海上での手前船頭の釣りを始めたい方にとって、カヤックと2馬力ボートはいずれも有力候補。どちらも免許や船舶検査が必要なく、自分で所有できる自分専用の船です。今回は、カヤックと2馬力ボートを比較し、これから入門する方にとってのハードルの高さを検証します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・福永正博)
ハードルその2:出艇場所
価格のハードルを越えられたとしても、購入前に検討しておくべき重要なことがあります。それが、自分が釣りをしたいエリアに出艇できる場所があるかどうか。せっかくカヤックや2馬力ボートを買っても、出艇できる場所がないと意味がありません。
出艇しやすい場所
カヤック、2馬力ボートともに、出艇しやすいのは駐車場が近く波がおだやかな海岸。駐車場から遠く離れていたり、土手や階段を乗り越えたりするような場所は、たとえエントリー可能だとしても、もう2度とやりたくないと思うほど大変なことが多いです。
比較的エントリーしやすいのが砂浜の海岸ですが、フカフカの砂浜での移動は体力勝負の一面も。ただ歩くだけでも負担の大きい砂浜で、重たいものを引っぱるのですから、その大変さは想像に難くないでしょう。
スロープが最適
理想的な出艇場所は、漁港やマリーナにあるコンクリートのスロープなのですが、現実は甘くありません。たいていの漁港やマリーナは、カヤック・2馬力ボートの出艇は不可。
もしも近くにスロープを使わせてくれる漁港やマリーナがあれば、それは本当にラッキーなことです。その際は、利用料金や利用時間、その場のルールなどをよく調べて、自分のスタイルに合っているか検討してみてください。
2馬力の方が大変
出艇場所に関するハードルは、2馬力ボートの方が高いといえます。船体が重く、装備品も多い2馬力ボートの方が出艇場所を慎重に選ぶ必要があります。
ハードルその3:重さ
前項でもふれましたが、出艇を中心に様々なことに影響するのが船体の重さです。基本的に、軽ければ軽いほど扱いやすく体力を使わずにすみます。
カヤックの重さはどれくらい?
一般的なフィッシングカヤックは、20kgほどで軽量級、重めのモデルで30kg台といったところ。20kg以下であれば「すごく軽いカヤックだな」、40kg以上であれば「うわっ、かなり重たいな」と感じます。
個人差はありますが、20kgくらいのカヤックであれば、頭上にもち上げることが可能なレベル。ドーリーを使用してカヤックを引っぱれば、すべての装備を載せてもたいてい片道1回の移動で出艇できます。
2馬力ボートの重さ
ゴムボートときくと、風船みたいに中身は空気だから軽いのでは?と考えてしまいがちですが、実際には20kgから30kg以上あります。安全性確保のため、分厚く頑丈に作ってありますからね。
ポリ・FRP艇は、ゴムボートよりワンランク重く、30kg前後から40kg台。ボート本体と10〜15kgほどの2馬力エンジン、さらに予備燃料や氷を入れたクーラーボックス、釣具をつめ込んだタックルボックスなどを載せると合計60kgを超えるケースもめずらしくありません。
ドーリーを使用したとしても、1人で砂浜を引っぱって移動するのがかなりキツい重量です。駐車場と出艇場所を何度か往復し、荷物を分散すれば解決できますが、どうしても時間と労力がかかります。
共同作業で問題解決
有効な解決策は、2人以上で釣りに行くことです。多くの2馬力ボートは、重たいかわりに2〜3人乗りが可能なので、釣り仲間を誘って作業を手伝ってもらいましょう。
2人以上いれば、ボートから目を離してしまう時間が少なくなるので、イタズラや釣具を盗難される心配も減りますよ2馬力ボートの重さは、入門者にとってハードルが高いといえます。
とくに、1人での釣行がメインの方は、購入前に2馬力ボート一式の重さを体験すること、もしくは経験者の話を聞いておくことをおすすめします。