そろそろバチ抜けの時期が始まろうとしている。筆者の住まう関西では大体4月からスタートだ。この時期のメインターゲットといえば、誰もが「シーバス!」と声を揃えることだろう。ライトゲームアングラーにとってはメバル?いや、そのメバルタックルで、シーバスも釣れる。「LTシーバス」、ライトタックルシーバスについて、基本情報を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
バチ抜けスタートの春
多毛類が海面に浮いてくるバチ抜けは、大体4月から始まる。海底が砂地の海や、常夜灯などの光がよくあたる範囲、河口ではバチ抜けが、目で見てわかる。下の画像のように、多毛類がふよふよと海面に浮きまくっている。
なぜバチがこうして迂闊なほど水面に身をさらすのか?実は、彼らにとって春は産卵の時期であり、体力チャージのために水面に出てきて、光合成して増殖したプランクトンを食いまくるのである。そいつらを食べにシーバスが動き、アジが動き……というわけ。
ライトゲームアングラーにとって、この時期はバチ抜けに反応するメバルやアジを釣るのが嬉しい。バチ抜けの条件に恵まれれば相当数釣りすることができるので、大変良い時期である。しかもアジもメバルもこの時期は最大級に型が良い。優先的に釣りたくなる。
しかし、せっかくならば、メバルタックルでシーバスも釣ってみてはどうだろう?実は70cm級までは確率高く釣ることができる。この時期の魚の単純さで、数も釣りやすいのだ。
メバルタックルでも取れるシーバス
LTシーバスのキモは、メバルタックルそのまま、バチのサイズのプラグを使うことだ。45mm~70mmの表層のI字系ルアーを使えば、ばんばんシーバスが襲来する。むろん、メバルのように抜き上げることはできないので、タモは必須となる。
一般的なタックル要件を解説しておこう。
・メバリングロッド7ft前後
・スピニングリール2000番ノーマルギア
・ラインシステムPEライン0.3号+リーダー6lb
・ルアー表層のI字系プラグ
メバリングではPEライン0.1号の細イト派も多いと思われる。ただこの時期は、シーバス対策もそうだが、そもそもメバル自体がデカいので、どんなサイズにも盤石のPEライン0.3号を張っておきたい。それがそのままシーバスに流用できる。
仮にシーバスのアタリが止まったら、あとからPEライン0.1号を張った替えスプールにチェンジし、メバリングに切り替えだ。
釣り方はプラグ1本
まず、バチについたシーバスがいるエリアを見つける。やはり河口がいい。バシャバシャと水面を割って大きな音を立てていたら、シーバスだ。釣り方はシンプルで、そこへ表層のプラグを投げて引くだけ。リトリーブスピードはシーバスが見切らない程度に、メバルほどスローじゃない方がいい。ノーマルリトリーブだ。
食ってくるタイミングは、キワが多い。足元まで着実にバチ(ルアー)を追い詰めて、ドンと食うのだ。キワの横引きも手堅い方法である。
メバリングロッドは軟らかくシーバスをノセやすい。ただノセてからはシーバスロッドのようにパワーで寄せてくることができないので、うまくドラグを使って弱らせる。シーバスは最初と最後に思いっきり海底や壁際に突っ込む。リーダーが6lbで80cmほどあれば、まあ普通の堤防では切れることがないので、落ち着いてやり取りしよう。竿でリフトアップしようとすると外れるので、しっかりバテさせ浮上させ、取り込もう。
もちろんタモ必須
タモ必須。メバルでさえこの時期は抜き上げが怖いようなサイズが来るので、タモは必ず持っていこう。シーバスもチヌもそうだが、頭から網の中に入れてやれば取り込みやすい。
バチ抜けの時期はそこまで大型が来ないと言われるが、筆者は70cmまでの経験が二度ある。もう10cmデカければランカーというわけで、着いている場所をメバルルアーでくすぐれば、80cm超えも当然に来るだろう。私の印象から言えば、おそらく80cmまでは何とかなるが、90cm以上となると、あるいは、ロッドのバッドパワーの限界で水面に浮上させてくることが難しいかもしれない。そんなきわどいやり取りも、ぜひ楽しんでみてほしい。
<井上海生/TSURINEWSライター>