今回は朝から雪がちらつき冬に逆戻りした感のある3月2日に三重県・南伊勢町相賀浦の遊漁船なぎさ丸へ、中深海のカサゴ釣りでオニカサゴとウッカリカサゴを狙って釣行してきた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
中深海の根魚五目釣り
釣り人におなじみの魚であるカサゴ。日本近海には多くの種類のカサゴが生息しており、湾奥の浅場に生息するものから、水深100mを超える深場に生息するものまでさまざまな種類がある。その中で船から狙う「中深海のカサゴ釣り」のターゲットは、オニカサゴとウッカリカサゴがメインとなる。
釣り人のいうオニカサゴは正式にはイズカサゴ、フサカサゴなどのことを指す。釣れるものは20~40cmが中心で最大50cmにもなり、水深80~200mにある砂泥地や砂礫帯に生息している。
またウッカリカサゴは30~40cmが中心で、こちらも最大50cmとなる。水深50~150m付近の岩礁帯や砂礫帯でよく釣れる。
ウッカリカサゴはカサゴによく似ており、長い間カサゴと同種とされてきたが、模様などの特徴から別種と判明した。「ウッカリするとカサゴと間違える」ことが、本種の名前の由来となったそうだ。
両種とも水深100m以深をメインに狙うこととなるが、比較的ウッカリカサゴの方が浅い水深に多く生息している傾向がある。どちらも抜群においしい魚で人気があり、特にオニカサゴは専門に狙う人も多い。
まずはオニカサゴ狙いから
当日は午前7時に出船。出船時には晴天に恵まれたものの、風が強く波も高いことからやや難しいコンディション。しかし予報より荒れている感じではない。河口船長に聞くと、まずはオニカサゴ狙いで沖の水深140mのポイントに向かうとのこと。航程1時間ほどで船が止まった。
仕掛けは吹き流し3本バリ
オニカサゴ狙いで使用するタックル&仕掛けは、ロッドは2m前後の中深海ロッドにダイワであればミチイト4号300mを巻いた300番の電動リールを使用。50cmのテンビンに、ハリス8号3本バリの吹き流し仕掛け。オモリは120号を使用した。
エサはカツオの切り身やサバの切り身が基本となる。当日はサーモンのハラスやワームも使用した。切り身のエサはそのまま使用しても良いが、薄くカットして水中でヒラヒラとアピールするようにした方が良い。エサの付け方は、端から5mm~1cmの所にチョン掛けにする。
とにかく底を狙うこと
中深海のカサゴ狙いの基本は、「底付近を狙う」ことに尽きる。仕掛けを投入し、オモリが着底したら50cmほどオモリを持ち上げるイメージでオニカサゴからのアタリを待つ。
オニカサゴのポイントは、底に起伏がある砂泥底が中心となることから、アタリを待つ際にオモリが着底したら再度リールを50cmほど巻き上げる。しばらくしてもアタリがない場合は、仕掛けが浮き上がってしまっている可能性もあるため、再び底を取ってオモリを持ち上げる作業を繰り返す。この動作が誘いにもなるので、こまめに底立ちを取って常にエサが底付近にあることをイメージして狙うと良い。
ちなみに私は底から50cmを意識して狙うことが多いが、底から仕掛けの全長分の2mほど巻き上げて狙う人もいる。カサゴは海底で上を見ながら落ちてくるエサを待っているため、底にエサが完全に着いてしまうとアタリが減少することもあり、その日の潮の流れや魚からの反応に合わせて狙うタナを調整することが好釣果につながるだろう。
本命登場もサイズに難あり
釣りを開始してすぐに穂先に小さいアタリが出る。アワセを入れると、幸先よく当日のファーストヒット。しかし大して抵抗することなく上がってきたのは、定番の外道である小型のアヤメカサゴだった。
次の1投でもすぐにアタリ。アワセを入れてヒット。先ほどより強い引きが伝わってくる。オニカサゴは50m付近まで引き上げてくると、周囲が明るくなってくる影響から穂先をたたく引き込みを見せる。ヒットした魚も50mまできたところでグイグイと穂先を引き込むことから、オニカサゴの期待が高まる。
無事に水面まで上がってきたのは期待通りのオニカサゴだった。ただサイズが30cmを少し切れるぐらいで、満足のいくものではない。
しばらくして再びオニカサゴがヒットした。しかしこれは20cmに満たないサイズ。浮き袋があるカサゴは水深100mから引上げてくると、浮き袋が膨張して弱ってしまいリリースが困難になるが、オニカサゴは浮き袋がなく水深100m以上の海底から釣り上げても元気いっぱいである。
オニカサゴは成長が非常に遅く、1年間で3~4cmしか成長しない。資源保護の面からも、小型のオニカサゴはリリースしてほしい。なお、リリースの際は毒がある棘に十分な注意が必要だ。