陸っぱりタチウオのルアーゲーム。用いるルアーはメタルジグとワインドリグだ。ミノーやバイブレーションも状況によっては有効かもしれないが、タチウオの時合いは短いので、サーチ効率を上げるためにルアーは絞った方がいい。ジグとワインドの釣り方を説明しよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
アクションはジャークと巻き
メタルジグもソフトルアーも、アクションは同じようなものだ。二種類。ジャーキングと巻き(リトリーブ)である。ジャーキングといえば、ルアーを跳ね上げさせるアクションのことだ。巻きとは、そのまんまルアーを巻いてくること。
ただし、レンジ(水深)やアクションのスピードを考えると、パターンはいくつもある。タチウオがどのレンジにつき、どういう動きを好むかは、状況次第。ある程度その年や時期のパターンというものがあるが、次の潮回りではまったく別…かもしれない。
メタルジグのアクション
まずは、朝マヅメや夕マヅメ前のメタルジグのアクションについて説明しよう
メタルジグは目立たせる意味でも20g~30gくらいのボリュームがあった方がいいだろうが、このへんは海の水深にもよる。多少シルエットが小ぶりになっても構わない。基本的なアクションは、「スロージャーク」。ゆっくりとしたジャーキングで、あまりシャンシャンとジグを動かせすぎない。ただ巻きでも、活性が高くない限りはスローに引いてくる。
朝も夕も、カラーはケイムラやグローといった、海中で目立つ色が望ましい。紫のジグに反応がいいという話もある。
「ワンピッチワンジャーク」。サオを一回煽ってリーリングでスラックを回収する。リールを押し込む動きに連動させて、反対に、サオ先を上げる、という意識で動かしてみよう。
ワームでのアクション
陸っぱりタチウオのルアーゲームの真打ちは、ソフトルアー(ワーム)だ。メタルジグよりもアピール力が大きく、ジャーキングやフォールスピードが緩められる分、魚が食いつきやすい。タチウオは捕食がヘタなので、体積があって、ゆっくりと動くワームの方がガッと口で捕えやすいわけだ。
以下、時間帯や活性によるワームの動きについて解説を進める。前提として、ジグヘッドはワインドとリトリーブのものを使い分けず、同じヘッドを使うとする。
ワインド:活性の高い時間
ワームを左右に跳ねさせる「ワインド」の動き。タチウオの活性が高く、まだ水中で視認が効きやすい日没後30分ちょっとの時間のアクションだ。どちらかというと、釣り人主導の釣り。ルアーが落ちていくフォールや、ジャーキングしたときの瞬発的なリアクションバイトを誘う、攻めの釣法だ。辺りが暗くなって、ベイトっ気が水面にチラつくような時間帯は、まずワインドでいく。
ワインドアクションは、リーリングとサオ先の動きで演出する。リールのハンドルを押し込む反動で、サオ先を上に向かせる。これを3回~5回繰り返して、フォールさせる。
巻き:活性が低くなった時間
タチウオのルアーゲームでは、クワセの釣りに近い、「巻き」(リトリーブ)。辺りが完全に暗くなってしまって、ドンくさいタチウオがルアーの動きを追えなくなってきた時間帯には巻きの釣りでいく。
アクションはごくシンプルなもので、表層・中層・ボトムのレンジを取って、巻くだけ。ワームはシャッドテールのものでもよいし、ワインドと同じピンテールのものでもいい。アタリが出たレンジを重点的に攻め、時折リールのベールを返してフリーフォールさせると、ガツンと食いついてくる。
日中に練習と地形のインプット
ワインドやジャーキングのアクションは、日中に練習した方がいい。ルアーが目に見える状況で、手元のアクションとルアーの連動感をチェックしておこう。特にワインドは、左右にうまく跳ねさせられるようによく練習しておきたい。
また日中に知っておきたいのが、釣り場のボトムの地形だ。メタルジグでもワインドリグでも底を取るので、着底する重量と、「ここで根がかりする」という危険を確認しておこう。
<井上海生/TSURINEWSライター>