魚編の漢字には「知らないと読めないもの」が多いですが、中には「読み方を知らなくてもなんとなく推測できるもの」もあります。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
魚の知識があれば読める?「鯳」
最後にご紹介するのは「鯳」。これは字としてもかなりマイナーで、ヒントがないとちょっと読み方を当てるのは難しいかもしれません。
この字は「スケトウダラ」と読みます。すり身がかまぼこやちくわに、卵巣がたらこに加工される漁業上極めて重要な魚です。
スケトウダラを含むタラの仲間は深海性のものが多く、深い海底に棲んでいます。そこから「底に棲む魚」のなかで最もメジャーな存在であったスケトウダラに、この字が当てられたようです。
「鯳」は、魚の生態の知識があればギリギリ読める字といえるかもしれません。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>