ハマグリは食味もよく潮干狩りでも人気のある貝です。ただし、アサリよりも、数が少ない潮干狩り場が多く、生息場所も違うので探すにはコツがいります。今回はそんな潮干狩りでのハマグリの採り方について解説します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・永井航)
ハマグリ狙いの潮干狩り
ハマグリはアサリなどと比べると大型で、貝殻に光沢があり、溝がなくツルツルとしているのが特徴の二枚貝。アミノ酸を多く含む旨味の強い味わいで、アサリより高級な食材です。
そんなハマグリは潮干狩りでも狙うことができますが、潮干狩り場によっては取れたら嬉しいレアキャラポジションの場合も。しかし、ここ数年の愛知・三重県沿岸の潮干狩り場など、アサリよりも多く採れるような場所も存在します。
また、管理された潮干狩り場以外では、茨城・鹿島灘の一部海水浴場など無料で天然のハマグリが狙える海岸もありますが、ほとんどの海岸で漁業権が設定されている貝です。漁業権で守られているハマグリを取ると密漁になるので注意しましょう。
潮干狩りでのハマグリの採り方
続いて潮干狩りのときにハマグリを狙う際のコツを解説していきます。
水深のある場所を好む
潮干狩りで取れるハマグリの種類は国産の本ハマグリとチョウセンハマグリ、放流個体のシナハマグリ。ハマグリが集まるポイントはアサリと少し違ってくるのが特徴で、水深のある場所を好み、外洋性のチョウセンハマグリはその傾向が顕著です。
最干潮でも水がある沖合のポイントや、起伏があって潮が完全に引き切る寸前まで水があるようなところ、窪地で干潮時にも水が残るところなどを狙ってみましょう。
深く掘る
ハマグリはアサリよりも大きく、足の力も強いので深く潜ることができます。アサリは砂の下5cm程度の浅いところにいることが多いですが、ハマグリは10cm~15cmといった深いところに潜んでいることが多いため、採集する際には深く掘る必要があります。
ハマグリを狙うときはしっかりと砂を掘り起こして狙うようにしましょう。
道具は熊手か足
ハマグリを採集する際には、水に浸かって掘る場面が多いので、柄の長い熊手があれば有利です。ただ、場所によっては柄の長さに制限があるので注意しましょう。
また、外洋性のチョウセンハマグリがターゲットの場合、腰ぐらいまで浸かるようなポイントのほうが取りやすいことも。その場合熊手ではなく足を使って砂を掘り進め、足の感覚でハマグリを探す方法もあります。かかとで砂を掘るイメージで、足を開いたり閉じたりして貝を探し、見つけたら手で貝を取りましょう。
一つ見つけたら周りを探す
ハマグリが見つかった場所は、餌のプランクトンが溜まりやすいなどハマグリが住みやすい環境が整っていることが多く、他にもハマグリが生息している可能性が高いです。周囲もくまなく探索しましょう。
ハマグリの持ち帰り方と下処理
取ったハマグリを家まで持ち帰る際は、海水の温度が上がると弱ってしまうので、海水に漬けずに持ち帰るのがおすすめです。クーラーボックス内の温度は20度以下をキープできるように保冷剤なども用意しましょう。
ハマグリの砂抜き
家に持ち帰ったら砂抜きを行います。砂抜きを行う海水は3%程度に作った塩水でもいいですが、現地の海水を使うとよく砂を吐きます。現地でペットボトルなどに汲んで、ハマグリとは別に持ち帰るといいでしょう。
砂抜きの仕方は、ハマグリが完全に浸からない程度に海水を入れて、暗いところで4時間~半日ぐらい砂を吐かせます。底に砂がたまるような容器だとハマグリがまた砂を吸い込む可能性があるので、ザルなどに乗せて行うとベストです。
塩抜きも行う
海水につけておいたハマグリは塩水を内部に蓄えています。そのまま調理に使うと塩辛くなってしまうので塩抜きをしましょう。
ボウルなどに入れるか新聞紙などの上に敷いて常温で最低2時間、できれば半日ほど干すと、塩水が抜けるとともに旨味も凝縮し、美味しく食べられます。また、夏などは高温で死んでしまう場合があるので、冷蔵庫で塩抜きしましょう。
ハマグリの潮干狩りの注意点
最後にハマグリを狙った潮干狩りを行う際の注意点も紹介します。
水に浸かる装備が必要
沖合を攻めることが多いハマグリ取りでは、水に浸かりながら貝を掘る場面が多いです。水着を着用するなど濡れる前提の格好で挑みましょう。
潮が大きく引く潮回りがベスト
最低潮位が低い潮回りほど沖合のポイントの水位が下がるので、ハマグリが取りやすくなります。潮が大きく引く大潮や中潮の日に挑むといいでしょう。
安全第一で行う
ハマグリの潮干狩りは楽しいものですが、水に浸かりながら貝を掘る場合、波にさらわれたり溺れる危険性もあります。あまり深い場所には行かず、波の穏やかな日・場所で楽しむようにしましょう。
サイズや採れる数に規制がある
地域や潮干狩り場のルールで、3cm以下のハマグリはリリース、総計1kgまで採取可能など制限があります。必ず守って潮干狩りを楽しむようにしましょう。また、熊手などの道具についても網付きは不可など規制がある場合があるので、こちらも必ず確認してください。
<TSURINEWS編集部・渡辺竜平>