山梨県の渓流釣り場は首都圏から近く、近年はC&R区間や漁協の努力による放流活動で魚影の濃い河川が増えている。フルーツで有名な勝沼インターからほど近い笛吹川支流の日川(3月1日解禁)は、本格的な山岳渓流の釣りが体験できる。日川は嵯峨塩4号堰堤を境にして、下流は成魚放流もおこなっていて渓相の比較的穏やか、上流は産卵床オンリーでコンディションのいい魚が多い。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・井田泰司)
下流域
景徳院付近は里川で、平地のアシの間を流れている。魚はしっかりと居着いているので、ゆっくりと釣りをしたい人にいい区間。
少し釣り上がると竜門峡の下流になるので、こちらは岩盤と大淵で渓流らしいポイントが続く。エン堤も多くあるので大物狙いもできる。
高山荘付近が道路から川が近く、大岩、落ち込みと渓流釣り感抜群の雰囲気となる。ここまでくるとイワナが多くなり始めて、混生域の釣りが楽しい。
佐賀塩橋上流はエン堤があり、落ち込み、岩盤、大淵と魚の定位する場所多彩。入渓場所がわかりやすいので初心者にお勧めしたいエリア。そこからの釣り上がりは、嵯峨塩の自然渓流そのままで気分がいい。
嵯峨塩4号堰堤上流
嵯峨塩4号堰堤(大堰堤)から上流はキャッチ&リリース推奨区間。成魚放流をおこなっていないが魚影は濃く、百戦錬磨の大型魚が多数存在する。
入渓場所には漁協設置の看板などがあるので、そこが川にアクセスするルートの印になっている。
エン堤上流は切り立った斜面の下に淵が連続する渓相で水量が安定しているので、岩周りに定位するイワナがライズする姿をよく見かける。途中に枝沢が数本と、日川の釣り上がりは奥深い谷の釣り上がりと何ら変わりがないところが素晴らしい。増水などすると合流点の浅場に大型イワナが定位するのを発見したこともある。
上流域で川が道路と隣接するとペンションすずらんがあり、この周りが好ポイントとなる。滝沢(合流上流に産卵床がある)が合流する付近は毎年魚族調査がおこなわれいて魚影の濃さはピカイチだが、手ごわい魚も多いのが特徴。ライズの釣りができるので、5月にはメイフライのハッチでいい思いをしたことが多数あった。
日川は今シーズンから渓流デビューを考えている人にお勧めしたい。とくにペンションすずらんは多くのアングラーが集い、ジャンルを問わずに会話できる。ちょっと釣しては戻ってコーヒータイム、1尾釣れたらランチ、時にはその日に知り合った人と釣りをしたりと、楽しい時間が待っている(入漁券購入や食事で駐車させてもらえる)。
<週刊つりニュース関東版APC・井田泰司/TSURINEWS編>
日川