桜が散り季節は春から夏に移り変わろうとしているが、海の中も気温の上昇とともに活気づいてきた。今回注目したのは富山湾。2008年の東海北陸道の全線開通で中部地区のアングラーにとっても、ぐっと身近になったエリアだ。4月19日にライトソルトゲームを楽しむため、富山行脚としゃれこんでみた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
本番のナイトゲーム開始
そして周囲が薄暗くなった午後6時30分、気合を入れて生地に戻る。常夜灯に明かりが入り、同時に昼間はゼロだったアングラーも増えてきた。電気ウキを投げている釣り人に聞くと、ヤリイカ狙いらしい。見ている前で、小ぶりながらヤリイカを抜き上げていた。
濁りがひどい港内を避け、松尾さんは大突堤の対岸にあたる手すりのある護岸に入る。LEDの常夜灯がまぶしいほど周囲を照らすので、海面にはくっきりと明暗ができている。
やはりナイトゲームは日中と違って、雰囲気が一変する。ココは期待しかない……と見ていると、松尾さんに待望のヒット。富山入りしてから9時間、ようやく手にしたのは小さなカサゴだったが、うれしいうれしい1匹だった。
待望のアジ登場
「アジっぽいライズもあるんですよね」と松尾さん。カサゴを数匹釣った後、「コレ、アジですよ」と抜き上げたのは、まぎれもなく本命のアジ。ライズのあった表層ではなく、ボトムからの巻き上げにヒットしたらしい。
少し離れた所のアングラーは、20cmクラスのアジを上げているようでいよいよ楽しくなってきた。少しして先行のアングラーが帰ったため、そこに入ると、すぐ横はテトラ。その際を通すと、根魚が百発百中でヒットしてくる。しかも先のカサゴよりもかなりサイズアップしたヤツなので、エステル0.25号のラインだと取れない魚も。
そこで私が松尾さんに代わり、チヌタックルで探るともうカサゴが入れ食い。ジグヘッドが着底した瞬間に食っており、大小さまざまなサイズが上がった。中には抱卵個体もおり、やはり富山は魚が濃いね~と松尾さんと2人で顔を見合わせた。
ソゲやイネゴチに名前の分からない魚も
松尾さんの方はというと、沖へ投げてこちらもアタリ頻発。
無だった昼間は何なのか……と思うほどアタリが出る。
上がってきたのは、25cmほどのソゲ(ヒラメ)にイネゴチ、カサゴはもちろんムラソイのようなキジハタのような……、名前の分からない根魚も。
少ないながらアジも姿を見せるが、いかんせんサイズが上がらない。せめて20cmアップがほしいと、キャストを繰り返す松尾さん。港内も見てみたが、やはり白濁りがひどくアタリは皆無。反応があるのは常夜灯周りだけだ。
ひとしきり釣った後、撮れ高十分ということでサイズアップを目指して経田漁港、魚津漁港へと移動してみた。だが経田で松尾さんが小メバルを1つ釣ったのみ。日付が変わり、粘り続ける松尾さんだったが、午前3時についにギブアップ。富山に来てから17時間、ようやく今釣行の幕が下りることになった。
まとめ
さて、今回は雪代流入という想定内ではあるけど、まあ富山だし大丈夫だろう……という楽観思考を吹き飛ばす悪条件下での釣行となった。春にはよくあることだが、それでも夜になってからの連発劇は、さすが富山湾と思わせるもの。地元アングラーに聞いたところ、「5月に来たらいいよ。水温も上がるしアジやメバルならいくらでも釣れるよ」とのこと。
さらにはGWに入ればホタルイカパターンが終わるとともにさらに海が活気づき、ライトゲームだけでなくショアジギングも面白くなるらしい。さらに加えればチョイ投げで狙うキスなんかもファミリーにはお勧め。ぜひ豊穣の富山湾で、さまざまな釣りを楽しんでいただきたい。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>
生地漁港