読者の皆さん、こんにちは!トンこと東弘幸です。最近では私の動画チャンネル「つりとんチャンネル」の視聴者からのお声がけも多く、うれしい日々を送っている。今回はこれからシーズンに突入する梅雨グレ(メジナ)に関して解説していくので、ぜひ最後までお付き合いをお願いしたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・東弘幸)
梅雨グレのエサ取りをかわすテクニック
次にテクニックを解説していきたい。梅雨グレ時期はエサ取りも活発になるのが特徴だ。エサ取りとひとくくりに言っても、魚種によってかわし方が違う。
フグ系のかわし方
まずはキタマクラ、ハコフグ、クサフグといったフグ系から。フグ系は足が遅い上、海のどこからでもふよふよと漂って集まってくる。よってマキエを打ってすぐには反応できない。この特徴を理解すれば、マキエと仕掛けの同時打ちで沖、潮上、潮下と攻めることが有効となる。
つまりはマキエの効いてなさそうな場所を、新たなマキエとともに攻めれば良いのだ。注意したいのはマキエを本命用に打っていても、いずれはフグに包囲されるという点だ。こうなれば20mほど距離を開けて右、中央、左とマキエでポイントを作り、フグの数を分散させる。100匹のフグも3カ所に分ければ、33匹を相手にするだけで済む。足の速さではグレの方が上なので、反応できる個体さえいれば先にグレが釣れる。
スズメダイ、ネンブツダイ系
次にスズメダイ、ネンブツダイ系。これらは磯際から群れになって出てくる。よって手前にマキエを打って沖に出るのを止めた上、沖に本命、手前にエサ取りと分離するのがセオリーだ。このとき重要なのが、沖のマキエは必ず点で打つこと。
バラバラと中間地点にマキエがこぼれては、沖にエサ取りを誘導しているようなものなので、点で遠投できる技術をまず身に付けたい。そしてエサ取りのはるか先に仕掛けを届けなければ、釣れる魚も釣れない。そのため、先述したような操作性の良い仕掛けとマキエが必要になってくる。
青物系のかわし方
梅雨時期に最も強敵なのがアジ、サバといった青物系だ。磯周辺に居着いてしまったら休憩して海を休ませる。これが1番の作戦で、2番目が磯替わりというぐらい相手にしてはいけないエサ取りだ。相手にどこかに行ってもらうか、自分が移動するか…。冗談抜きで本当に手ごわい。これらをかわす仕掛けやテクニックはあるが、試合でどうしても釣らなければならないなど、「相手よりもどうしても」といった条件下でやることなのでプライベート釣行の場合、戦わないのが正解だ。
それでも教えてくれよ…という読者のために攻略法を解説すると、まず1つは徹底的に際を釣ること。足の速い青物系は沖に集中的にマキエを打って集めておく。仕掛けはハリスにガン玉を段打ちし、際数cmに落とす。沖にマキエを打って、エサ取りの頭がコチラを向いてない瞬間にマキエを1発だけ静かに入れ、際で張って待つ。際にもエサ取りがいるので成功は難しいが、何度もやるうちに1匹でも…といったイメージで攻めていく。
もうひとつは普通通りに釣ってサバがサシエを口にした瞬間、ラインテンションを緩めて口からこぼれさせるテクニック。アジやサバはエサを口にした瞬間、抵抗を感じるとさらに走ろうとする。つまりハリが口に掛かってしまう。ラインを出すことでサバの口からサシエを落とし、グレの元へ運んでもらって食わせるという作戦だ。
これはアタリの瞬間、サバなのかグレなのか見分ける必要があるのと、即座にラインを出すということを同時に行わなければ成功はしないので、かなりの難易度だ。これも何十回とやって1匹釣れたら成功というような確率で、時間もマキエも大量に消費する。試合じゃない限り、休憩してエサを切るのが一番だ。
サシエは生オキアミ、V9スーバーハードといった加工オキアミ、ボイルと特鮮むきエビ。エサ取りやサイズアップにも使えるので、特鮮むきエビはいざというとき用に持っておきたい。サイズが大きくある程度の硬さがあるので、つぶして切って使うことをオススメしたい。
タックルのメンテ方法
最後にタックルのメンテについて少々。ロッドメンテについて私は水洗いを全くやっていない。カーボンロッドにおいて一番の敵は水分だ。水がついたまま置いておくと表面のクリア塗装がすぐ劣化して、パリパリにはがれてきてしまう。私の場合、釣行から帰宅してすぐ(当日のうち)にタオルで水拭きをし、その後乾いたタオルで水分を完璧に取り去る。汚れと水分を落とした後にバリバスのPEにシュッ!を吹きかけて伸ばし、乾かした後に乾拭きをする。
塗膜の表面に撥水加工ができるので、ラインが張りついたり汚れが付着したりといったトラブルを防止できる。ロッドへの使用をオススメしたい一品だ。これを毎回実践していると、本当にロッドの手入れが楽だ。雨の多い梅雨時期だからこそ実践してみてほしい。
梅雨グレは最も魚が元気になる時期でパワー勝負ができ、かつエサ取り分離などのゲーム性も高くなる。難しいからこそ、次の一手を考えて攻略してほしい。それで釣れたときの喜びは、サイズうんぬんではなく、1匹の重さを感じると思う。暑くなる季節でもあるので、水分を十分持っていくことも忘れずに。無限の攻め方がある奥深い磯フカセの世界、まだ踏み出してない人はぜひその一歩を歩んでほしい。
<週刊つりニュース中部版APC・東弘幸/TSURINEWS編>