陸っぱりライトゲームの春のターゲットたちを考える 本格始動は5月頃か

陸っぱりライトゲームの春のターゲットたちを考える 本格始動は5月頃か

2月。すでにオカッパリの釣り物は休止状態、シーズンオフといえるだろう。低水温にもタフな居着きがいない限り、釣り人たちも来る時期に対して眠る。春のシーズンが開始するのは、早くて4月。本格始動は5月。釣り人にとっての2024年シーズン「本当の年明け」を待って、釣り物を想定したい。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)

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井上海生

フィールドは大阪近郊。ライトゲームメイン。華奢なアジングロッドで大物を獲ることにロマンを感じます。

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ショア ソルトルアー

5月に始動する春の釣り

まず4月まではシーズンオフと考えたい。桜でも咲くので「そろそろ釣れそうだ」と思うのだが、この時期の海水温はまだ2月や3月を引きずっていて冷たい。魚が動く時期ではないのだ。

筆者の考えでは、ハクというボラの仔がわいてから、春の釣りが始動する。そのあとバチ抜けがきたら、いよいよ。それが5月くらいだ。これが海釣りの本当の春。アジ、メバル、バチ抜けのシーバスが始まる。春のでっかいアオリイカもまた狙い物になる。

筆者はライトゲームアングラーなので、主には小物釣りの目線から、春の魚を紹介したい。

アジは回遊のあるなしが顕著

まずは、アジだ。春のアジングは当たりハズレがもっとも大きい。接岸の行動原理は産卵である。お腹に溜まった卵を沿岸の安全場所(藻の中、岸壁際)に産み付けるために、オカッパリアングラーの照準となる範囲まで近寄ってくる。

陸っぱりライトゲームの春のターゲットたちを考える 本格始動は5月頃か時合いの産卵アジ(提供:TSURINEWSライター井上海生)

しかし、繰り返すが産卵の春アジは、回遊ムラが激しい。私の印象では、入らない年は一切入らない。入る年は、2週間だけいるか、1か月いるか。産卵前は体力のチャージのため荒食いするので、回遊して接岸していれば、時合いにはわりと簡単に返答が来る。

だが夜にかけて活性が下がる。また産卵後になると、途端に食わなくなる。体力回復のためにボトム付近でちまちまと小さいプランクトンを食うようなイメージだ。そして、そのうち抜ける。まったく釣れなくなる。そうなったら終了。

5月開始が平均的だが、確実に仕留めるためには4月の終わりから釣っておいた方がいい。大潮の日にドサッと接岸してくる。アタリがあれば、通い詰めて固め釣りしよう。

メバルのバチパターンに照準

5月のLTターゲットとしてもっとも面白いのは、メバルに違いない。これも年ごとにムラがあるが、バチ抜けが起こる場所では、結構反応がいい。ただ5月はメバルのシーズン最終盤でもあり、大量のアジと混泳したり、ベイトに恵まれない年には一切釣れない。私もその辛酸を何度も舐め、5月のメバルは基本的に難しい印象を持っている。

ただ、個人的な話だが、この数年の大阪湾奥では春のメバルの調子が異常にいい。プラッギングでバチパターン、ベイトフィッシュパターンの良型を数釣りしている。ワームで表層引きするとサッパリ釣れなくなるから不思議だ……。

陸っぱりライトゲームの春のターゲットたちを考える 本格始動は5月頃かプラッギングで春メバル良型(提供:TSURINEWSライター井上海生)

メバルは基本的に明暗の暗に着くが、バチパターンのときにはそれだけではない。バチは何せ光に反応して上がってくるので、明の部分までメバルは食いにいく。海底が砂地で、光が当たるというバチ抜けの条件が揃っていれば、バチ抜けのプラグを持っていて挑戦してみてほしい。

痺れるLTシーバスに挑戦を

最後にシーバスだ。おそらく春の釣り物といえば、ルアーアングラーはほとんどバチ抜けのシーバスを思うことだろう。筆者はこの魚があまり得意ではないため追わないが、春だけはやる。この数年メバルタックル、メバルのバチ抜けプラグでLT化できることが分かったので、LTシーバスという釣り方をしている。バチがいれば、高確率で釣れる。

ポイントはバチのサイズが小さいこと。45~60mmのプラグでマッチ・ザ・ベイト。派手目なカラーと、地味目のカラーをローテーションして、目先を変えながら釣っていく。

陸っぱりライトゲームの春のターゲットたちを考える 本格始動は5月頃か春の風物詩、バチ抜けシーバスLT化(提供:TSURINEWSライター井上海生)

メバルタックル、0.3号PE、リーダー6lb、タモは必須。ドラグを使ってじわじわと弱らせれば、70cm級までは釣れる。フィネスの釣りに良い印象を持っていない人も、LTシーバスだけはぜひおすすめしたい。この釣りでは、それこそメバルもちゃんと釣れてしまうので面白い。

……では来る春に向けて、私もそろそろ釣りを休眠しようと思う。他にすることもないので退屈だ。

<井上海生/TSURINEWSライター>