プラグルアーを使ったライトゲームにおける「バーブレスフック」の有効性について考えてみた。実釣結果を交え、メリットやデメリットを解説してみよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター檜垣修平)
バーブレスフックのメリットデメリット
ご存じの方も多いだろうが、自身の備忘録の為にも一度バーブレスフックについてのおさらいをしておこう。
メリット
・貫通力が高く、懐まで食い込みやすい(バレにくくなる)。
・魚へのダメージが小さくなる。
・もしもの事故(自分もしくは他者にハリが刺さる等)の時に重症化しにくい。
デメリット
・普通のフックと比較し流通量が少なく大型釣り具店にいかないと品ぞろえが少ない。
・カエシが無いので、暴れる魚(ヒラスズキ等)に対してバラシ率が上がる?(未検証)
メリット、デメリットでいうとこんな感じだろうか。バレやすいかどうかに関しては使用者の技量や狙うターゲット、使用タックルでかなり変わるだろう。
ライトゲームでのバーブレス化の狙い
多くの方がバーブレスについて言及されているが、百聞は一見に如かずということで体験せねばわかるまい。賛成するにしろ反対するにしろまずは自分でやってみせ、ということで個人的に改善したい事もあったので試してみる。多くの意見の中の一つとして読んで頂きたい。
バーブレスにより期待したのは以下の2点
(1)浅掛かりでバレるのを防ぐ
メバルにやる気が無くてショートバイトになるのは仕方ないとして、明確にガツンとバイトが出たのにプルンっと外れて即バレするのはあるある。基本は向こう合わせの釣りなので、掛かった時になるべく深くまでハリが食い込んで欲しい。
(2)手袋にフックが絡みすぎる
ライトプラグについているトレブルは小さく細軸なので、布を貫通しやすくカエシまで刺さって手袋を外さなくてはならない事がたびたびあった。ルアー交換中に刺さると両手が埋まっているのでいちいち面倒くさい。
実釣を交えた使用感
(1)に関しては、バーブレスにして釣れた魚は強くアワセを入れたつもりもなかったが口周りにしっかり針が貫通していた。
この日は40cm前後のクロダイが3連発したのだが、掛かった魚はすべてキャッチできた。また、いままでバーブ付きのトレブルフックを使用した際にハリが浅掛かりしていた場合に高確率でハリが伸びるか開くかしていたがそのような変形は無かった。しっかり懐まで刺さり切っていればそうそうハリは変形しない。
(2)についてはとても改善された。手袋に刺さるには刺さるが、簡単に抜けるのでストレスが減った。また、リリースの際にハリを外す際もスルッと取れるので魚へのダメージは間違いなく軽くなっている。
とりあえず自分の思っていた効果は発揮された。次の項目では(1)と相反する話題である、「バーブレスはバレやすい」問題について個人的な考えを述べていこう。
鮎の友釣りから見るバーブレス
長い歴史を持つ鮎の友釣りで使われるハリは基本的にバーブレスだ。バーブ付き商品もあるにはあるが、ほぼ使われていないらしい。鮎釣り名人の知人にバーブレスでバレることが多かったりしないかと聞いたところ、タックルバランスが悪かったり伸びない糸を使うとやはりバレるらしい。逆にその部分をきっちりカバーできていれば、バーブレスのメリットの方が圧倒的に大きいそうで、バーブ付きを使うことはないそうだ。
鮎の友釣りは数を釣る釣りであり、手返しの向上やトラブルの減少が期待できるバーブレスの影響は大きい。リールを使わず9m前後の長い竿で常にファイト中に常にテンションが掛けられるという鮎釣りの特性から、テンション抜けでバレるというのは少ないだろう。
つまり、理想論で言えば一定のテンションを掛けながらファイトできるならバーブレスだからバレるということはないはずだ。これが磯場の大型魚相手なんかになると無理やりにポンピングしてでも寄せてこないといけなかったりするのでテンションを一時も抜かないというのは難しくなるが、ライトゲームなら竿も柔らかいので理屈で考えれば可能になるだろう。
釣りものにもよるが、最適なタックルセッティングとファイトの腕前を向上すればバーブレスはメリットの多い選択肢になると言えそうだ。
<檜垣修平/TSURINEWSライター>