昔は『幻』と言われたシロアマダイだが、近年は船釣りのターゲットとして随分と身近になった。高級料亭でしか出会えなかった味わいが身近になるのは大変結構なことである。ここでは料理の簡単なコツと、筆者が行った料理方法と紹介したいと思う(実際の料理はほとんど奥さんがやってくれているのだが)。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター黒犬ちこり)
シロアマダイってどんな魚
別名「シラカワ」などと呼ばれるアマダイの一種。主にアマダイ(赤)、シロアマダイ(白)、キアマダイ(黄)の三種類を指して「アマダイ三種」などというが学名が違う別の種族。
生息場所
生息している場所は他のアマダイに比べてやや浅め。砂泥地に巣穴を作って生活しており、流れてくるエサを食べると言われる。
釣りのシーズン
体格の割にはよく引く。2kgを超える個体は青物のような強烈な引きを見せる。日本各地で釣れるようだが駿河湾でターゲットになるのは10月~3月の間。
シロアマダイの釣り方
アマダイメインの底物五目(アマダイ五目)で狙う方が最も多いように思う。様々なエサを使うのが特徴で、メインはオキアミだが他にホタルイカ、ゴカイ類、サバ等の切身、イカタンなど釣り人が工夫を凝らすポイントである。浅めの海域で釣れるので150g位までのジグで狙うライトジギングで狙う方もいる。また、タイラバの好ターゲットで、アマダイ向けにチューンされたタイラバも発売されている。それ以外に、コマセ五目の外道として釣れる事もある。
シロアマダイ料理のポイント
身に水分が多いのでとにかく上手に水分を抜くのが重要。さばきながらキッチンペーパーなどで拭くのが効果的。釣った日にすぐ食べず、一塩振ってから寝かせて置いて水分を抜くと更に美味しくなる。数少ない鱗を楽しめる魚なので、さばく際には鱗をすべて取らない方が良い。皮が旨い魚なので刺身にするため皮を引いたとしても捨てずに焼いたりして食べるととても美味しい。
中骨や頭などアラからも非常に良い出汁が出る。有効活用したい。
塩焼きレシピ
色んな料理を作ってもらったが、その中でも特に美味しかった方法を紹介したい。まずは塩焼きから。
焼き始める1時間ほど前に軽く塩を振って水分を抜く。それをふき取り焼いていく。
オーブンやグリルなど何でもよいがやはり炭火で焼き上げるのが最高。ゆっくりと、身から脂を染み出させるように焼き上げていくと良い。
鱗を残せておいたなら鱗ごと焼き上げてもよい。その場合は鱗にじっくり火を通しパリッパリに仕上げると美味しく食べることができる。
大きい物でやるのが美味しいが小さい個体でも楽しむことができる。釣れたら最初に試してほしい料理法である。
松笠揚げレシピ
鱗を取っていない切身を適当な大きさに切り身の方だけに薄力粉を付ける。
皮を上に向けて180℃くらいの油に入れ、皮に油を優しく掛けながら火を通していく。
上手くできれば鱗が立ってくる。こうなればサクサクの鱗の食感を楽しむことができる。鱗が立たないときは水分が足りていないので鱗を軽く水拭きすると良い。
小さなくても開いたり半身を丸ごと揚げてしまえる。意外と簡単にできる料理法なので挑戦してみて欲しい。
刺身
数日寝かせた後に刺身にする。筆者は薄目に切るのが好み。
名前の通り甘味を感じる旨味と脂身が楽しめる。味わいが深く、噛んでいていつまでも旨いのが特筆できるポイント。
鱗を残してさばいているとこの時身について舌触りを悪くするので、こまめに包丁とまな板を洗いながらやると良い。身についてしまっても身を洗わないように。
特に大きくて脂の乗った個体が釣れたらぜひご賞味頂きたい。