ニコガオ丸船長の「ヤバかった」話
松本船長がまだ遊漁船の船長を始める以前、プライベートでジギングに出掛けたときの話。その日は朝から順調に青物がヒットし、フック外しに魚の処理と、多少慌ただしくも楽しい時間を過ごしていた。
そのなかで、青物の口に掛かったフックを外そうとした同行者の手にジグのアシストフックが刺さってしまった。この人はちゃんとプライヤーを使って外そうとしていたが、青物が激しく首を振った瞬間に遊んでいた片方のフックが、カエシまでブスリと刺さってしまったという。
フックが刺さった状態でも容赦なく暴れる青物……。もう考えただけでゾッとする。とりあえずアシストラインを切って魚とフックを分離させたが、大変だったのはここから。
究極の選択
カエシまで刺さったハリを現場で外すには、以下の究極の選択を迫られる。
Aコース
ハリをフトコロか軸の部分で切断し、刺さった部位からそのまま縫うようにしてハリ先を肉の中をぐるりと一周させて抜き出す。
Bコース
力技でそのまま引き抜く(絶対にお勧めしません)
どちらもさらに痛い思いをすることになるが、Aのほうが堅実。ただし、今回刺さったのはジギング用のジック。軸も太いため切断もできない。最終的に病院のお世話になった。
ちなみに、一番適切な対処法は、もちろんAでもBでもなく病院に行くことだ。
釣り客の安全が最優先
なお、松本船長はこの経験もあってビギナーや不慣れな人が魚を釣り上げたときは、ハリ外しや血抜き、神経絞めを代わりに行うようにしている。釣った魚を最高の状態で食べて欲しいという思いもあるが、第一の目的はお客の安全。
釣り上げた魚の処理のほか、デッキにはつまづくものがないよう常に整理し、高齢の人が腰を落ち着けて楽しめるよう背もたれ付きのイスを導入している。
そんなお客思いの松本船長の船で楽しい休日を過ごしてみては。
<週刊つりニュース中部版 五井/TSURINEWS編>
ニコガオ丸
ニコガオ丸の名前の由来は、「笑顔があふれる釣り船を目指したい」という船長の熱意。青物ジギングをメインに、潮の状況によりタチウオテンヤ、タイラバなども楽しませてくれる遊漁船。初夏から夏にかけては人気のマダコ釣りも出船。大船長と若船長の2隻体制で多彩なニーズに対応します。