釣りをしていて、不当に損に思うことがある。なーんでこんな高い竿買っちゃったんだろう。このリール、マジで俺の釣りに必要だったか?ルアーを失くした瞬間など、2000円を海にご奉納、と思わない釣り人はいないはずだ。しかもその奉納は環境破壊ですらある。……今回は、要らぬ釣り具を買った、「あの金で何かが買えたか」との無情に思いを馳せたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
今年の買い物失敗録
今年、皆様はどれだけ釣り具を買ったことだろうか?吝嗇家の私でもおそらく8万円くらいはいっているので、その倍ほどが平均値か。15万円、これが毎年の釣り具の出費としたら、まあ、目をつぶれないものでもない。遠征費用、船代、それもエンジョイできたらペイしたようなものだ。
だが、中には正直要らない金を遣ったという思いもないではない、はず。私も昨年末の一か月ほどで追い込みをかけてしまい、2万はやってしまった。私は中学生の頃、1時間50円の内職をしていたことがある。そのときの2万円は、遠大な金だ。経済観念がかわる大人になっても釣り具の価格は同じ。幼少にしょうもない内職をした分、無駄な買い物はしまいと常に戒めているが、今年もやってしまった。
釣り具の破損の修理代
釣り具の破損だって修理に金がかかる。おととしは確か2本の竿を折ってリールを1台ダメにしてしまい、そのとき、意を決して「何もかも最上級にしてやる」と20万円くらいの金を遣った。それは後悔していない。
だが、今年も1本竿のカーボンテープが剥がれるアクシデントに見舞われ、悲しい思いをした。実はまだ修理に出しておらず、なんとなく黄昏ているが、このまま使う気にはならない。いずれカタをつけなければ。そのときには2万円がかかるだろう。
ここまでで、今年、4万円は無駄金の出血。それから、愚かなことだが、10月には釣りの帰りに階段でずっこけて足を大けがしてしまい、未だに完治していない。しかもその日は、おととし交通事故に遭ったのと同じ日だった!もう勘弁してくれよ、と思う。実は昨日やっと足首のサポーターを買った。合計、「釣り怪我」でいくら出血したことか。考えたくない。
ということで、やや大げさに考えて、今年の損失金は10万円と考える。「釣り怪我」がかなり響いたかたちだ。
あの金で何が買えたか?
私の損失金は、その他のアングラーの平均値15万円(?)と比べて、若干少なめの10万円となる。では、「その金で何が買えたか」と、ちょっと考えてみよう。
最近気が付いたのだが、私は本職といえるアジングの竿を複数所有しているが、そんなに高価なものがない。その他の竿は6万円ほどの最高峰クラスを手に入れている。なぜ?!アジングロッドもそれくらい買っておけよ。まずは、6万円をそこに充当したかった。
残り4万円あれば、今年ずーっと始めようと思っていたライトショアジギングの中級タックルが買えたはずだ。自分としては釣りの幅が広がるのは、ひとつひとつの濃さが薄まるような気がして、どうかなと思うのだが、青物回遊のときにはいくら早朝が苦手の私でも、道具さえあれば出張っていったはずだ。
……もったいないことをしたなぁ。
考えてはいけない「釣りの金で何ができたか」
これこそ禁断の領域だが、「釣りをする金で何ができたか」という問題もある。この際は交通費や何かも含めてみよう。
オカッパリライトゲームの私は、年間20万円の釣り代がかかっている。こうなると、そうだな……実は個人的に、35歳の坂を上るところで、かなり太ってしまった。服のサイズが軒並みかわってしまい、だましだまし着ているが、これはリフレッシュしたいところなのだ。スーツ2着は軽く作れるだろう。
けれどまあそんなものは結果論だ。結果論であるからこそ事前によーく考えなければいけないのだが、考える時間すら無駄と思うのがアングラーの性。趣味に生きて丸儲けならそれでいい。
<井上海生/TSURINEWSライター>