海上での手前船頭の釣りを始めたい方にとって、カヤックと2馬力ボートはいずれも有力候補。どちらも免許や船舶検査が必要なく、自分で所有できる自分専用の船です。今回は、カヤックと2馬力ボートを比較し、これから入門する方にとってのハードルの高さを検証します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・福永正博)
ハードルその4:車載
出艇する前の段階である車載についても検討してみましょう。
カヤックはカートップがメイン
カヤックは、カートップが多数派で、車にルーフキャリアを取り付ければたいていのカヤックが車載可能です。コツをつかめば、重量級カヤックのカートップもそれほど苦ではありません。
2馬力はトレーラーが楽
2馬力ボートはタイプが多くて少々複雑なのですが、ポリ・FRP艇はカートップかトレーラー使用が一般的で、分割式のポリ・FRP艇であれば分解して車内積みが可能な場合もあり。
ゴムボートは、空気を抜いて折りたたみ車内に積みます。カートップする際は、重たいエンジンや荷物は降ろしている状態なので、カヤック同様それほど重さを怖がる必要はないでしょう。
ちなみに、トレーラーはエンジンや荷物を積んだままのボートを載せることができ、まるごと水洗いもできて非常にラクで便利です。しかし、トレーラーの購入費や維持費、保管場所、釣り場での駐車スペース確保、車を乗り入れできるスロープを見つける必要性などを考えると、入門者にとっては高すぎるハードルといえますね。
ゴムボートが車載のハードルがいちばん低いといえますが、カヤックやポリ・FRP艇の車載もそれほど高いハードルではありません。トレーラーの導入は、将来の楽しみにとっておきましょう。
ハードルその5:準備・片付け
ここでは、準備・片付けについて見てみましょう。毎回必ずおこなうことなので、釣行の手軽さに大きく関係する項目です。
カヤックとボート 準備・片付けはどっちがラク?
いきなりですが、順位をつけてしまいます。
1位 カヤック
2位 ポリ・FRP艇
3位 ゴムボート
この順位は、「釣り場に到着してからいかに早く出艇できるか」、「釣りが終わった後いかに早く釣り場を去ることができるか」にフォーカスした結果です。
「片付け」には、道具をしまうだけでなく、船体の水洗いとその後の拭きとりまで含んでいます。
筆者は以前、海水で濡れたカヤックをそのまま車載して、帰宅後に水洗いしていました。その結果、ボディにひどいサビが発生し車を買い替えるハメに……。そのため、釣り場での水洗いは必要不可欠だと考えています。
カヤック
1位のカヤックは、船体が軽くて装備もシンプルなので、準備・片付けがスピーディー。準備は、テキパキやれば30分以内に出艇可能。
片付けは、船体だけでなくロッドやリールも洗ったり、疲れていてペースが落ちたりするので準備よりも時間がかかりますが、1時間もあれば終わります。
ポリ・FRP艇
2位のポリ・FRP艇は、1位のカヤックにエンジン関連の準備・片付けをプラスしたイメージ。
水洗いや拭きとりに関しても、大きくて重たいことにくわえ、スカッパーホール(排水穴)がなく水が溜まる構造のため、カヤックより大変な印象を受けます。
ゴムボート
3位のゴムボートは、2位のポリ・FRP艇に、空気を入れる、空気を抜いてたたむという手間をプラスしたイメージ。空気の出し入れは、電動のエアコンプレッサーを使えば早いですが、近所迷惑を気にする場所では手動の空気入れを使うケースもあります。
また、ゴムボートの生地に海水や魚の血が残っていると、劣化やニオイの原因になります。釣り場で片付けるときも、しっかり水洗いしておくことをおすすめします。
結論:準備・片付けのハードルは?
準備や片付けのハードルがもっとも高いのはゴムボート。ハードルが低いのはカヤック。ただし、慣れないうちはカヤックでも片付けに1時間ほどかかると考えておきましょう。