最近、ラインの調子があちこち悪い。いろんなスプールで問題が出ている。バックラ、モモリ、高切れ、到底切れるはずのない魚の引きでのブレイク、などなど。一遍にラインを新品にかえるので、悪くなるのも同タイミング…なのか。ラインについては細かい点までチェックしたが、特に「イト抜けの悪さ」が気になるので、考えられるすべての原因を見てみた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
ラインの糸抜けが悪化
釣りのラインは、特に海水使用ならば、基本的には使い捨てだ。ナイロンもフロロも、できれば使ってしまった長さは切った方がいい。エステルも含め消耗しやすいラインである。
ただPEラインはどうか?なかなか一回の釣行で切ろうという気にならない。価格が高価なのもあるし、一般のナイロンラインと同号数で4倍近い「強度」ゆえ、なんとなく丈夫なもんなんじゃないかと思ってしまうのだ。まあ確かにそういうところもあるようだが、プロに言わせると、「実は一回一回巻き替えた方がいい」らしい。ま、多少は大げさに言っているだろうが……。
確かによく見てみると、PEラインは一度使用しただけでも毛羽立ちが起きる。そんなに気にせず使うわけだが、これがイト抜けを悪くする原因ともなるだろうし、そうなると突然バックラすることもモモることも、そして高切れすることもある。
ライトゲームラインは特によくない
釣る魚が小さいのでライトゲームのPEラインなどは、別に摩耗していても大丈夫?
と思ってしまいがちだが、そんなこともない。むしろ一番よくないのがライトゲーム用のPEラインかもしれない。0.3号あたりとそれなりの太さがあるラインを使っているとよくわかるが、摩耗して毛羽立ってくると、キャスト時のイト抜けが極端に悪くなる。飛ばなくなる。フルキャストするとドボンと足元に落ちる。0.5g以下の極フィネスのワーミングが成立しない。
しかし、いくらラインを労わっていても、なぜか妙にイト抜けが悪くなることもある。何が原因なのだろうか?
考えられる5つの原因
イト抜けが悪くなる理由は、主には次の5点である。
ライン劣化
上でも述べたように、もっとも怪しいのはライン劣化だ。こまめなカットを心がけよう。PEラインならばどこかのタイミングで裏返して巻くか、あきらめて巻き替えるかすることだ。
ラインの隠れたモモリ・小さな結び目
高切れ連発時にはこれがよくある。ラインに小さな結び目ができていたり、微妙にモモっていたりするのだ。ちょっとサオとラインに対して、重い負荷がかかるものを投げて、ラインに触れながらゆっくり巻き取ってやると、「あっ」と小さなコブが見つかったりする。PEは摩擦に弱いので無理して解いても、そこで強度が落ちる。切るしかない。
ガイド・ガイドリングの傷
ガイドに傷がついたり、ガイドリングが傷つくことがある。主には置き竿や、強いPEラインを使うことでガイドに「ライン傷」というべきものが入るのだ。特にガイドの内側の傷はラインにとって致死的なものなので、釣具店に持ち込んで即交換した方がいい。
上の画像のように、ボールペンの芯でガイドリングの内側をなぞり、引っかかるところがあれば、傷だ。ガッ、と明らかに引っかかるガイドリングは交換しよう。
ブランクスの傷
これも舐められたものではない、ブランクスの傷……。ラインはキャスティングするときに多少なりブランクスに触れるので、たとえばバットガイドに大きな傷が入っていると、そこで摩擦がかかってラインの放出が失速することもある。
リールの問題(糸巻き量、ラインローラー)
もちろんリール側にも原因があるとも考えられる。糸巻き量が足りていないと、放出時のコイルが小さくなりすぎて飛ばない。下巻きを盛り直して、糸巻き量は適切に保ちたい。
またラインローラーが回らないせいでそもそもラインの回収がうまくいかず、ふんわりとラインを巻いてしまうために、だんだんと飛距離が落ちることもある。ラインローラーには半年に一度は必ず油を入れて、回転をチェックしておこう。
日々の習慣がモノを言う
なんでもそうだが、「習慣」というやつだ。ラインはまさにその最たるもの。イト捌きは釣りの命ともいえる。日々こまめに見て、こまめに切り、サオからもラインにストレスがたまる要素がないか確認する。ラインのトラブルは自分の「釣りの癖の悪さ」が出るところでもあるので、よくチェックしてフィードバックしよう。
<井上海生/TSURINEWSライター>