6月のヤマメ解禁以来、今年キャッチしたヤマメ最大サイズは27cm。尺クラスのヤマメは北海道では中々お目にかかれないためこのサイズでも十分満足できるのですが、7 月に一度尺ヤマメに遭遇してからというものやはり尺ヤマメを狙いたいという思いが強くなってきていました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター小峠龍英)
ヤマメの「Curtis Creek」ヘ
カーティスクリーク(Curtis Creek)とは「秘密にしておきたいお気に入りの川」という意味です。筆者のカーティスクリークの一つであるとある川はヤマメの魚影が非常に濃く、足繁く通った昨シーズンは3尾の尺ヤマメをキャッチしています。尺クラスを狙うならまさにこの川一択。
今シーズンのこの川への釣行は今回で3回目になりますが前回、前々回はバラしを連発してあまり振るわない結果だったので今回はそろそろ結果を出したいところです。
猛暑の釣り上がり
8月初旬。北海道でも連日30℃を超える暑さが続く中、当日は快晴で35℃まで上がる予報。薮を漕ぎ、斜面を降って川に降り立った時点ですでに滝のような汗。昨シーズンの経験からこの時期はヤマメも上流に向かっていると見立てて、日当たりが良すぎるポイントよりも日陰のポイントをメインに探りながらの釣り上がりです。
最初に目をつけた日陰にある小さなプールにミノーを投げ込み誘いをかけていくとすぐに反応があり、アワセを入れると頼りなさげによってきた魚は15cmほどのエゾウグイ。どうやら水温は高い模様でよく見るとそのプールには複数のウグイの姿が。
早々にパスして次のポイントではスプーンをダウンストリームで流していると今度はウグイとは違う力強いバイト。やっと本命かと思いきや今度は25cmほどのアメマス。この川ではアメマスはあまり見かけないので意外でした今日はヤマメ狙い、さらに上流へ向かいます。
夏ヤマメは1里1尾
そこから釣り上がること1時間、実績ポイントを中心に探っていきますが小型のチェイスはあるもののサイズはあまり伸びず、この時点でキャッチできたヤマメは20cmと26cmの2尾。猛暑の影響でヤマメの活性は低いようでまさに「夏ヤマメ1里1尾」を地でいく展開です。
そんな中、流れが効いていてさらに身を隠せる岩があるちょっとしたポイントが気になります。その岩から3mほど上流にミノーをキャストしてその岩の側面をかすめるようにミノーを通すと岩陰から大きな影がミノーを追尾してくるのが見えてきます。
回収まで2mほどだったのでここで食わせないと後が無いと判断。ルアーアクションをトゥイッチングから早めのタダ巻きに切り替えるとそのヤマメは逃すまいと言わんばかりにミノーに噛み付きます。その瞬間まではっきり見えたのでフッキングのタイミングはばっちり。グルングルンと回転するヤマメに対しゴリ巻きでランディングネットに誘導して掬いあげます。
ネットに感じる重量感と体高から尺ヤマメかも思いメジャーを当てると29cmの泣尺ヤマメでした。太くて薄く緋色がかった魚体は美しくこの時点でかなり満足していましたがまだ探りたいポイントがあったのでその泣尺ヤマメをリリースしてそのまま遡行を続行します。
予想外の大物ヒット
上流に向かって遡行していくにつれて濃くなっていく魚影、水温もヤマメの適水温なのか随所で15cm~24cmクラスを立て続けにキャッチします。そんな中、折り返し地点の滝がある区間まで辿り着きます。その区間の渓相は両岸が切り立った岩盤の峡谷で水深は深くても膝上ほどでその中でも程よい流速の深みを探ります。
それまでミノーのみで釣り上がってきたのでここでは違うアプローチとしてスプーン5gに切り替え、河原に鎮座している岩に隠れながらダウンクロスでキャストします。スプーンがヒラヒラと明滅しながら岩盤の暗がりをかすめると白っぽい影がスーッとスプーンの背後に付いた瞬間クイっと絞り込まれるロッドティップ。すかさずアワセを入れるとまるで尺上イワナを掛けた時のような水飛沫とドラグを引き出す重量感。
ヤマメとは思えず一瞬「イワナかな?」と思いながらランディングネットを手にロッドを立てながら岩陰から身を乗り出してみると今まで見たどのヤマメよりも大きなヤマメが上流に向かって鋭いダッシュを繰り出していました。