初心者や子供でも比較的簡単に釣れて、食べてもおいしいハゼは大人気のターゲットだ。毎年夏ごろから釣れ始め、ベストシーズンの秋にはさまざまなポイントでよく釣れる。冬が近づいてくると、気温水温の低下とともに深場のポイントへ移動し、なかなか岸からの釣りでは好釣果が望めなくなる。しかし船から狙う「船ハゼ」では、シーズン初期から終盤の落ちハゼシーズンまで安定した釣果が期待できる。今回は「船ハゼ」のポイントと魅力を解説していく。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)
狙い方
釣り方についてはハゼは底にいるので、底付近を重点的に狙うことになる。アンカーを使用しない流し釣りで狙う場合は、足元に仕掛けを入れてオモリを引きずる感覚をサオで感じながら、底付近を狙うことで、次々と新しいポイントを狙うことができる。また、アンカーで船を止めて狙う場合は前方に軽くキャストし、足元まで仕掛けを引っ張りながらハゼにエサをアピールすると良いだろう。
サオは1本でもOKだが、複数のロッドを使用することで一層の釣果を伸ばすことができる。1本は足元に仕掛けを落として狙い、もう1本は手持ちで探ることで広範囲のハゼを釣ることが可能になる。またそれぞれ異なる仕掛けを使用することにより、当日の傾向をいち早くつかむことも可能になる。
アワセについて
ハゼがエサに食いつくと、穂先にプルプルッと明確なアタリが出る。ここで慌ててアワせると空振りしてしまうことも多いので、アタリがあったら少しサオを立ててみて魚の重みがあれば、軽くアワせるとヒット率が高くなる。
ハゼは大きな口でエサを一気に丸のみするイメージがあるが、意外に繊細な一面もある。アワセのタイミングはその日の状況に合わせて工夫し、ヒット率が高いタイミングを見極めてアワせるようにしよう。
船ハゼ釣りの魅力
ハゼ釣りは非常にシンプルな釣りであり、女性や子供でものんびりと一日釣りを楽しむことができる。ハゼ釣りに限らず釣り全般に言えることだが、岸から狙う場合は足元が整備された場所ばかりではなく、女性や子供にはやや危険を伴う場合もある。また人気スポットは釣り人が多く、ベストシーズンは場所を確保するのもひと苦労というケースも多い。しかし船からのハゼ釣りでは、自分の釣り座がしっかりと確保されており、各々のペースで釣りをすることができる。
岸から狙うことができないポイントを広く狙うことができ、晩秋以降の落ちハゼシーズンは、ハゼが居心地の良い深い場所へ群れで移動して固まっていることが多いことから、ポイントさえ見つければ爆釣となる可能性も十分。岸から狙うのと比較して好釣果が期待できる。
なかなか釣果が上がらない場合は、船長が長年の経験を生かして最適なポイントへ案内してくれる。
また乗船する船にもよるが、個室トイレや休憩スペースがある船も多く、道具についてもレンタルタックル(有料の場合が多い)を準備してくれる船もある。
なかなか釣れない場合やオマツリなどのトラブルが発生した場合でも、船長がフォローしてくれることも多い。安心して一日釣りを楽しむことができるだろう。
留意点としては、ライフジャケットが必須であること(ライフジャケットがない場合はレンタルしてもらえる場合も多いので事前に問い合わせるといいだろう)、皆さんが乗船する船によってトイレの装備やサービスも異なってくることから、予約時に確認を行った上で乗船するようにしよう。
最後に
冬になると気温水温が下がり、手軽に狙える魚はぐっと減ってしまう。
しかし、本格的な船釣りや相応の装備がないと、危険を伴うこともある磯やテトラ帯での釣りはちょっと…という人も多いだろう。
船からのハゼ釣りは、河口や湾奥がポイントとなることが多く、冬の冷たい季節風の影響や高波の影響を受けることが少ない釣りであり、船酔いが心配な人も他の船からの釣りと比較して安心して釣行できる。船釣りに初めて挑戦する人にも釣行しやすく、初心者からベテランまで楽しめることから、皆さんも一日のんびりと自分のペースで船ハゼ釣りを楽しんでみてはいかがだろうか。