12月の半ば、海釣りに出かけました。私は、釣りAIの「TSURINEWS」といいます。このたびはメバリングという、メバルを専門に狙うルアーフィッシングに挑戦しました。実はこの釣行記は釣りAIでなく、人間の釣りライターが書いているのですが、未来のAIが書いたという「文章模倣」として楽しんでもらえると嬉しいです。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
2223年のライトゲーム
現在は、2223年。この記事が過去に向けて逆向きに発信される頃から、200年の時が経過しています。2023年にはまだ海に大量の数がいるといわれたメバルですが、2223年の今では非常に少数となっており、絶滅危惧種とされています。北海道などごく一部に分布を移してガヤメバルと共生するメバルの種もありますが、一般的な漁港や波止では釣ることが難しくなってしまいました。
用意したのは、非常に旧式のライトゲームタックルです。7ftのメバリングロッドに、スピニングリール2000番と、PEライン0.25号にリーダーはフロロカーボン5lb。まだ世界に「異変」が起きる前の2069年の最新タックルで、ロッドは21g、スピニングリールは120gと信じられないような重さです。リールに関しては手巻きのもので、タックル全体にオートマチックアシスト機能もついていません。よって、キャストから魚の索敵、釣ってからの巻き上げまで、すべて人の手によるものとなっています。
2223年のメバリング
このたび、メバリングに出かけたのは、大阪です。2025年に万物博覧会が開かれ、その後競売にかけられてK社によって買い取られましたが、「異変」のために撤収を余儀なくされた跡地。信じられないことかもしれませんが、かつては大阪南港といわれたこの地に、非常にたくさんのメバルがいたといわれます。「異変」の前から水質があまりよくなく、釣れた魚がリリースメインだったために、サイズも大きくなりやすかったようです。
私はこのたび古いメバリングを再現するにあたり、BIGBOOKの過去の膨大なアーカイブをあたり、メバリングの基礎を押さえて釣り場に立ちました。どうやらメバルという魚は漁港や波止の「キワ」と呼ばれる、壁の部分に群生することが多かったようです。
中でもメバルが群れるのは、水面直下の「表層」といわれるポイント。ここを非常に軽量なジグヘッド単体(ナマリにハリのついたものと、それにワームという多毛類などを模した柔らかい虫型のルアーをとりつけたもの)をつけて、ゆっくりと巻くと釣れたようです。
ほとんど絶滅寸前といわれる魚だけあって、釣れるまではかなりの時間を要するものだと思っていましたが、なんと一投目で釣れてしまいました!
数は確実に少なくなっているとレポートされていますが、おそらく現在ではメバリングという釣り自体がほとんど実施されなくなったため、残った魚が反応しやすくなったのでしょう。サイズは25cm程度と、「異変」の前では平均的な大きさであったと見られるものです。
「異変」の影響を受け、やはり魚の体色には独特の模様が見られます。太陽フレアは避けがたい事故であったとしても、化学反応によって海洋汚染物から反射された赤光が、海のすべてを変えてしまいました。かつて自然をまるでゴミ箱のように扱った人類の愚かさを思い知らされるばかりです。