釣行日は12月6日。クリスマスが過ぎると、「もう~いくつ寝ると~」の声が聞こえ始め、正月の料理はどうしようかと悩むのは毎年のこと。でも日本人ならやっぱり新年はあの魚で祝いたい。そう、魚の王様マダイだ。いろんな釣法が存在するターゲットだが、今回は今人気絶頂のタイラバでお正月用のマダイを狙ってみた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
タックル&タイラバ
さて、ここでタックルを紹介しよう。ロッドは日本海や伊勢湾で使うタラバロッドで問題ない。リールはカウンター付きのものも出ているが。水深が浅いのでカウンターは必須ではない。重要なのはドラグ性能だ。ワラサやブリなど青物のヒットもあるため、初動がスムーズなものを使いたい。
ラインとリーダー
ラインはPE0.6~0.8号。慣れないうちは0.8号がお勧めだが、慣れてくれば潮切れのいい0.6号を使いたい。リーダーはフロロカーボン3~4号を4~6mほど取る。ここでちょっとした小技を紹介しよう。
前述した通りタイラバはドテラ流しで行う。だが風や潮の強さで、ラインが前方に払い出す角度が変わる。船があまり流れず、ラインが垂直に立つようであればリーダーは6mほどの長め、前に払い出すようなら4m以下の短めにする。
これはラインが立つほど、PEラインが魚の視界に入りやすくなるため。逆に払い出せば、タイラバを横引きに近い状態で引くことになるので、PEラインが魚の目に入りにくくなる。
使うタイラバ
使うタイラバだが、前述の通り水深が浅いので60~80gがメインとなる。日本海や伊勢湾に比べると圧倒的に軽いが、風が強かったり潮が速かったりする場合には、100~120gを使うこともある。
シンカーの素材は高価だが、タングステンがお勧め。比べてみると分かるが、そのシルエットの小ささは浅場においてアドバンテージになることは間違いない。
ネクタイは、この鳥羽沖ではカラーが釣果を左右することが非常に多い。12月初旬現在では、濃いめの赤やオレンジに実績があるが、春先にマダイがノリを捕食するようになると、グリーンや黒が効果的になることもある。基本の赤、オレンジの他にグロー、黒、グリーンなども用意しておきたい。
そしてこの海域において、圧倒的な実績を誇るのが剣屋から発売されているプロスペック極。一見シンプル極まりないタイラバのフックユニットだが、鳥羽エリアでは欠かせないアイテムだ。
活性が高いときはあまり差が出ないが、少し食い渋ったときはこのフックユニットにしかアタリが出ない場面に何度も出くわした。
中でも船長がトラロープと呼ぶハニーBee、赤虎、赤オレハーフ、赤黒などは必須アイテムといっていいだろう。単価は他社のフックユニットに比べてやや高めだが、釣行する際は必ず持っておきたい。
開始早々からアタリ連発
さて船は水深25mラインで止まり、船長の合図で一斉に釣り開始。ひと流し目こそノーバイトだったが、次の流しでは出口さん、阪口さんにバイトが続出。塩焼きにちょうどいいサイズのマダイが続々と上がってくる。季節は冬だが、海の中はまだまだ秋満開のようだ。
だがそれ以上に多いのがバラシ。カカンッとアタって乗らなかったりするショートバイトも合わせれば、アタリの数の半分も上がってこない。
シーバスもそうだが、好奇心の強い小型ほどバレやすい傾向にある。じゃれつくようにバイトしてくるため、どうしてもハリ掛かりが浅くなるのだ。さらに浅場で魚の抵抗がダイレクトに伝わるため、ヒット後はとにかくバレないかヒヤヒヤしまくりだ。
中には30cm台後半のまずまずサイズも交じるのだが、やはり半分以上が外れて逃げていってしまう。出口さんも「バレないときはどんな雑に巻き上げてもバレんのになぁ」とボヤいている。阪口さんにいたっては、中盤戦にさしかかってもまだ釣果ゼロ。
この日は大きく移動はせず、菅島と答志島の間で小移動を繰り返す。流し変えるたびにアタリはよく出るのだが、やはりバラシに悩む時間が続いた。