海上での手前船頭の釣りを始めたい方にとって、カヤックと2馬力ボートはいずれも有力候補。どちらも免許や船舶検査が必要なく、自分で所有できる自分専用の船です。今回は、カヤックと2馬力ボートを比較し、これから入門する方にとってのハードルの高さを検証します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・福永正博)
ハードルその6 メンテナンス
次は、釣りから帰ってきた後、自宅でおこなうメンテナンスに関するハードルを見てみましょう。長く使用するためには大切なことです。
船体のメンテナンス
前項にも関連しますが、カヤックや2馬力ボートの船体メンテナンスの基本は水洗いによる塩分除去。自由に使える水道と場所が必要です。水洗い後は、ラダーやハッチのフタなどの可動部や、金属製のパーツ類に潤滑剤を注油しておきましょう。
次回の釣行でも快適に使用できて、長持ちにもつながりますよ。ゴムボートの場合は、釣り場での水洗いだけでは足らず、自宅でもう一度膨らませて、ていねいに洗浄することも多いです。
キズや穴がないかじっくりチェックもできる点もメリット。ただし、二度手間になるのでどうしても面倒に感じてしまいますね。
エンジンはしっかりメンテナンスしよう
2馬力エンジンの多くは水冷式で、内部の通路に海水を通すことによってエンジンを冷却しています。
毎回必ずメンテナンスしないと、腐食や詰まりなどのトラブルの原因に。洗浄・フラッシングは、大きなバケツなどに水を貯め、その中でエンジンをかけ真水を循環させて塩分を流します。
釣りから帰ってきて疲れた状態で毎回おこなうこと、水道が自由に使える広めのスペースが必要なこと、エンジン音が迷惑にならない場所・時間帯であることなど、越えるべきハードルが多い印象ですね。
もちろん、空冷式の2馬力エンジンも、たっぷりと潮風にさらされ海水に浸かる部分も多いので、水冷式とほぼ同じようなメンテナンスが必要です。
そのほか、やはりエンジンですから定期的なオイル交換も必要ですよ。メンテナンスのハードルがもっとも高いのはゴムボート。エンジンのメンテナンスを怠ると、後々高額な出費につながるのでサボらないようにしましょう。
ハードルその7:保管
使用後のメンテナンスが完了したら、次回まで保管しておくことになります。購入したのに保管できない事態とならないように、事前に準備・検討しておきましょう。
保管にはスペースが必要
カヤックやポリ・FRP艇は、それなりに広い保管スペースが必要です。一戸建てかマンション住まいかなど、住んでいる環境によって保管が難しい場合もあるでしょう。苦肉の策で、「ルーフキャリアに積んだまま」という方法もあります。
その際は、紫外線による樹脂の劣化を防ぐためカバーをかけることが重要です。筆者も、釣行回数が多いため、よく車の上に載せたままにしますが、水洗いとカバーだけは欠かさずおこなっています。
それに対して、ゴムボートはコンパクトになるため室内保管が容易。保管スペースにあまり悩まない点は、ゴムボートの大きなメリットといえるでしょう。
ゴムボートが一番楽
自宅の環境によりますが、カヤックとポリ・FRP艇の保管のハードルは高め。もっとも保管で悩まないのはゴムボートです。