私(筆者)はあまりルアーのメーカー等にこだわりはない。だが、ある決まりというか、使う前にする事がある。それが、「寝かせる」だ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮坂剛志)
新品のルアーは釣れない?
中古にしろ新品にしろ、買いたてはなぜか釣れない。使い方等の問題ではなく、ルアーからそんな声がするのだ。妄想や幻聴などの病的なことを言っているのではない。本当に、使い時ではないと言わんばかりに真価を発揮してくれないのだ。
しかし、時が経ち自分でも無意識のうちに使い出すと、これが突然釣れ出す。そこからはどんな場所や季節で使ってもそれまでがウソのように必ず釣れるようになっている。だからルアーの声に耳を傾けて、まずは寝かせるのだ。全てのルアーがそうではないが、ルアーの中には寝かせると釣れるようになるものが必ずある。
今回は、そんなオカルトとも思える筆者の体験談を紹介する。
ルアーを寝かせる
買ったルアーはすぐに使いたい。しかし、どんなに釣れる確率の高い場面でも、買いたて新品のルアーは筆者にはなぜか釣れない。使い慣れていないとか、場所や季節が合っていないとか、動かし方が違うといったそんなありきたりな話ではない。何か別の力が働いているとしか思えないのだ。
そうなると当たり前だが自然と使用頻度は少なくなり、「寝かせる」ようになる。意識してというより、無意識のうちにそうなっていく感じだ。
ルアーの声を聞く
では、寝かせてそのままお蔵入りかといえばそうではない。ある時、本当に自分でも気が付かないうちにそのルアーを使っている時がある。そして、その時こそが釣れる時だったりするのだ。
どんな厳しい状況でも、今度は信じられないくらい釣れるようになっている。ウソだろ?と思うほどだ。眠っていたルアーとは思えないほど無双状態になっているのだ。
こんなことがあってからだろうか、「ルアーの声」を聞いて使うようにしている。釣れない時はまだ使用する時ではないのだと、本物の声が聞こえるわけではないが、何かを感じとることはできる。こうして釣れるルアーを寝かせて完成させていくのが筆者のやり方だ。
言葉にするのは難しいが、本当に釣れるルアーはまるで意志があるように自ら動く。まるで釣れる時をわかっているようだ。
どれだけ愛着を持てるか
いかがだっただろうか。不思議な話しなので、少々伝わりにくいが、物にはそれなりに作った人の気持ちが込められていたりするので、時にこうした不思議な力を発揮することがあるのだ。
ルアーをわざわざ寝かせて使うなんて、普通はしないだろう。むしろ釣れないなら釣れるまで使うはずだ。愛着を持つとはそういうことなのかもしれないが、あえて使わないやり方もある。
無理に使わず、寝かせて熟成させる。そして、ルアー自体が使われる時、釣れる時を教えてくれる。釣りを長くやっていれば自然と道具に愛着がわいて、そんな声を感じることもできる。話しかけたりするのはちょっと違うと思うが、道具への愛情や愛着は時に不思議な力を持ち、釣り人に答えてくれるのだ。
ただの道具ではなく良き相棒、そんなルアーと出会えれば、何もしなくても釣れる時を教えてくれる。かもしれない。
<宮坂剛志/TSURINEWSライター>