船釣り師が釣りのためについた【ウソ】 釣りバカ日誌のハマちゃん作戦とは?

船釣り師が釣りのためについた【ウソ】 釣りバカ日誌のハマちゃん作戦とは?

まだまだ若かりし頃、Windows95の少し前のアナログ時代の話です。映画「釣りバカ日誌」のハマちゃんよろしく口実を作って会社を平日に休んで、釣りに行き大漁をしたことがあります。今回はそのときのエピソードをお話ししたいと思います。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・丸山明)

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丸山明

ゴムボートから始めたボート釣りも25年を過ぎ、もうover60です。釣りを極めたいです。

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会社を休むためのウソ

当時、私は明石二見港の乗合船に通って、いわゆる常連さんになっていました。今よりも狙いものの魚種も多く面白い時代で、SNSはもちろんインターネットもない紙と電話の時代です。

釣り情報は、スポーツ新聞の釣り欄にある縦書き2〜3行の船宿釣果で、それ自体怪しい情報網でありました。

まあ、現在とは違いSNSでとやかく言われ、無難なことしか言えない時代と違い、船長からいろいろと甘辛情報があり、話も豊富だったように思います。

船釣り師が釣りのためについた【ウソ】 釣りバカ日誌のハマちゃん作戦とは?明石沖の乗合船(提供:TSURINEWSライター・丸山明)

平日に釣果が見込めそうだった

冬のある日、根魚でメバルやガシラ(カサゴ)狙いですが、こんな以前ですから魚影も濃く、寒さを忘れて楽しく釣っていました。しかし、その日は、釣れないしアタリすらなく、寒さが身に染みるような日でした。

筆者「船長、釣れないよ。」
船長「ああ 今日の潮は釣れんだろう。」

なんといい加減なことを言うもんだと思いました。向こうも商売だから釣れるような顔をして出航していますが、ちゃんと結果が見えているようです。

筆者「釣れる潮の日はいつ?」
船長「この日だ。」

とカレンダーを指さしたのは、平日のど真ん中の日を教えてくれました。この日ならば、狙いものかなり釣れるだろうと、言うのです。

「わかった。なんとしてもその日に来るよ」と言いましたが、天気予報も気になりながらも少々の時化でも出る船でしたから、問題は会社をどうするかです。

ネットがなかった昔ならではのやり取り

SNSがおもしろくない時代を作ったようで、今時こんなことを乗合船でいう船長はいないでしょう。すぐに尾ひれがついて広まってしまいますからね。でも、こういう話を聞きながらひとつひとつ自然相手の釣りを覚えていくようです。

今、私はボートで釣りをしていますが、隣を流している乗合船、「魚探に反応出ましたよー」って船内アナウンスしているのですが、誰もサオが曲がりません。

小艇の魚探には、ベイトすら写っていません。リップサービスもいい加減にしてほしいところですが、教えてくれたその日に釣りをするにはどうすれば良いか考えました。

釣りバカ日誌のハマちゃん作戦

そこでこれは、釣りバカ日誌のハマちゃん作戦しかないと、まことしやかな口実を作りました。その口実を使うタイミングが肝要で、嘘を誠にする機会を練りながら休みを申請。その当日は、天候にも恵まれ絶好の釣りの日に沖に出ました。

期待の1日が始まります。腕は大したことないので、あとは、運と魚のご機嫌だけが釣果に現れますが、本当に釣れました。それが、第1投目から良型メバルが釣れ、連続します。ガシラ(カサゴ)もポンポンですし、型物のアイナメも釣れるしで、とにかく千客万来です。

冬の釣りでこんなことがあるのかと思うほどで、船中大賑わいでした。休むのに苦労しながら釣りに来たかいがありましたが、そんなズル休みの苦労もない他の釣り人に、なんとなく嫉妬です。隣のオヤジも満面の笑みで釣っています。

船釣り師が釣りのためについた【ウソ】 釣りバカ日誌のハマちゃん作戦とは?こんな根魚がこの写真の何倍も釣れた(提供:TSURINEWSライター・丸山明)

しかし、船長は釣れない日(潮)を知っていて、そんな日でも何食わぬ顔をして釣り客を乗せて沖に行きます。釣りは、釣果だけが目的でなく、釣りに行く、それも船に乗って沖に出るということ自体が醍醐味。貧果であっても楽しい一日と解釈するのですが……、釣れるに越したことはないですね。

釣りは潮回りがとても重要

それからというもの、出勤交番で休日を事前に確保できるように、いわゆる休日に合わせた釣りから僅かでも潮に合わせた釣りができるようにと、潮の勉強をしました。船長に狙いものの魚が釣れる潮を教えてもらい、それなりに解釈をして予定を作りました。

とは言うものの、思うような日に休みを取得できないので、釣りに行ける休日の中でどの日が釣れるか潮を見るということを当時は懸命にした覚えがあります。現在のボート釣りにも活用していますが、「この日ならば釣れるかも」という読みが釣果につながる確率は微々たるものです。一流の釣り船の船長の読みはさすがといえますね。

まあ、ズル休みをして大漁釣行するとは、面の皮の厚い図々しさでした。ハマちゃん作戦は、あくまでも秘蔵の奥の手で、数年1回レベルにしておかないと疑われます。お気を付けください。

船釣り師が釣りのためについた【ウソ】 釣りバカ日誌のハマちゃん作戦とは?明石沖は根魚のポイントが点在する(提供:TSURINEWSライター・丸山明)

<丸山明/TSURINEWSライター>