私は30年以上前にゴムボートでボート釣りを初めて体験。その後、2馬力4馬力のカートップボートであちこちで釣り歩き、親水性の高いミニボートも楽しんでいました。しかし、その中でいろいろと怖い思いもしているのです。その経験もあって、日出前なら港外に出た時に明るさが出始める時刻に、危険がないように慎重に出航しています。今回は、夜間航行についてのお話です。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・丸山明)
日出前の時刻の薄暗い沖にカヌー発見
11月下旬の6時半前、日出時刻は6:45。陸地の街灯は点灯していたものの、海は暗い状況でした。意識して前方注視で航行していると何かいる……。どうやら無灯火のカヌーのようでした。心意気はわかりますが、実はかなり危険です。
この沿岸部は、イワシの回遊があり、夜明け前から定期的に網漁の調査漁船が航行するエリアに近接しています。周囲の船すべてが、ミニボートを夜明け前に認識できるかどうかは疑問です。海の上でここは大丈夫という場所はなく、危険を感じた時に逃げるすべがありません。
ミニボートにも航海法が適用される
結論から言うと「航海灯設備の無い船は夜間航行不可」です。ちなみにここで言う夜間とは、日没から日出までの時間帯のことを指します。海上衝突予防法並びに海上交通安全法により、夜間は航海灯を揚げる義務があると明記されているのです。
人力のボートでも同様で、国土交通省海事局「ミニボートに乗る前に知っておきたい安全知識と準備」には、免許のあるなしにかかわらず「船長」とみなされると記されています。
釣りをして止まっている船(ミニボートも含む)が衝突されても、陸上と違い「見張り不十分」として両者過失が発生します。無灯火の夜間航行に対して保安庁は厳しく、陸上交通の過失割合とは大きく異なる点に注意が必要です。
航海灯などの設備がない場合は、夜間航行はできず、日出時刻を過ぎてから離岸します。この大原則を無視した航行は、命を落とす事故につながりかねません。
ちなみに航海灯は、大小の船すべてが白 緑 赤を点灯させ、暗闇でも船の方向が他船にわかるようになっています。右側通行右方向優先の海では、赤灯が見えたら回避行動をするなど、重要な役割を果たしているのです。