁業者のトラブルにより釣り禁止となったが、地域の賑わいも失われた。釣り場を再開放すると元の無法地帯に戻ってしまうため、アプリを用いた釣り場管理の導入が行われたのである。
この仕組みでは、釣り人も利用に応じた維持管理費用を負担する。西伊豆町内の漁港は、西伊豆町長が漁港管理者で、伊豆漁協の各支所が岸壁や船揚げ場などの指定管理者となっている。
海釣りGOのトライアル成功
昨年7月31日、静岡県西伊豆町がプロデュースし、伊豆漁業協同組合田子支所が事業主体となって始まった日本初の漁港の釣り場予約サービス「海釣りGO」は、約1年間のトライアルを経て、海業振興として有効な施策であることが実証された。
これらの実績をもとに、伊豆漁業協同組合仁科支所と株式会社ウミゴーが協定を締結し、今夏、仁科漁港にて海釣りGOの新規導入を行う。
設備の改良と継続的な活動
海釣りGOのシステムは、現地の案内や美化活動を現場巡視員が担い、決済や受付をソフトウェアが担うことで運用面での負担を軽減し、収益金を将来の投資に回すことができる。
田子漁協では、収益金を活用し、救命はしごやAED設備の更新、休憩所や水道の設置、美化活動を継続している。
ここ1年間の主だった施策
・救命はしごの設置
・AED設備の更新
・休憩所の設置
・水道の設置
・巡視・美化活動の継続
1周年記念イベント開催
1周年を記念して、7月13日から15日の海の日連休に田子漁港で釣りイベントが開催される。ルールは普段通りで、釣り終了時間は11:00。別途料金は不要で、どなたでも参加可能。
新エリア『仁科漁港』への展開
田子漁港での実績をもとに、伊豆漁協仁科支所とウミゴーが協定を締結し、今夏、仁科漁港で海釣りGOの新規導入を行う。
仁科漁港には観光スポットが多く、釣り禁止だった防波堤も釣り場として開放される。レンタル釣具も用意されており、様々な海釣り体験が可能だ。
仁科漁港へのサービス導入と事業者の連携
仁科漁港への「海釣りGO」導入にあたっては、西伊豆町内の事業者が連携。國村大喜氏が西伊豆町宇久須に本社を置く株式会社ウミゴーを設立し、システム面を担当。
救命設備は石岩工業所、看板は日進工芸が製造設置。スタートアップとベテラン製造業者が協力し、新しい海業サービスを生み出している。
<TSURINEWS編集部>