最近筆者が魚の調理の際、背骨断ち(頭を落とす)に利用しているパン切包丁と冷凍包丁の使用方法をご紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・宮崎逝之介)
魚の骨断ちは危険な作業
一般的に釣魚を捌くときに、かなり手ごわいのが頭部を落とすための背骨断ちの作業だと思います。体長30cmクラスまでの中小型魚であればそれほど苦労はありませんが、50cmクラス以上ともなるとかなりハードルが高くなります。
たとえ大人の男性であっても、出刃包丁にかなり力を入れての作業となりますので、女性やお子さんにはさらに難しい作業であろうと推測いたします。実際、硬い骨を落とそうと力をこめる作業は予期せぬケガや事故につながる危険もあります。男性の私でも恐怖感を感じるほどです。
パン切り包丁を使い始めたきっかけ
この背骨断ちの作業をもっと安全に楽にできないかと思い、この1年ほど試していることがあります。それはパン切り包丁と冷凍包丁です。パンを切る程度の包丁で大丈夫かと不安に感じるかたも多いかもしれませんが、これが意外と使えます。
もともとは、昨年某所に遠征釣行に出かけた際、現地の船長が大型のヒラマサの頭部を落とすためにノコギリ状の刃がついた鎌形の刃物を使用していたことをヒントに、同じようにノコギリ状の刃のパン切り包丁を試してみたところ意外と好感触でしたので、魚専用にパン切り包丁に類似した冷凍包丁を購入いたしました。
冷凍包丁はその名の通り凍っているものを切るための包丁でパン切り包丁と同じようなギザギザの刃が付いています。パン切り包丁と冷凍包丁は専門的なことはよく分かりませんが厳密には刃の形状が異なるようです。ですが、なかには兼用と謳って販売されているものもあります。魚を切る分にはどちらでも問題はないと思います。
パン切り包丁の使用方法
パン切り包丁で魚の背骨断ちをする場合の使用方法ですが、ノコギリの要領で前後に動かして切るイメージになります。実際にやってみますと、体重をかけて切り落とす出刃包丁と異なり危険性がかなり低いように感じます。
筆者はこれまで、真鯛、ワラサ、ヒラマサ、小型カンパチなどで試しています。骨が太く硬い魚の場合は引き切りのイメージで作業するといいようです。
落とした魚の頭部をさらに縦に半分にする梨割りにも挑戦してみましたが、さすがに頭部の骨には歯が立たないことが多かったです。それでも出刃包丁の補助として併用するとかなり便利です。
注意事項
最後にとても重要な注意事項をお伝えしたいと思います。本記事でご紹介させていただいたパン切り包丁と冷凍包丁の使用方法はあくまでも筆者が個人の責任と判断において実施していることになります。決して読者のかたがたに推奨するものではありません。
また、パン切り包丁も冷凍包丁も本来は魚を捌くために設計・製造されているものではありませんので、メーカーが推奨している使用方法とはまったく異なります。
ですので、もし本記事を参考にしてパン切り包丁や冷凍包丁を魚の調理にお試しになる場合はあくまでもご自身の責任において実施いただきますようお願いいたします。
<宮崎逝之介/TSURINEWSライター>