テーマは「ワクワクフィールド野田幸手園で道場破り」。午前中の汚名を返上するがのごとく、午後の部では釣り方を変えて追い上げにかかった吉田。果たして勝負の行方は?
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
戦法変更は吉と出るか
このままだと優勝の二文字は見えてこない。起死回生を狙って、昼食を挟んだ午後からは竿を9尺に戻しグラスムクトップを使った抜き系チョウチンセットで挑む。
抜くって言ってもいろいろあるだろうけど水面直下から抜いちゃうの?
「いえいえ、そんなことをしたらこの時期は釣りになりません。いったんは沈没するくらいナジませて、そこから穂先をあおって強制的にバラケを抜きます」
ハリスも午前中の釣りより長めにした?
「はい。強めにタテ誘いをかけて下ハリスを浮き上がらせたら、そこからのフォール時間を稼ぐのが目的ですね。対して午前中の釣りは下ハリスが張った状態でのアタリを取るイメージなので、なるべく張りやすいよう短めにしていました」
なぜこの釣りにしようと思ったの?
「横目で見ていた平澤氏の釣りだからです」
と言うと?
「バラケの違いはあるにせよバラケの煙幕に下バリを紛れ込ませて、ハリスが張っていない状態で出る小さなアタリを取って釣れていたんです。なので先輩もウキはムクを使ってますよね。対して午前中のボクはパイプトップでした」
なるほど。確かにそうだね。つまり竿の長さもそうだし水中でのハリスのイメージも大先輩に近づけようってこと?
「はい。ただし先輩のバラケと比べてボクのバラケでは煙幕の滞空時間を稼げないので、そこは打ち返しのリズムでカバーするつもりです」
午後は追い上げるも
11時30分、午後の部をスタート。ところがここで思わぬ強敵に一部の参加者を除いた全員が苦しめられることになる。
予報では南風7~8mとなっていた風が今になって吹き始めたのだ。朝から参加者全員が事務所向きに座っていたのはこのため。しかし不幸中の幸いなのか吉田はこの一部に組み込まれず、早い打ち返しとテンポのいい誘いで午前中の汚名を返上するかのようにバタバタと釣り込む。
優勝候補筆頭の平澤氏もポツポツとは絞っていたが、午前中ほどの勢いはなく失速。ほとんどの会員が風にやられるなか、桜桟橋に入った浅ダナ両ダンゴの永井氏(今期年間成績暫定2位)だけは午後にペースアップし3位入賞を果たした。
15時、野田幸手園10月例会は事故もなく無事に終了。強風のため物が飛ばされてしまうため、その後は事務所で成績発表へと移った。
結果は2位
優勝はやはり吉田の左側358番に座り終始竿9尺チョウチンホタチョーで攻めきった平澤二朗氏そのひとだった。優勝釣果はジャスト40kg。
後半追い上げたものの平澤氏には1フラシ弱の差を縮められなかった吉田の成績は31.2kgで2位。なお3位の永井氏は30kgだった。
惜敗ではなくこれでは惨敗だね。
「はい。返す言葉もございません。大先輩とは9kg近くも差を付けられてしまいました」
後半よく追い上げたねと言う人もいるかもしれないが、企画的にはボツもいいところ。道場破りに向かったものの見事返り討ちにあったという落ちで今回は締めさせてもらうことにしよう。
競う釣りも面白いが、ここらでちょっと中休みかな(笑)。
次回は「野でたまにはのんびりと」です。
<週刊へらニュース編集部 関口/TSURINEWS編>