熊手は、潮干狩りで貝を採集するのに便利な道具です。ちょっとマニアックなテーマですが、今回はこの「熊手」に焦点を当てて、選び方や使い方、使用時のルールなどを解説します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)
潮干狩りに使う熊手
熊手は、長い柄の先に扇状の爪が付いたアイテムで、砂を掘りやすく、潮干狩りで貝を見つけるのに役に立つ道具です。
漁業規則によって使えない場合も
熊手は「は具」と呼ばれる漁具の一種で、地域によっては漁業規則で使用できない場合があるため、注意が必要です。熊手自体が使えない地域もあれば、爪の幅の広さや、爪に網があるかどうか、柄の長さなど熊手の特徴によっても使えるかどうか決まってきます。
使用可能かどうかは水産庁HPで都道府県漁業調整規則を確認し、該当の都道府県で「は具」の使用が可能か、使用可能でも特別な規則がないかを見てみましょう。そして、地域ごとや潮干狩り場のルールでさらに使える器具が制限、もしくは許可されていることもあるので、現地の看板なども必ず確認が必要です。
また、アサリなどの貝類に漁業権が設定されている地域では、使う道具に関わらず潮干狩りを行うと処罰対象になるので注意しましょう。
潮干狩りに使う熊手の種類
熊手には爪の部分に網が付いているものや、柄が長いものなど色々な種類があります。前述したように、規則によっては使えない場合もありますが、使える場合、適切な熊手を使うことで貝を採る効率がアップすることも。代表的な種類を紹介します。
普通の熊手
まずは柄の短い普通の熊手。これは100均などでも手に入りやすく、使い勝手も良いため、多くの潮干狩り愛好家に利用されています。他のタイプに比べて、使用してもいいエリアや潮干狩り場が多いこともよく使われる理由です。
使いやすい熊手は幅が広め(15cm以上は規制対象の場合があるため注意)で、爪が6本以上など多めのもの。アサリなどの貝が引っかかりやすくなるので効率よく取ることができます。
熊手の爪の形状も色々ありますが、爪がカーブしている形状と、直角に曲がっているものが代表的。カーブしているタイプは砂を深く掘り進めやすく、少し深いところにいるハマグリやホンビノスなどの大型貝も採りやすいです。直角タイプは、爪の途中から直角に曲がっているようなアイテムだと砂を掘り進めるのは少しやりにくいものの、ごく浅いところにいる事が多いアサリを掻いて見つける分には使いやすいという印象です。
爪の部分の素材は鉄などの金属が主流で、錆びにくいステンレス製のものもあります。塩水に浸かるので、鉄製のものは錆びやすく、特に柄との接続部分などから破損しやすいアイテムです。長く使うなら錆びにくい素材がおすすめです。
網付き熊手
爪の間に網が付いているタイプは、穴を掘ると網の部分で貝が掬えるので効率的に取れるのが特徴。ただ、砂を掘るときの抵抗が増えるので掘るのが重くなりがちで、力のないお子さんなどには使いづらく、小石や貝殻が多いエリアもあまり向きません。
また、都道府県の漁業規則や潮干狩り場のルールで網の付いた熊手を禁止している場合があるため、利用する際には注意が必要になります。
柄が長い熊手
柄が長い熊手は水に浸かりながら貝を取る際に便利で、潮が引ききっていないタイミングでのアサリ取りや、沖の深場にいる事が多いハマグリやホンビノスなどを採集する際に便利です。
こちらも柄の長さが50cm以上は不可など、地域ごとに規制されていることがあるので、漁業規則を確認してから使用しましょう。
熊手の使い方のコツ
使い方の基本はシンプルに「砂を掘って貝を見付ける」ですが、狙う貝の種類によって掘る深さを変えるのがポイントです。アサリならば水管が砂から出る5cmほどのごく浅い場所にいることが多く、表面を広く浅く掻くように掘っていくのが効率的。ハマグリやホンビノス、バカガイなどの大型貝は潜るための足の力が強く、ある程度深いところに潜っていることも多いので、10cm~15cm程度は掘り進めます。
掘り進めて熊手に貝の手応えがあったら手で探って取り、生きた貝か選別していきます。また、見落としも必ずあるので、掘ってできた砂山や掘った穴に取り残しがないか、もう一度探すのも忘れないようにしましょう。
他にもTSURINEWS内には潮干狩り関連のページが多数あります。テクニックや持ち物などを解説しているのでぜひ参考にしてください。
<TSURINEWS編集部・渡辺竜平>